お正月! 2021

新年、あけましておめでとうございます。

且つ、お久しぶりでございます。

by Ss侍。

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「「「あけましておめでとう!!」」」



 1月1日深夜0時。俺達は一つの部屋に集まって一斉にお祝いの声をあげた。毎年行う地球とアナズムを行き来する者達の新年のお祝い。今年は新たに佐奈田が加わりその分、ご馳走の品数も増え、場が騒がしくなっている。

 今年も色々あった。本当に。



「……なんて、数ヶ月前に地球でそう言ったばかりだけど。アナズムでも新年のお祝いするんだね」

「まーね! アナズムでは新年より別のイベントの方が大きい行事なんだけど、俺達はやっぱり日本人だからね」

「私達だけでもこうして慣れ親しんだ新年のお祝いをパーっとするのよ」

「わふー、私はアナズムの人間だけど流れに乗ってるんだ」

「ま、はえー話がこうしてただ騒ぎたいってだけなんだがな」



 アナズムで新年を迎えるのは何回目だろうか。……たしかまだ2回目ぐらいだったはず。でも何故だか5回目ぐらいのような気がしている。俺だけじゃなく、佐奈田以外の皆んながそんな感じのようだ。それだけアナズムと俺達の関係は切っても切れないようになっているってことだろうか。

 そのうちアナズムにも新年を盛大に祝うという文化を持ち込んでみたい。あれ、でもお城でも新年を迎えたことあるような……ま、細かいこと気にしなくてもいいか。さっきから記憶の混濁がひどいけれど、きっと騒ぎすぎてるせいだろう。


 全てを悟ったような表情をしてこちらをニヤニヤと覗いてくるアナザレベルのことはほっておいて、俺達はそのままアナズムが新年になったことを祝い続けた。



「それにしても、地球じゃ新年開けは冬休み中で普通は会えないから皆んなの正月の正装なんて初めてみたけど、全員すごく豪華で綺麗だね! そして当然のようにあゆちゃんは着物なんだ」

「うん、まあね! 似合うからね、仕方ないね」

「この調子だと兄ちゃんは成人式の時も袴じゃなくて着物をきるね」

「ああ、あゆ兄ならあり得るかも」

「むむ、どうだろ。それは流石に……」

「可愛ければ問題ないと思うけどなー、私は」



 ありえないとは完全には否定できない。だって好んで着物を着てるから。しかし一応戸籍上は男だし……。

 


「……まあ、本当は貴様ら全員17歳で生まれて5年経ったから22歳なんだがな。カナタとサクラは19歳か」

「わふ? 神様、急に何を言ってるんだい?」



 さっきまで俺達を眺めているだけだったアナザレベルが不適な笑みを浮かべながら急に変なこと言い出した。お酒でも飲んでるんじゃないだろうか。俺達未成年だから飲み物にアルコールなんて用意してないけど。



「いや、それとも全員一律で5歳か? とするならば我も5歳と言える」

「……?」

「まあいい、我の言ったことは忘れてくれ」

「……へんなの」



 アナザレベルは再び部屋の隅に移動し、黙って俺たちの様子を眺めているだけの姿勢に戻った。混ざりたいならちゃんと言ってくれればいいのにね。言ってくれたら別に邪険にはしないのに。



「そうだ、新年のお祝いならこれも言っとくべきじゃない? 今年もよろしくお願いしますって。ふふふ、皆んな私の知的好奇心を満たすの、手伝って貰うわよ!」

「うん、よろしくね!」



 こうして再び飲み食いのどんちゃん騒ぎが始まった。今年も俺達とアナズムのみんなとで楽しい一年にしたいと思うよ!

 だからこそ、今年もよろしくお願いします!






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※このお話は本編ではないパラレルです。

※今後の予定を近況報告に記載する予定です(2021.1/1終日迄に更新)。更新情報や新作情報などはそちらをご覧ください。

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