アナズムのクラスメイト達

「うぅ……グスッ……」

「ごめんね、さなちゃん。恐かったよね」

「うんっ……」



 私から突然抱きついたにも関わらず、美花ちゃんは嫌な顔せず背中を優しく撫でてくれる。居る、ちゃんと五人とも生きてる。

 私の視界に神様が映り込んだ。人型ではあれど、人とはかけ離れた姿をしている幻想の中から出てきたかのような存在。そうだ、こいつだ。

 普通なら、あの不可解な連続の原因としてヤケクソにでもならない限り選択肢に上がらない魔法や超能力。でもこんな存在が目の前にしっかりと居るのだから、それらがむしろ一番現実的になってしまった。私はアナザレベルとかいうのをおもいっきり睨みつけ、指を指した。



「あ……あ……」

「む、なんだ?」

「あなたがっ……あなたがっ……私の友達を……何人も、何人も! あ、あなたなら説明がつくの、私の周りで起こった不可解な現象全部に! 違う!?」

「答えよう。我が原因ではない。だが元凶ではある。すまなかった」



 アナザレベルはその原因について話し始めた。どうやら原因は私たちと同じ地球人。でも何年も先の未来から連れてきた存在らしい。とにかくわがままな性格で、そいつの目的のためにあゆちゃんと美花ちゃん、そして巻き添えを喰らう形で火野達が無理やりこのアナズムに連れこまれたみたい。

 その未来人を面白半分でアナズムへ招待してしまったからアナザレベルは自分を元凶と言っている、というわけね。



「その……その未来から来た人っていうのは……?」

「ついこの間、成上有夢が自力で倒した。彼はすでに神である我と同等の力を有している」

「そ、そうなんだ。なら安心? って、え、あゆちゃんも神様なの……?」

「持ってる力はね」



 なんかさらっとすごいこと言った。今まで一体この世界でどのように過ごしてきたんだろう。そういうことも、あとでまとめて教えてもらえるのかな。



「落ち着いたか、佐奈田よ」

「え、ええ。少しだけ。ありがとう美花ちゃん」

「ううん、いいんだよ」

「では改めてこの世界と仕組みについて説明しよう。あのバカよりも丁寧に教えてやる_____」



_____

___

_



「全て理解できたか? あの学園で悪くない成績を取っている生徒だ。おそらく大丈夫だろうが」

「ええ、まあ、それはバッチリだけど……」



 聞けば聞くほどあゆちゃんのためにわざわざ作られたんじゃないかと思える世界の仕組みだった。要するに、どうせ、あゆちゃんのことだからレベル上げのし過ぎでスキルやステータスやらが神様レベルに到達してしまったのでしょう。

 叶くんの頭脳も中々に活かせそうだし、成上家一強なんじゃないかと話を聞いてる最中で思ったけれど、事実、あの通称ロリおじ……あゆちゃん達のお父様も中々の活躍をしたそう。


 あゆちゃん達のこの世界での扱いも聞いたけど、力だけが神様レベルなんじゃなくて、人気というか地位というか、そういうのも神であるアナザレベルの次点に落ち着いてるっていうのは驚かされた。半分、力じゃなくて可愛さで権力を得たようなものらしいけど。

 いや、そんなことより普通、本当にあゆちゃんが女の子になるなんて思わないでしょ? なに、女の子になって活躍って。そして未だにアナズムの世界の住人はリルちゃんとその本当の両親以外、本来の性別を女の子だと思ってるからそれに合わせて欲しいって。いいけどさ、いいけどさ……地球じゃあゆちゃんが女の子になることを望んでる人の方が多いけどさ……。



「そうだ、今は元の姿のままだろう? 有夢も美花も、この世界での姿を見せてやったらどうだ?」

「じ、じゃあせっかくだから見せてもらおうかな……」

「ん、いいよ!」



 あゆちゃんと美花ちゃんの身長が縮み、髪の毛や眼の色がかわった。あとは若干この世界の人の肌の色に合うよう白くなったくらい。化粧品、髪染やウィッグ、カラコンを使えば地球でも再現できそうではある。

 これがアリム・ナリウェイちゃんとミカ・マガリギちゃん。


 ミカちゃんの方は、単純に中学生の頃の彼女を所々変えただけに見える。雰囲気は結構変わるけど。洋風でエメラルドな髪はすごく綺麗。ミカちゃんはどう転んでも天使らしい。


 すごいのはアリムちゃんの方。元々女の子にしか思えなかったあゆちゃんが本当に女の子になってしまったら……彼と関わったことのある人間が誰しも一度は考えるそんな幻想。その幻想体が目の前にいる。

 顔自体は変わっていない。アナザレベル曰く、普通は性別に合わせて顔も変わるものらしいけどあゆちゃんは特異らしい。元が元だから仕方ない。でも彼の中学生の頃とは結構な違いがある。


 しかしまあ……よくこんな……世界中の生物的な“かわいい"を詰め込んだ存在ができるものよ。

 一番大きいのは元々スベッスベだった肌が、進化してモッチモチスベッスベに変わっていること。女の子より綺麗な肌の持ち主が女の子になったら、赤ちゃん肌になるらしい。


 赤ちゃん肌のせいか痩せてるのにエロい意味でムッチムチしてるという矛盾が生まれている。ソックスに食い込んだ太ももや、プルプルのほっぺた……そうまるで皮膚全てが……丁度、男の人にとっての女性のおっぱいそのもの。それくらい魅力的。


 触りたい、触りたくてたまらない。どんな感触が手に現れるんだろう。



「あゆ、あゆ……あゆちゃん。ちょっとほっぺたか太もも触らせてもらっても……はぁはぁ……いいかなぁ?」

「息遣いが荒いよ。ほっぺたならいいけど、皆んなこぞって触りたがるし……」

「そうよね、触りたくない人なんているわけないもん。じゃあ遠慮なく……」

「むにーっ」



 あゆちゃんの口癖の一つである、わざわざその口から発せられるあざとい擬音・効果音と相まって……手から全身に渡って幸せが舞い踊る。

 プニプニ神。そう、あゆちゃん改めてアリムちゃんはきっとプニプニ神なんだわ。だから力も神様レベル……。



「むにむにしすぎひゃなひ?」

「わかるわ、さなちゃん。触り過ぎちゃうの」

「……佐奈田よ。アリムを遊び道具にしたままで構わない。この世界で活躍するための名前を決めないか? そうしなければスキルの振り分けなどもできないぞ」

「わ、わかった。じゃああゆ……アリムちゃん、しばらくこのままでいいてね」

「ふへぇ……」


 



#####


〜雑談〜


やっぱり、どうぶつの森にのめり込みすぎて向こうの話を一文字も書き上げることができませんでした。申し訳ありません。

作成途中の新作を書いたり、就活をしたりしなければならない身なのですが……何年も新作を待ってただけあってやりすぎてしまいます(発売からまだ2週間ですが、プレイ時間が140時間超えてしまいました)。


世間的に今、教科書に将来載りそうなレベルの流行病があり大きな活動はどのみちできませんが、なにかしらの準備くらいはできるはず。

しかしゲーム優先にして怠けてしまいます。就活なんて特にかなり大事なことなんですけどね……。困り果ててます、自分自身には。


あのゲームシリーズのうち、「おいでよ」は私が小学一年生の頃、初めて親にゲーム機ごと買ってもらったゲームでした。私自身を作ってくれたゲームの一つと言えます。

あの頃の私が今の私をみたら何と思うでしょう。作家なんて特別な人しかならないと思っていたので、まず「すごい」と思ってくれるはずですが、まあ、大事なことそっちのけでゲームにのめり込んでる事実を見られたら「なにやってるんだこいつ……」と思うことでしょうね。相当な真面目ちゃんでしたから。


次週はきちんとLevelmakerは更新します。しかし夜のLevelmakerの方はやはりわかりません。更新した場合はきちんと報告しますね。



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次週も本作は更新はありますが、R18版は未定です。更新した場合は報告します。

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