危険なクラスメイト達

「ね、ねねねね、ねぇ、あ、あああ、あ、あゆちゃん、み、みみみ、み、美花ちゃん」

「え、どうしたのさなちゃん!? 声が震えてるよ?」

「大丈夫……?」



 大丈夫なんかじゃないわよ。ただでさえ得体の知れなかった自分の友達二人が急に、非科学的な意味で得体の知れない存在に変わったのよ!? こうやって目の前に立ってるだけでも精一杯よ。



「あ、あのね、その……聞いちゃったの私」

「何を?」

「あ、あなずむ……? って、なに?」

「……!?」



 あゆちゃんと美花ちゃんがこの上なく驚愕した、というのをその美しすぎる顔面全てを使って体現してくれた。この二人がここまで驚いてる姿を見るのは初めてかも知れない。

 いや、この二人だけじゃない確実に今、火野とリルちゃんも反応を示した。とても鋭い反応を。



「ねぇ、さなちゃん。放課後、時間ある?」

「えっ、う、うん。今日は……あると……思う」

「じゃああとで俺の家に来てくれないかな? あと、このことは絶対に誰にも他言しないように、ね」

「う、うん……」



 情報を司さどっている私。幾度も危ない目に遭ったけど、その修羅場はくぐってきた。でも、今回はやばい。どうして友達たちから人生で一番こんな……恐怖の感覚が。私はもしかして、いや、もしかしなくても禁忌に触れた? よく考えたら時間を止めてくる人たち相手にこんな直球な質問、まずかった……よね?



_____

___

__




「お、お邪魔します……」

「あら、たしか佐奈田ちゃんよね。いらっしゃい。今日はどうしたの?」

「お母さん。ちょっとバレちゃったんだよね、佐奈田に」

「ありゃ、有夢にしては珍しく油断したわね」

「うん、そうなの」



 学校が終わってから私はあゆちゃんに連れられて彼(彼女)の自宅まで久方ぶりにやってきた。いまの口ぶりからして、おばさんもあゆちゃん達の秘密を知ってるみたい。お、親公認なんだ。



「じゃあ俺の部屋まで来てね」

「う、うん」



 連れられるまま、あゆちゃんの部屋へ。普通だったらあゆちゃんみたいな人気者にお家へ招待されるなんて一週間は周りに自慢できることなんだけど、今日は違う。



「そういえばいつものメンバー以外の女子をお部屋にあげるなんて久しぶりだなぁ」

「そ、そうなんだ……」

「そろそろそのメンバーが来ると思う。ちょっとまっててね」



 あゆちゃんがそう言った次の瞬間、窓から美花ちゃんが、普通の入り口からリルちゃん、火野、桜ちゃん、叶くんが入ってくる。やっぱり、やっぱりこの六人……! 私は囲まれてしまった。



「佐奈田さんだよね? にいちゃん、なんでバレたの?」

「わかんない。でも佐奈田がいきなり俺たちにアナズムのことを訪ねてきたんだ。なんでわかったの?」

「あ、えっと……あの、あゆちゃんと美花ちゃんが、あの、物陰で話し合ってるのを、偶然……」

「え、嘘! さなちゃんあんな場所にいたの!?」

「す、スクープの匂いがし……したんです……」

「わふ、なんで敬語?」



 こわい、こわいよぅ。火野を除いてみんな可愛いのに、なんでだろう、得体の知らない恐怖感がおそってくる。この六人でいろんな生命体を滅ぼしてきたような、そんな感覚。身震いが止まらない。



「あれ、佐奈田って冷え性だったか? 有夢、暖房強めてやれよ」

「そだね」

「あ、あの……」

「どうしたのさなちゃん」

「こ、殺さないで……。わ、私、春休み中に彼氏ができたばっかりで……み、未練があるの……まだ……だから……」

「あれ、もしかして山上くん?」

「そ、そうです……」

「わーふー! なんやかんや付き合わないなんてお互い言ってたのに、進展があったんだねぇ! わっふっふ」

「まあまあ、俺も気になるけどそういう話は後にしようね」



 あゆちゃんは部屋の暖房を強めた。命乞いついでに、自分のとんでもない秘密をバラしてしまったわ。こ、これで今回の件はチャラとかにしてくれないかな……? 



「だがあれだな、佐奈田だからこそここまで探れたってところか」

「そだね、佐奈田じゃなかったら俺たちの話を聞くなんて無理だろうし」

「さすが我が校随一の記者ですね。……で、どうするの、佐奈田さんのこと」

「記憶を消すか、ちょっとお話をしてアナズムに誘ってみるか……」

「私はさなちゃんなら歓迎してもいいかな!」

「わーふ、そうだね。他言を絶対にしないからね」

「し、しません! しないです!」



 よくわかんないけど条件反射でそう答えた。なぜかその方が良いことになるような気がしたから。私が他言しないといったら、絶対に他言しない。だからもう誰にもあゆちゃん達の秘密を喋ることはできなくなったけど……もし喋ったらどうなるかわかんないし、どっちみち……これで。



「じゃあお誘いしよっか」

「あ、でもさなちゃん」

「は、はいっ」

「これ、一生に関わる選択だからよーく考えて選んでね?」

「う、うんっ……」

「じゃあまずはアナズムとは何か、から話そうか。そして俺たちが何者なのかも。そこからの方が良いよね」



 あゆちゃんが主体で、私にとんでもないことを話し始めた。どれもこれも、耳を疑うようなことばかり。まるで夢物語を聞かされているような、そんなお話。











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前々から連絡していたLevelmakerのR18版の投稿を開始しました。

pixivに投稿する予定でしたが、結局その必要はありませんでした。普通にノクターンノベルさんに投稿しました。


行くには下記URLを打ち込んで入るしかありません。18歳以上で興味のある方だけ閲覧お願いします。あらすじ等の説明はしっかり目を通していただけるとありがたいです。


https://novel18.syosetu.com/n1899gb/

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