閑話 お正月! 2020
「せーのっ」
「あけまして、おめでとうございます!」
大勢の人間が一斉に城の中でそう唱えた。
メフィラド城、城内。この日、アリムの提案で様々な人が集まったのであった。アナズムと地球は一年の月日に違いがある。しかしこの日、この元日は奇跡的に合致したのであった。現場の様子は祭りそのもの。
「いやぁ、今までで一番盛り上がってるねぇ」
「そうね! まさかこんな日があるなんて」
飾り付けや皆の衣装はもちろん全部、アリムが用意した。城が日本の正月に乗っ取られたような感じになってしまっているが、王様達は異文化も知っておきたいという理由で快く受け入れている。
「今年一年も色々あったね」
「特に有夢がストーカーされてたわね」
「だいたいその一言で済んじゃうよねぇ」
アリムはほっぺたをあざとく膨らませる。そんな彼女をみてミカは物憂げな目を向けた。
「……なんだかね、有夢」
「んー?」
「もう少しでなにかが終わってしまうような、そんな感じがするの」
「たしかにボクもそんな気がするよ」
しみじみと何を言うでもなく二人は頷いた。まるで、どこかで行われるスポーツの祭典、その開催場所が発表され……実行されるまでの年月がすっぽりと入り込むような、およそ四年と数ヶ月。それほどの時間が経ったと体感させるようなこの一年と少しを頭の中でゆっくりと反復させる。正月も四回向かえているような気がしていた。
「長かったねぇ、なんだか」
「たしかにね」
「感謝しなきゃね、色んなことに。ほら、なんやかんやここまでやってこれたんだから」
「うんうん」
アリムとミカは楽しそうにこの祭りのような会場を楽しんでいる知り合い達を眺めた。一人ひとりの顔を撫でるように。
そして、再びお互いに向き直す。
「あと少しかもしれないけど、今年もよろしくね!」
「うん、よろしくお願いします!」
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あけましておめでとうございます。
おかげさまでLevelmakerは四度目の元旦を迎えました。ここまで続けられたのも、皆様のおかげでございます。本当に、本当にありがとうございます。
ところで毎日投稿をやめ、隔日投稿となって一年半経ちました。今のところこれが無理のないベースなのかなと思っている次第です。今年は私も本気で忙しい年。たぶん来年もそうでしょう。無理のないよう、しかし投稿の停滞だけは絶対にないよう、これからも続けてまいります。
毎年、この後書きで一年内に行う予定などを書かせていただいておりましたが、今回は各投稿サイトの活動報告や近況ノートと言ったものに書かせていただきます。新作に関することなども記載しますので是非、そちらをご覧ください。
以上です。今年も私と作品達をよろしくお願いします。
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