閑話 有夢と翔が二人っきり (リクエスト)

 ゴールデンウィークでござるな。のんべんだらりとしすぎたが故、本編を進めさせる気が今日は無くなってしまったでござる。予定と違うけど今回はリクエスト回にするでござるよ。

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______ある日、地球にて。



「……二人きり……だねっ。えへへ」

「お前よ、そんな思わせぶりな言い方しなくたって今まで二人きりなこと何回あったよ。あと今日は普通に遊びに来てんだから当たり前だろ」

「これ、この間の掃除中に偶然二人きりになった他の男子にしたら顔真っ赤になって挙動不審になってたんだ」

「やめてあげろよ、お前……」



 これだからこいつは小悪魔だとか言われるんだ。

 今日は俺の部屋に有夢が遊びにきている。アナズムに行き来するようになってからあんまり来なくなったから久しぶりだ。美花の目を盗んで進めていたゲームがどれほどになったかの成果を自慢しにきたらしい。当然のように『ドラグナーストーリー4』のソフト一つに入ってる三つのデータは全部レベル99だ。



「で、どれが今回一番価値のあるデータなんだ」

「この2データ目だね。実は超序盤に仲間になってすぐに永久離脱する仲間キャラがいるんだけど、それを離脱する前に99にしたんだ」

「よくやるわ、マジで」

「えっへん!」



 相変わらずの男とは絶対思えない顔でとびきりのドヤ顔を決めやがった。……男とは思えないといえば今日の服装もそうだ。もともとこいつは女装趣味があったが、アナズムで正式に女になれるようになってからもっと攻めた路線に走ってやがる。今日はピンク色の兎耳がついたフードのパーカーに、変に動けばパンツが見えそうなめっちゃ短いジーンズ、膝小僧あたりまでの黒と白のシマシマの靴下。いつの間にこんなの買ったんだか。脚が綺麗なのはわかってるっての。



「……あ、今日の服装についてなんか言いたげだね?」

「ああ。兎耳のフードってお前……」

「可愛いよねこの服」

「そ、そうだな」

「えへへ、お膝貸してね」



 有夢はニコニコしながら俺の膝の上にうつ伏せで腹から乗っかってきた。こいつ、"アリム"に慣れすぎて自分の本来の身長が170cmあること忘れてねーだろうな? まあこうして甘えてくるのは昔からだから今更いうことでもないか。



「ん、ごつごつする……。また脚が屈強になった?」

「そりゃ鍛えてるからな。お前の細い足とはちげーんだよ」

「一回俺の足の細さになった翔も見てみたいな。ふぅ、よいしょ」



 有夢はやっと収まりがいい場所を見つけたのか、俺の足の上でもぞもぞ動くのをやめた。そして自慢するためにゲームの二番目のデータを開き始める。今一瞬、プレイ400時間って見えたな。こんな芸当できんのもマジックルームのおかげだな。

 美花と付き合うようになってからゲームをやる頻度少なくなったかと思えば、マジックルームにこもって時間ゆっくりにしてもっと廃人プレイするようになっている。美花にとっては有夢がゲームやってる時間なんてほんの僅からしいが、いいんだか悪いんだか……。

 ところで、ふと、また有夢の脚の方に目がいった。見たくて見たわけじゃないがな、なんとなく。……ちょっとおかしなことになってんな、主に臀部が。



「おい有夢」

「なぁに?」

「ジーンズから下ケツはみ出てんぞ」

「え? あ、うわぁ……流石に短すぎたか」

「なんでそんなもん着てきたんだよ」

「着たかったからだよ。でも恥ずかしいからやめるよこれ」



 ……男のケツなんてみていいことなんてないんだがな。まあ有夢は半分女みたいなものだしまだマシか。これがリルだったら教えずにガン見してたな。たぶん。



「ふふ、今考えてること当ててあげようか」

「美花みたいな真似すんなよ」

「……有夢だったからからまだマシだけど、どうせならリルちゃんのがみたかった……じゃない?」

「マジで当ててくんなよ……」

「あとついでに行っておくと、これが美花か"アリム"でも黙ってガン見してたね! 翔はそういうやつさ!! このむっつり!!」



 有夢がまたドヤ顔をしながら言ってくるが、正直なところ全くもって言い返せない。最近リルにもそう言われたからな……まだ相当仲が深い間柄の相手からしか気が付かれてないのが救いか。ただ俺のむっつりって、有夢や叶くんに比べたらその気があるってだけで一般的に考えたら普通ぐらいだと思うんだ。たぶん。



「翔なら信用できるからアリムになってあげてもいーよ」

「やめろよ……」

「へへん、冗談だよ冗談。あ、ところで翔」

「なんだ?」

「リルちゃんって彼女ができてから、アレどうしたの? 本とかネットで拾ってきたやつとか」



 俺がむっつりだって話してからその話題もってくるか。いいだろう、答えてやる。どうせ有夢も同じような状況だろうしな。



「全部捨てた」

「おお、俺と一緒!」

「当然だな」

「当然だよね! ……ふぅ、美花とじゃできない話もたくさんあるからやっぱり翔と遊ぶのも大事だね」



 有夢はなんだか嬉しそうな顔をしてそう言った。そうだな、俺と有夢じゃ見た目が真逆だが本来の性別は一緒だからな。……たまにそのこと忘れそうになるが。



「さ、ゲーム見てよゲーム」

「いいぜ」



 俺はいつものようにゲームの画面を見させられた。




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正直、有夢アリム×翔はいくらでもネタがありますからね、また気が向いた時やりたいですね。


・アリム×翔 【済】

・アリム×父親

・アリム×リル

・アナズム女子メンバーによる女子会(アリム有)

・有夢×翔 (出会った当初) 【済】

・翔×リル(新婚生活)

・侍(幻転丸)×翔 (武人談義)

・有夢家父×カルア 【済】

・ウルト×シヴァ

・ローズ×ラハンドやガバイナ

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