第975話 大スキル合成会 2
「それじゃあ早速作っていこうか」
「そういえばさ、有夢」
「なぁに?」
ミカから提案があるみたいだ。何か閃いたっぽいね。
「なんだっけ……あの、スキルを一つ人から吸い出してスキルカードにできるやつ」
「ああ、スキルカードの原型ね。それがどしたの?」
「有夢のアイテムマスターや叶君のスパーシなんちゃうってやつ、それらを使って合成したスキルをカードで抽出して合成素材に使えばまたレパートリー広がるんじゃない?」
「ほほう、確かにそうだ!」
俺のアイテムマスターなんて少し混ぜるだけでアイテム関連のスキルが出来上がる。ここにいる全員がアイテムマイスターとダークマタークリエイトを使える状況にあるとはいえ、純粋なアイテムマスターを混ぜたスキルの方が合成素材としていいスキルができるはずだ。
「じゃあ私はかにゃたのスキルで作ったものと私のスキルで作ったものを掛け合わせてみようかな」
「いいんじゃないかな。俺ならいくらでも協力するよ」
「うんっ!」
「わふー、それでも私はテーマが決まらないなぁ……」
「俺の炎神とか有夢の雷の神とか使ってみるか?」
「私はどっちかっていうと戦斧で戦う肉体派だからなぁ……」
確かに自分のイメージにあったスキルって欲しいよね。ぶっちゃけ俺とショーのは雰囲気に合ってるかどうかわからないけど。だとしたらリルちゃんはどんなのがいいのかな?らす
「んー、私もやっぱりもうちょっとスキル考えてみようかな」
「ミカも?」
「うん、やっぱり時間を止めて衝撃を蓄えるだけじゃね。普通にものを動かしたりもできないと」
「じゃあそれも俺が協力するよミカねぇ」
「ほんと? ありがと!」
確かに強いけど日常で使う分には使い勝手は悪そうだったもんね。カナタのスキルが入れば少し改良されるかしらん。SSランクの階級21のスキルだったり、星五つのスキルでも強い弱いがあるからね。一定の強さ以上が最大の階級21ってことなんだろうけどね。
さてと、みんなしっかり考え始めたね。ショーがリルちゃんに付き添って、カナタがサクラちゃんとミカに付き添ってるね。………俺は、俺は誰を見ればいいのさ?
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「あゆむーっ! みてみて、スキルに効果が追加されたの!」
ミカがトズマホを見せてくる。確かにタイムデザイアというスキル名は変わっていないけれど、効果の欄に「物を自由に動かせる状態を選択できる」「止まっている最中に任意で触れた対象を止めた時間に引き込める」というのが追加されていた。
そうだ、合成って確か別のスキルが完成するだけじゃなくて追加されるというパターンもあったっけか。記憶が正しければ『解体』のスキルになにかを付与したのが俺の最初で最後の効果の追加だったはず。……もしかしてダークマタークリエイトやアイテムマスターもこれ以上強くなるのかな?
「それで使い勝手は良くなりそうだね」
「うんっ!」
タイムデザイアに念術を付け加えるだけで停止時間中の移動の方は解決したらしいんだけど、停止時間内に引き込むというのはカナタのスキルが影響しているらしい。俺もカナタのスキルを取り込ませてもらおうかな?
「で……できた……!」
「うん、かなり強いと思うよ!」
どうやらサクラちゃんもなにかいい感じのができたみたいだ。どんな感じのか聞いてみようね。
「どんなのできたの?」
「ミカネェと同じ時間停止系だよ。ただタイプが違う」
「美花は自分以外が止まるけど……となるとサクラちゃんは好きなものの時間を止められるって感じ?」
「そうなの! でもそれだけじゃないんだ」
サクラちゃんはダークマタークリエイトでお皿を取り出して空に放り投げた。そしてそれはピタッと空中停止する。これが主な効果だよね。そしてサクラちゃんはその空中停止を皿を受け止めもせずに解いてしまった。もちろん、お皿は地面に落ちて大きな音を立てて割れてしまう。何かあるんだろうなと思ってわざと放っておいたけど、なにが起こるんだろう。
「これからだよ」
「私も試すの初めてなんだけど……」
サクラちゃんが割れて散らばったお皿の方に意識を集中させると、まるで逆再生したかのようにお皿が元に戻った。たしかサクラちゃんの元々あった星五つのスキルは物も直せたはずだけど、それとはまた違うみたいだ。
さらにサクラちゃんがもう一度治ったさらに集中すると、今度は落ちてないのに粉々になった。
「つまりこのスキルは時間停止に加えて、巻き戻しや再生ができるってことだね?」
「そういうことだよにいちゃん。かなり使い勝手はいいはすだ」
「えへへへ」
スキル名は『タイムホープ』。ミカとサクラちゃんのスキルはどっちも時間に関するスキルになったわけだ。姉妹は似るね。兄弟もある程度は似たけどね。
リルちゃんの方はどうなんだろう。もうできたのかな。
「さあショー! 私を思いっきり殴るんだ!」
「無理だ、そんなことできねー!」
「じゃあ投げ飛ばして!」
「いやだ!」
「剣で刺すだけでもいいから!」
「勘弁してくれ!」
……なにやってるんだろう、リルちゃんが自傷的なMに目覚めたのかな?
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