第910話 知り合いをお招き
「すごく大きい……」
「外から見たことは何回もあるけど、中に入るのは初めてだよね」
「とても豪勢ですごいぞ。そう言っておく」
「ローズちゃん何回も入ったことあるんだっけ。いーなー、ミカちゃん達と特別仲よさそうで」
特別仲がいいというよりは訳ありなんだけど。こちら側の責任というべきか。とりあえずお屋敷の中に入ってもらおう。お昼ご飯作るの俺だしさ。
「じゃあこっちへ、どうぞどうぞ」
「お庭広い! お花綺麗!」
「マーゴ、あんまりはしゃぐものじゃないよ」
お庭の手入れは全自動だしここの住人自体は庭には誰もこだわってないんだけどね。みんな綺麗だと言ってくれてるならそれでいいよ。じっくりみて回らせてもいいけど、それは要件が済んでさらにの方がいい。とりあえず屋敷の本館にあがってもらう。
「ナンだここ、城かよ」
「精巧に出来た装飾の数々……腕のある職人が作ったのか。一体こんなの幾らかかるんだ……」
「ガバイナ、これ全部アリムが自分で作ってるんだぞ。もちろん庭もな。我はそう教えてもらった」
「その通りだよ!」
「ほぉ……」
感心するみんなを引き連れながらそのまま食堂へ。ここなら広いし色々できる。台所ももちろんあるしね。
「じゃあお昼ご飯作りますから、ここで座って待っててくださいね」
「なあアリム、作っている間に風呂に入りたいんだが」
「あ、ローズお風呂入りたいの? いいよ! 大浴場でいいよね?」
「大浴場があるの? 私も入りたい!」
「いいですよ、皆さんも入ります?」
そう訊くと全員が大浴場なら入りたいと答えたので、そこまで案内。……そうだ、自由に部屋の形変えられるし、ローズとマーゴさんのお手伝いとしてガバイナさん、ラハンドさんと混浴にしてあげようか。ただゴッグさんがなー……双子の兄だしマーゴさんはいいと思うけど、ローズがダメだよね。結構モラル大切にするし、ローズ。ふつうに男女別が一番か。
やっぱり何もいじらないでおこうっと。
「じゃあゆっくり入ってくださいね」
お風呂に入るために必要な道具をそれぞれ持たせてみんなを送り出した。
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「ラハンドさん、ラハンドさん……お風呂上がりも素敵」
「んなくっつくなよ、また汗かいちまうだろ」
湯上りでそれぞれが思い思いに過ごしている。マーゴさんはラハンドさんに擦り寄ってるし、ローズは自然にガバイナさんの隣で頬を赤らめながら座って水を飲んでる。
ゴッグさんは……うん、孤立……うん。
それはさておき料理ができた。
「はーい、お待たせしました! ドラゴン肉のステーキですよー」
「ひえっ……」
「ローズじゃないから安心してね。チャイルドラゴンとかそこらへんだよ」
「豪勢だな」
久しぶりにこだわって作っちゃった。たしか俺の料理を個人的に食べさせるのは初めての人がいたはずだから張り切ったんだよ。
「す、すごく……おいしい……!」
「アリムは国王からアナズム一の料理人なのだはないかと言われてるからな」
「なんでもできるね、アリムちゃん」
「だいたいスキルのおかげですけどね」
美味しかったならいいんだ。みんなあっという間に食べてしまたし。あ、このお昼ご飯は俺のおごりだよ。それじゃあそろそろ交渉の方を始めよう。
「じゃあ話した通り、俺がアイテム引き取りますよ。要るものと要らないものを仕分けてくださいね。要るものは自分でとっておいてください」
各々、自分のマジックバックを漁って必要なものを俺が用意した必要なもの入れ(これもマジックバック)に入れ始める。
どうやら基本的にスキルカードはとっておきたいみたいだ。魔物の素材はほぼ全部売るらしい。
1時間くらいで全員の仕分けが終わった。
「じゃあ残った方引き取りますね」
「本当にいいのか?」
「ええ」
とは言ってもポーチの中に入れて管理するだけだけど。早速俺のポーチの中に入れて在庫を見てみた。
なるほど、どうやら新たな武器作りに使えそうな、鉄系の魔物が多めみたいだ。なんならこれらで直接武器作った方が早いかも。
あと食材になりそうな魔物もきちんといるね、なんならさっきこれを調理したらよかったかも。うん、いい感じだ。悪くはない。
「SSSランクの魔物の方はどうします?」
「新しく武器を作ってくれるんだろう? それらの素材としてフル活用してくれ」
「わかりました!」
そうだね、せっかくのSSSランクの魔物の素材だし、そういう風に使わせてもらおう。それぞれからどんな武器と防具がいいか聞き出して早速作成だ。
「じゃあ、どんなものがいいかイメージとか教えてください。あ、ちなみに全部、伝説級で仕上げます!」
「伝説級かぁ……うん、わかった」
自分で聞いて回るのは時間かかるからメモを配って要望を書いてもらう。それを回収。
ふむふむ……やっぱり楽器とかの特殊なものがあるな。ローズは自分のダンジョンの杖をもとに改良すればいいのか。よーし、頑張るぞ!
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