二十七章 災厄現象
第881話 隕石の話題
「大丈夫だったのか!?」
「だ、大丈夫よ、そんなに心配しなくても……」
アナズムでのSSSランクと何回も身内が接触した異質な2週間が終わり、俺たちは地球に戻ってきていた。
もちろん月曜日だから登校するわけだけど、今日は佐奈田が心配だったり周りの反応が知りたかったから美花と相談してかなり早く学校に来たの。
「顔や身体に怪我とかは?」
「わ、ちょ、どこ触ってるの!?」
「目立った外傷はないな……」
「だから大丈夫だったって言ってるでしょ!?」
佐奈田に、クラスで一番背が高い山上がとても心配した様子で接している。普段はあんまりあの二人って絡んでないんだけど、こういういざと言う時はすごく心配しあっているんだよね。
どっちかが早くアプローチかければいいのにね。
まあ、そのことを口に出せば誰かから、絶対お前と美花が言うべきことではないと言われちゃうんだろうけどさ。
しばらく様子を見ていたけど、教室の前で突っ立っているのもおかしいので、とりあえず教室に入ることに。
「おはよー」
「有夢と曲木! ……無事なんだな。翔とフエンさんは?」
「二人ともどこも怪我してないから安心してねー」
「よ、良かったでござるぅぅぅ!」
お、イケザン君も居たか。半分涙目になりながらこちらに近づいてきて、めちゃくちゃ心配したと言ってくれる。
ニュースでは奇跡的に死傷者、負傷者はいないってどこのテレビ局でも報道されたはずなんだけど、みんな心配してくれるのね。
「あはは……いや、なんかみんな心配かけてごめんね」
「隕石が落ちてくるなんて、普通はありませんからな。それもあんな街のど真ん中に……」
「すごいよな……不幸中の幸いってやつか?」
「そうかも」
ただ単に実力行使でなんとかしただけだけどね。アナズムのことは周りに言うべきじゃないから。これ以上人が増えたら管理が大変だもんね!
しばらくして仲良くリルちゃんと翔もやってきた。
あの番組の主役だった翔だ、瞬く間に二人より先に来ていたクラスメイト全員に囲まれた。
そしてみんなから心配されたり、隕石がどうだったかや、番組撮影がどうだったかを休む間も無く聞かれている。
「お前の筋肉でなんとかしたんだろ?」
「お……おう? おう! ま、まあそんなもんだ」
「はー、さすが魔王」
「いや、マジで感心すんなよ? 冗談だからな」
その後しばらくして朝のホームルームが始まる。担任の先生のみならず、他の教科の先生や校長先生までもがやってきてひたすら俺たちを心配をしてくれた。
あんまり心配してなさそうな表情の先生もいて、そう言う人は成績優秀者だから一応俺たちのことを心配しておこうみたいな考えかもしれないけど、それでもほとんどの先生はびっくりするほど心配してくれる。
さっきの機械的な先生とは変わって、あんまり優しくない先生だと思ってた人も、すごく。
「まあそう言うわけで、1時限目は全校集会ですから」
「そ、そうなんですか」
別に授業潰すほどのことでもなかった気がするけど、それは当事者だから言えるんだね。世間ではかなり大事件として騒がれてるし。都市伝説的な何かが産ませそうな勢いで。
校長先生が言っていた通り、本当に1限目は全校集会となった。別にステージの上に立たされたりとかしたわけじゃないけど、名指しで何百人の前で心配されてちょっと恥ずかしかったかな……。
一応俺たちは校内で有名なだけあって、かなりざわついてたし。
1限目が終わった後も、それぞれの授業でまた個々の先生から個人的に心配された。
そうやって心配されまくったのち、やっと学校が終わる。もちろん美花と手を繋いで下校。
「今日はどこかカフェにでも寄ってこうか」
「久しぶりにいいかもね。やっぱりおじさんの店?」
「うーん……無料クーポンあるしそこでいっかー」
地味に久しぶりに下校最中にカフェに立ち寄る。ツリーカフェ……美花のお父さんの経営してる会社のカフェだ。
うちの学校にはここ専用の同好会があって、美花とおじさんが直接、よくそこの部員たちに割引券や無料クーポンを配ったりしてる。山上やイケザンくんが部員だ。俺のクラスな部員はおおい。
ちなみにうちは隣に住んでるからクーポンは腐る程もらってるわ。ただ、お父さんとお母さんぐらいしか飲まないんだよねぇ。嫌いってわけじゃなくて、ただ本当に飲まないだけ。
「いやー、ここにくること自体久しぶりだよ」
「将来はうちの会社に副社長として入ってもらう予定なんだから、これからどんどん立ち寄ってよね!」
「んー」
そう言われるなら仕方ない。たまに一人でもコーヒーをテイクアウトするとしよう。どうせクーポンのお陰でタダだし。
俺と美花は新発売のチョコクリームカフェチーノとか言う名前の物を頼んで二人で飲んだ。たしかコーヒー同好会の皆んなが試飲協力してたはず。
ともかく、これから1週間、何かある可能性が高いけど頑張るとしよう。美花といりればなんとかなるさ。
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