閑話 二週間の間の二人 〜水着〜
「んあ……?」
「あ、起きた?」
鼻血出しすぎてすこし気を失っていたミカミが10分くらいで起きた。寝顔がとっても幸せそうだったよ。
「……膝枕していてくれたんだ」
「えへへ、まあね」
「でもクノイチの格好はやめちゃったんだ……いつもきてるような服じゃんそれ」
「鎖帷子重たいし、見せる相手が眠ってるのにあんなカッコうのままいられないからね」
「ふーん……頭撫でて?」
「はいはい」
ミカはやっぱりミカ、甘えてくるときはとても……。
やっぱり男の時ですら可愛いというべきなんだろうか? ボクわかんないや。ボクは可愛いって言われて喜ぶ男だったからね。今は女の子だけど。
「どうせなら生足が良かったなぁ……タイツの上からもなかなかいいけど」
「そ、そうだね。今度からそうするよ」
いや……ミカはこんなんだったかな?
エッチなことに関してグイグイくるんだよね。
でもよくよく思い返したら夜の行為に積極的だったのもミカだし、リルちゃんやサクラちゃんの胸を気にしてる上にたまに揉んでるみたいだし、やっぱりそのままなのかもね。
「さて、次の格好をお願いしたい」
「あれに入ればいいんだね」
ボクは三度目の試着室に入った。
勝手に服装が変わる。今度はどんなのだろうか。
「ジャーン!」
「なるほど……スクール水着ね。そういえばあんまりきたことないね、これ」
「元は男であるアリムが一回でも着たことある方がおかしいんだけどね」
「たしかに」
それにしても、この姿でのスクール水着なら初めてだ。
裸の上に鎖帷子着て、上着をかけただけのさっきの格好よりはエロくない気がする。
「太ももがいい」
「全然むっちりしてないよ?」
「この華奢な感じがいいんだよ」
「まあ人それぞれだけどね、好みは」
「さて、ではアリムちゃんにはこれを頭から被ってもらいましょうか」
ミカミはその場でバケツを作り出した。
なんだか変なことされる予感がする。そしてその予感が正しいなら、有夢がミカに対してやったことあることなはず。
「そのバケツの中身は……」
「ローションっ!」
「あー、やっぱり」
「ふふん、何回か有夢にさせられて、自分自身結構いいと思ってたからね……ついに他人で試せるぜ」
「とりあえずお風呂行こっか」
お風呂にて。
ちなみに大浴場以外のお風呂もかなり広い。最高級ホテルとかの浴室を参考にしてるから当然だよね。
ボクはそのお風呂場の真ん中に立たされた。
ちなみにいつのまにかミカミもうちの学校指定の男子用水着に着替えている。
「冷たくないようにはしてるからね」
「優しいね」
「有夢もいつも優しいから、オレもそうしないとね。それー」
ミカミはバケツの中身をボクの頭の上からかけた。ちなみに身長差は結構あるよ。元の有夢よりミカミの方が身長高い。逆にボクは元のミカより身長がすこし低いの。
それよりかなりヌルヌルする。
「ふむ。では全身に塗っていこう」
「……手をワキワキさせないの」
「つい……ね。それっ!」
______
____
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「はっ……!」
「ごめんね、ミカミ。まさかさっき鼻血が出ないようにする薬を飲ませ忘れてて、また倒れるとは思わなかったんだ。今はもう飲ませたから安心してね」
これはかなりの不覚。盛り上がってきたところでミカミったらまた鼻血を出して倒れるんだもん。びっくりしちゃったよ。これはボクのミスだね。ざんねん。
「また……オレは鼻血を出したのか……」
「うん。水着の中に手を突っ込んだあたりから」
「ちぇっ……で、今オレは何をされてるの?」
「一緒に半身浴だね」
喜ぶかなーっと思って、スク水のまま、ローションは落としきっちゃってからお風呂にてお湯を半分だけ張って、そこに寝かせて膝枕してあげてるの。
「んふー、生足……」
「あんまり顔を擦り付けないでよ、こそばゆいよ」
「……耳の中に水入った」
「あーあ」
ミカミは自分から膝枕から離れると、耳の中の水を手のひらでポンポンとやって出しちゃうと、ボクの隣に座って肩を組んできた。
「どしたの?」
「……襲いたい」
「そうすればいいじゃん」
「でも……でも、まださせたい格好がいくつかあるんだ!」
「はぁ……まあ好きなだけ協力するよ。有夢の時、ミカに何回もお世話になってるし」
「じゃあ上がろう。時間が惜しい」
ボクとミカミはお風呂を出た。
「じゃあ入ってくれ」
「わかったよ」
ボクはまたまたまたまた、試着室に入る。……なんか今回はやけにスースーするな。
でも自分の姿はここでは確認できないし、外に出て鏡で確認するしかないよね。
「今度はどうかな」
「うっ! ……はぁ、よかった、ちゃんと鼻血出ない。ふふふ、鏡を確認してごらん」
「うん……ってこれは……」
「そう、ビキニだよ。それも極小の。有夢、オレがミカの時にこの格好するとかなーり反応がいいからさ、気になってたんだよねぇ」
ミカミはいたずらっぽく不敵に笑った。
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