第597話 日常
本の修理とか、歴史に深く関わるようなお仕事ばっかりしていた2週間は終わり、地球に戻ってきた。
地球での今週は俺とミカは暇だ。
翔はインターハイまであと1週間だから追い上げを。叶と桜ちゃんは日曜日に動物園でデートの予定があるらしい。とまぁ、暇だと思っていても何かいい案が出てくるわけじゃないからとりあえず考えるけれど。
しかし困ったな…最近、遊ぶことに関してどん詰まりになっちゃうことが多いぞ。
もうあと4ヶ月と少しで高校2年生も終わりだと言うのに。この4ヶ月間、いかに美花とイチャイチャできるかが問題なのだ!
3年生になったら受験勉強で忙しいからね。
うちの学校は小中高一貫のためか、大学も一応はエスカレーターで、この高校をでたら上の大学にはいきやすいけれど。とりあえず油断はできない。
あ、一応その大学もこの高校自体も、中学も、全国有数の難しいところの一つって言われてるんだよ! えっへん!
…そういえば俺たちが帰ってきてからまだ2ヶ月半くらいしか経ってないのか。
アナズムとこっちの総計時間、初めてアナズム行った時からそろそろ1年経っちゃいそうだね。
思えばいろんなことがあったな……。いや、ありすぎたね。もうこんな濃縮された1年、そうそうないでしょ。
あー、ちがう、ちがうよ。今は過去を振り返るんじゃなくて、俺と美花は今週をどう楽しく過ごせばいいか考えなきゃ!
一番いいのは日曜日にデートすることだね。
……せっかく無料券もあるし、今度は二人っきりで行こうかな。12月の中頃まで公開してるらしいしね。
でもよく考えたらこっちでの1週間前に行ったばかりだからやっぱダメかぁ。どうしようかなぁ。
「有夢、どうかした?」
美花が顔を覗き込んできた。
今は登校中。上の空だったらしい俺をみて、美花が様子を尋ねてくれたんだね。可愛い。
このまま押し倒しちゃいたいくらい。
「あー、うん。ちょっとね。今週はどうしようかなーって」
「秋だし、二人でキノコ狩りにでも行こうよ」
「キノコォ……きのこかぁ。変なのとっちゃったら危なそう。それならぶどう狩りいこ?」
「じゃあ決まりね!」
キノコ狩りからのとっさの判断でふどう狩りに行くことに決まった。やっぱり二人で話し合うとちゃんとしっかりとした意見が出るものだね。
ぶどう狩りはいいぞ。自分で提案しといてなんだけど。
あとよく考えたら今年はまだろくに紅葉を見ていない。
それもついでに見てくるのもいいかもしれない。
「もっと時間があるなら温泉旅館にでも泊まって、秋の景色を二人でじーっくり眺めるのにね」
「時間がないからね…むぅ」
「そうね。部屋に混浴露天風呂がついている部屋に泊まって二人でお風呂に入って…えへへ」
そのあと布団を隣同士に並べて、何も着ることなく潜り、文字通りイチャイチャするんだね。わかるよ。
………時間ないのも確かだけど、お金もそろそろまた稼がないとまずいからね。やっぱ温泉旅館はきついよね。
「ま、ぶどう狩りで今週は満足よ!」
「うん!」
楽しくなるといいな。
ぶどうの食べさせあいしたりしちゃって。
「そうと決まればこの1週間も頑張らなきゃね!」
「ねー!」
俺と美花はいつもどおり手を繋ぎ登校している。
もうみんな慣れちゃったのか、ツッコミを入れてくる人は誰もいない。
それから電車に警戒しながら乗り、また二人でお話をする。
「あ、有夢、あの券もらったわけだけどさ、もう一回サーカス行くの?」
ああ、ミカも気にしていたんだね。
「そうしようとは考えてるよ」
「そっかー。もったいないもんね」
サーカスだなんて移動式だもの。今のうちに使っちゃわないと。そう考えたらあんな苦労してきたお礼があれって言うのは、実はお礼として値しないんじゃ……。ま、好意だしそんなこと考えないほうがいいよね。
「どしたの有夢、難しい顔して。胸で揉む?」
「電車の中で美花の胸を揉んだら痴漢になるよ。家に帰ってからね」
「……えへへ、いいよぉ」
いけない、難しい顔をしてたか。
それにしても電車の中で今日のイチャイチャの内容の話をするとは思わなかった。不意を突かれたからついつい本当に揉むことになっちゃったけど仕方ないね。
美花も美花でオーケーを出されると思ってなかったのか、目をパチクリさせてたけど……。
「ん、ついたね」
あとは学校まで手を繋いで歩くだけだ。
一緒に登校してデートの内容や際どい内容を決める……こういう平和な日常もまた、いいよね!
……日常的かどうかは自分で判断してるし、他人から見たらいちゃつきすぎなのかもしれないけれどね。てへへ。
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インターハイの柔道って8月あたりなんですね!
ろくに調べずに書いてました、ちなみに、有夢君たちが過ごしてる時間は11月中旬、翔のインターハイが始まる頃には下旬です( ゚∀゚)・∵. グハッ!!。
しっかり調べないとこうなる(今後の戒め)。。
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