第452話 Sランクのスキルと魔物


 翌朝。

 朝ごはんを食べた後。



「じゃあダンジョンに入る前にリロはSランクのスキルを習得しよう」

「アリムちゃん、一緒に考えてくれる?」

「はい、いいですよ!」



 3日目となる今日、またダンジョンに潜る前に作戦会議をしてるんだ。

 ちなみに、みんなあれからすぐに休んだからステータスの確認すらしてない。



「じゃあステータスのチェックからぁ…あ、ああ、ああああああっ!?」



 リロさんは絶叫した。

 一体どうしたというんだ。



「れ、レベルが105だって……」

「えっ…マジでか!? うぉっ、本当だっ!」

「わぁ…っ!!」



 そっかあ、もう100超えたかぁ。

 順調、順調!

 このままだったら明日か明後日には255レベルまでいくかもわからないね。



「じゃあレベルも100超えたことですし、さっそくスキルの合成をしましょうか。だいぶSKPもたまってますよね」

「うん…! どうすれば良いかな?」

「そうですね…まずは使い勝手のいい光術のスキルを極みまで割り振って下さい」



 リロさんはすぐに光術を作り出し、極めたようだ。

 


「それで?」

「あとはAランクのスキルを3つ以上、好きなように組み合わせて下さい」

「それだけでいいの? わかった」



 リロさんはしばらく目を瞑り、ステータスを弄り回ったよう。

 10分のち、目を開けて俺に合成候補を教えてくれた。



「ふむ…どれも大差ないですから……『仁光風の爆炎乱舞術』というのにしましょうか」

「う、うん」



 リロさんはカルアちゃんから手渡されたSランクの魔核とAランクの魔核複数個を使いう。

 しばらくして、ほっこりした表情を浮かべながら目を開いた。



「やった……! すごい!」



 特に意味もないのに手をグーパーと開閉しながらしみじみとしてる。



「ポイントは振りました?」

「うん、ばっちし! 最大までね…!」



 Sランクの魔法をMAXまで割り振る……。

 これはもう、Sランクにも勝てちゃうんじゃないだろうか。



「それじゃあ…次の周回では、さらにその次に行ってみましょう。ボクの見解が正しければ、最後です」

「クリアはしないんだよね?」

「ええ、もちろん」



 みんな、それぞれ腰を上げ。



「じゃあ…行こうか!」



_______

_____

___



【ミッションをクリアしました。〔達成度・国宝級〕宝箱が出現します】

 


 ミッションルームまで、全く難なんてなく進んできた。

 Aランクの魔物とBランクの魔物の取り巻きがいるところを先にクリアし、この部屋の前に戻ってきて、ステータスを更新してから臨んだんだ。

 その時のリロさんのレベルは110。


 Sランクの魔法を2回使用することで、めでたく国宝級を叩き出した。



「へっへっへー! まだまだいけるよ! …あ、カルア姫、宝箱を」

「はい!」



 国宝級という言葉にワクワクしてるのか、カルアちゃんは軽い足取りで宝箱の前に立ち、開いた。

 全員で覗き込む。

 その中身はSランクの魔核6個。



「おおおっ!!」

「やりましたね! これで剣の奥義が作れますよ!」

「なにっ!? 剣の奥義をか!?」



 オルゴさんが反応をする。

 その通りだと言ってあげると、さらに喜んでいた。

 


「でもまずは、さっさと降りて次の段階の魔物を倒すんです!」

「そうだな!」



 俺達は部屋から出て、道を進み始めた。

 さて…どんな魔物が次に来るのか。



「あっ……あれ!」



 しばらく歩いていると、ティールさんが声を上げる。

 指差したその方向には、大きな大きな扉が。



「……おお…これが……」

「ダンジョンの…最後の扉っ!」

「魔物…魔物は!?」



 歩をゆっくりにし、慎重に進む。

 せめてどんな魔物かを確認してから判断しようということだろう。

 歩いて行くうちに魔物が見えてきた。

 その魔物とは_______



「虹……帝…犬!?」


 

 思わず声に出す。

 そう。俺が最初に倒したボス、虹帝犬だった。



「虹帝犬…! あの!?」

「Sランクの魔物ですか…」

「まだ扉の前なのにな」



 嘘だろ、隠し部屋でもない場所にSランクの魔物が出て来るなんて!!

 ……いやでも、よく考えたらショー達のところにSランクの劣化種が出たことがあったんだっけ。

 それかもしれない。



「た、倒せるかな?」



 リロさんが不安げな表情で、そう尋ねてきた。

 もう実力的にはSランカーを名乗ってもいいんだけど、まだ慣れないんだろう。



「大丈夫です! 残りのMP分の魔法を使えばきっと倒せます」

「そ、そうだよね! 頑張るっ!」



 そういう会話をしてるうちにも、どんどんと虹帝犬との距離は縮まっていっていて______________。

 間もないうちに、俺たちはヤツと対峙した。

 ふふふ、相変わらず綺麗な毛並みしているじゃないか。

 

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