第451話 隠し部屋への挑戦
ポチッとな。
宝箱スイッチを押したことにより天井が開き、螺旋階段が降りてきた。
「よし。じゃあ…最後に。とにかく倒すことに集中しよう、いいね」
しばらく作戦会議した後、その最後のルインさんの作戦にみんなが頷く。
ルインさん達がほとんど疲労もなにもない上に、リロさんがMP半分残してるから大丈夫だとは思うんだけど。
「来たっ……」
部屋に入るなり、あのメッセージが現れる。
そして壁の中から出てくるのは4体のロボット達。
「よし…いくよ! リロ!」
「うん!」
ルインさんの作戦はこうだ。
まず、リロさんが氷魔法で出て来たばっかりの奴らを寄せ集め、拘束する。
だとしても相手はAランク、数十秒しか拘束できないであろうから、その間に急いでルインさんとミュリさんとカルアちゃんが魔法を連発する。
そしてトドメに剣でティールさんとオルゴさんとルインさんとカルアちゃんが倒す。
ルインさんとカルアちゃんが妙に忙しいけど、仕方ない。
ちなみに補助魔法は俺とミカを含めないで全員、しっかりと全てのタイプをかけてるからね。
「あああああっーっ!! アイスマーチレスっ!」
剣を引き抜きこちらに向かってくる最中、氷魔法が響く。まるで大きな手のように動いた複数の氷の究極魔法はがしっと4体のロボットを掴んでしまう。
「今だ! ライトマーチレスっ!」
「う、ウォーターマーチレス!」
「サンダーマーチレスっ!」
同時に、各々のMPほとんどを使ったマーチレスが炸裂する。拘束していた氷が無くなると同時にリロさんもそれに参加した。
「いくぜ! うぉおおおおっ!」
オルゴさんが剣を力一杯引き抜きつつ、鉄の気を纏い、空中で一閃。
おそらくは剣の道の技だろう。
そしてすぐに二太刀、三太刀遠距離斬撃を放った。
これがトドメとなったのか。
度重なる衝撃により現れた靄が、晴れて行く。
生き物がいる…ということは感じられない。
しばらくして視界が完全に晴れきった。
その後には、機械の残骸と4つのAランクの魔核が。
「うおお…倒しちまった…」
成長が早いのは良いこと。
6人もいたらこれだけのことができるんだって、思い知らされたよ。俺なんて最初は1人ぼっちで頑張ってたもん。
【ミッションをクリアしました。〔達成度・宝級〕宝箱が出現します】
宝級なんだ。
そこそこ…なのかな?
最大が神物級だとして、最低を知らないからイマイチわからない。
宝箱が壁の中から出て来た。
「やっぱり私が開けますか?」
「そうだね」
カルアちゃんがルインさんにそう尋ねて即答される。
間も無く、宝箱は強運の持ち主によって開けられた。
「中身はなんだった?」
「Sランクの魔核2個ですね」
「おおーっ!!」
上々じゃないか。
…つまり、これならリロさんがSランクスキルを作れる!
「うーん、アリムちゃんの伝説級ってやつを見た後だと微妙だね」
「これってアイテムのランクと同じになってるんでしょ? もうちょっと上が良かったな」
まあ、どうやら当の本人達は満足していないみたいなんだけど。
「でもこれでリロさんがSランクのスキルを作れるようになったので、より先に行くことができると思います!」
「……そうか、ついにSランクスキルか」
「えっ、嘘!? 現実じゃないみたい…」
Sランクスキルを覚えられればグンと周回が楽になる…ハズ。とりあえず俺達はダンジョンの外へ出て、マジックルームの中に戻って休み始めた。
それにしても、Aランクが5体も出てくるのか。
いや、さらにその先もあるみたいだよね。
……こんなに良いダンジョン、ルインさん達がクリアしてしまって消えちゃうのはかなりもったいないな。
神具級のアイテムでなんとかできないかな?
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「さあ…寝ようか」
「あ、ボクとミカはちょっとすることあるので、後でいいです」
「そう? じゃあ行こうか、オルゴ」
ルインさん達は寝室へ。
その場にカルアちゃんと俺とミカだけが残る。
「作業ってなんなの?」
「うん…とりあえずしなきゃいけないことがあるんだよ。ミカには残っててもらいたい」
とりあえず了承してくれたのか、ミカはコクリと首を頷かせた。
「えっと…なら、私は先に寝たほうがよろしいですか?」
「うん、ごめんね」
「いえいえ」
「おやすみなさい」と呟いてから、カルアちゃんも俺達用の寝室に眠りに。
「で、何するの?」
「いや、今から神具級のアイテムを作ろうと思ってね。クリアした後もダンジョンを消さないようにする…」
「へぇ! いいね! でも、なんで私を残したの?」
ミカは、どこからかはてなマークが浮かんできそうな表情を浮かべた。
そんなの、決まってる。
「俺が本気を出して、作業ルームの中にこもってアイテム作りをすれば、神具級作成でも最高1時間30分くらいしかかからないのは知ってるでしょ?」
「そりゃあね。いつも一緒にいるしっ」
「うんっ。でもね重要なのはその後の時間」
俺はちらりと時計を見た。
それにつられてミカも。
「その後の時間…?」
「数時間は2人っきりでいても不自然じゃないんだよ」
「……あー、もう! そういうこと? えへへへ」
なかなか構ってあげられないしね、この間は。
こういう時にスキンシップを取らなきゃ、いつか不満爆発さられちゃう。大変。
「じゃ、早く終わらせてね! 私、もう一回お風呂はいってくるから!」
「え……や、そこまでのことは……」
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