第449話 セインフォースと秘密の部屋
「…アリムちゃん何してるんだい? ……って、それは!?」
ミカがみんなを引き連れて戻ってきた。
ルインさんが螺旋階段を見るなり、驚愕の表情を浮かべる。
「あ…あのこれ、どうやら隠し部屋みたいなんですよ。宝箱がスイッチになってたみたいで。他のダンジョンも怪しい場所に隠し部屋があったので、このダンジョンにはないのかと探していたら、みつけました」
「ダンジョンに隠し部屋なんてあったんだ……なんだかワクワクするね!」
本当にワクワクしてるってことが、リロさんの表情から汲み取れる。
「隠し部屋…どんなとこなんだい?」
「なにかダンジョンごとに決まったお題が出されて、それをクリアしたらその成績ごとに景品が貰えるんです」
「リスクなどはないのか?」
「うーんと、魔物を倒す系だと過去にSランクの劣化種とかと遭遇しましたから、そういうのは危ないかもですけど……ほとんど、魔法やステータスによるものが多いですね」
と言っても、俺はナイフ投げと魔物討伐しか経験したことないけどね。
「むむ…どうする?」
「迷う必要なんてないじゃない? やろうよ!」
「私も!」
「な…なら私も!」
リロさんは興奮しながらそう言うと、その後に続いてカルアちゃん、ミュリさんもやりたいと言い出した。
「そっか…じゃあやってみるだけやってみよっか」
そういうわけで、俺たちはその螺旋階段を登って行く。
すぐにある一室にたどり着く。
同時に頭の中にメッセージが出現した。
【トリアエリアル山「楽しみ」のダンジョン の、シークレットステージに入りました。ここでは、ミッションが出されまさす。
そのミッションをクリアすると、宝箱が現れます。クリアした際の達成度によって、手に入る宝箱の中身が変化します】
【機械仕掛けの騎士≪オートマターナイト≫を4体討伐せよ。全滅させた時間が早ければ早いほど報酬が良くなる。それでは、ミッション開始】
その言葉とともに、この部屋の壁が4箇所開かれ、まるでSF映画に出てきそうな見た目2mくらいの剣を持った精巧なロボットが出現した。
「よし……おわっ」
オルゴさんが剣をしっかりと構え、攻撃を仕掛けようとしたところを俺は止める。
「待ってください。もしかしたら1体1体がAランク以上という可能性もあるので…。今回はボクが試します」
「そうだね、わかった」
ルインさんも良いとあってくれたし、あのロボットを倒してしまおうか。
とりあえず、サンダーマーチレスを横薙ぎに。
俺のサンダーマーチレスだからもちろん、機械人形達はバラバラに吹っ飛んでいった。
なんども俺の魔法なんて見てるだろうに、ルインさん達は驚いた表情をしている。
オートマターナイトから出てきたのは…1体につきAランクの魔核1個。ほら、やっぱり普通じゃなかった。
ナイフ投げとか魔法の威力を示すだけだとかに比べると大変すぎると思うの。
「あれ…全部Aランクだったみたいですね」
「はぁ…じゃあ"今"のボク達には無理だね」
「今」。
その言葉を強調し、ハニカんでそう言ったルインさん。
むむ、中々良いこといいますな。
【ミッションをクリアしました。〔達成度・伝説級〕宝箱が出現します】
いつの間にかメッセージが頭の中に現れる。
数秒だけ話しちゃったから、神物級にはならなかったか。
4体の人形が出てきた窪みのその間の真ん中が、上にスライドされて中から宝箱が出てきた。
「中身は…どうなってるんだ?」
「見てみましょうか」
俺達はその宝箱を開ける。
今回は俺がクリアしたのだし、王子様達には渡さないけれど、一応、カルアちゃんに頼んでみるよ。
中身は同じだけど、中身の中身にカルアちゃんの運が影響されるかもしれないしね。
まあ、案の定、出てきたのは箱型の鍵。
いつも通りだ。
「なんだ…これは?」
「これは、まあ、特別なアイテムなんですけど…」
俺はみんなに、この箱がダンジョンの真の主と戦える鍵となることと、外に出たら中身を開けることができ、中にはSSランクの魔核や伝説級のアイテム、Sランクや★4つのスキルカードなどが入ってると説明した。
「へぇ…じゃあとりあえず今回はもう外に出て、それを見てみようか」
「そですね」
俺達はすぐに外に出た。
間も無く、鍵箱を開ける。
中身はスキルカードのようだった。
「ちょっと見てみて、結果だけお伝えしますねー」
俺はスキルカードを頭にかざしてみる。
中身は______
「ふぇっ!?」
「ど、どしたの!?」
「あ…いや、ちょっと驚いただけ……」
いやはや、思わず声を漏らしてしまった。
このスキルカードの中身は『触爆化』。
スキルを念じながらなにかを触ると、爆弾になるらしい。威力は調節可能で上限は魔力依存というSランクのスキル。
みんなにもそのまま説明した。
「な…なんだか物騒なスキルですね…」
「でもあたりっちゃあ…あたりだよ、うん」
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