第334話 アリムの雷スキル
「えへへー! 有夢とおそろっ! なんか作ってみるね」
そう言いながら、ミカは机にダークマターを展開し、何かを創り出し始めた。
出来上がったのは一つの腕輪。
「有夢、これが私の限界。ちょっと鑑定してみて?」
「うん」
言われるままに、その腕輪を鑑定する。
結果、価値は国宝級だった。
「国宝級だよ?」
「あー、やっぱりマエストロだと伝説級は作れないのかなぁ…」
「だとしてもマスターポーションは作れるよ? 十分じゃないかな」
「んまぁ、そうだけど」
ミカは腑に落ちない顔をしてる。
一方俺は…アイテムマスターがどれだけ凄いかを、再確認することができたのかな。
「こう…アリムみたいに、伝説級の剣とか何本も作り出してビューンって投げつけるのやってみたかったのに…」
「国宝級の剣でもできるでしょ」
「んまぁ、そうなんだけどさ」
特にむんずけてはいるけど、機嫌が悪いわけじゃないみたい。本当は俺がアイテムマスターをミカに譲っても良いんだけど、多分、ミカは断ると思う。
てゆうか、断る。ふふふ、幼馴染だからわかっちゃうんだよねー。
なら、なぜミカはむんずけてるか…。つまり構って欲しいんだよ。うん。
俺はミカの頭を撫で、こちらを振り向いたその顔に、キスをする。
満足そうにニッコリと笑った。
「えへへ、流石! 私のして欲しいことがわかりましたか」
「まあね。で、どうする? スキルまだ考える?」
「SKPが勿体無いもん。それぞれ1つくらい新しく作ろうよ」
それなりに長い間、SKPには手をほとんどつけなかったからね。と、言っても、本当はスキルなんてもう、特につくる必要は無いんだよね。
ダークマタークリエイトが強すぎてさ。
でも新しく作ったとしてもデメリットはない。
「そだね、作ろっか! 別々に作って後で教えあおう」
「うん、そうしよう」
という事で、俺とミカはそれぞれ1つ、SSランクのスキルを作る事にした。
さて、何が良いだろうか…?
最近、すっかり忘れていたが、俺は雷魔法が好きだ。
懐かしい。今となってはミカに夢中だけど、少し前まではゲームに夢中だったんだよね、俺。
…よし、じゃあ作るとしたら雷魔法中心のスキルかな。
ベースはそうね、とりあえず『雷術・極』をベースに合成だよね。Sランクの雷スキルを30個作って、それでSSランクのスキル3つ作って、それもまた合成したら良いかな?
どうせなら、最高ランクの21を作りたいからね。
とりあえず作れる組み合わせとしては…○神奥義系を並べ替えつつ雷術と合成すれば、最高8個はSランクスキルできるでしょう?
あとは光と闇以外の他の主となりうる火~木あたりまでの属性を省きつつ、合成してかなきゃ。
_____
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ふぅ。
とりあえず、SSランクのスキル3個を作れたね。
『雷神の怒り』と『ヘル・ライジング』と『鬼神の落雷』っていうの。
さてと、合成、合成っ!
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・この合成は特殊です。
・強力なスキルのため条件を提示しています。
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あっ…あれ、この表示、なんかすっごく久しぶりに見た気がする…!?
ダークマタークリエイトでもこんな表示出なかったから、そうとうすごいスキルができるのかも、今回。
えへへ、楽しみだなぁ。
俺は次の画面へと進んだ。
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[SS:雷神の怒り]+
[SS:ヘル・ライジング]+
[SS:鬼神の落雷]
→[雷の鬼神★★★★★]
合成条件:サブランク合計59以上の純粋な雷系スキル3つ以上の合成
または
→[SS:天下神雷]サブランク21
--------------------------------
……なんかでてきた。
どちらか一方しか作れないみたい。
いや、そんな事より、★★★★★のスキルができそうなんですけど。
これって…作るべき? 作るべきだよね? 多分。
なんか、聞いた事がある。
格段にその属性の効果を跳ね上げる★★★★★のSK2があると。つまり、これはそれだ。
だとすると、これを使ってさらにより良い雷のスキルが作れるのかな?
なら作るしか無い。
俺はその雷の鬼神というスキルを作った。
そして、先ほどと同じ手順でさっきと同じSSランクのスキル3つを作成し、それらと雷の鬼神4つを合成。
……しようとしたら、また、SK2となってしまった。
今回は2つのSSランクと雷の鬼神で良かったみたい。
雷の鬼神より上、『雷電の神』だって。
そんなわけで、それも習得。
なんか称号ももらったし。
そして、余った残り一つのSSスキルと雷電の神と、とりあえずSランクのスキル3つくらい合成して、『無双神雷』というスキルを作成した。
効果は威力重視。対象を絞れるっていう効果はついてるけど、これはここまで使ったSSランク4つともに入ってたからそこまで特別じゃない。
説明が威力が高いってことしか無いけど…きっと、本当に高いんだろうね。ふふふ、
さて、ミカの方はどうだろう。
「ミカ、俺はできたよ? ミカは」
「んっ! 良いのができたよ!」
俺とミカは互いに見せ合った。
ミカは『月下氷仁』というスキルを作ったみたい。
光属性を含む、氷のスキル。なんでも、氷を扱えば強いんじゃないかって考えたらしい。
SSランクの20だって。
俺も、ミカにスキルを見せた。
「威力が高い…って、それよりこの雷電の神ってすごくないっ!?」
「えへへ…でしょ。ミカも近いの作れるかもよ? 作る?」
「うん、そうするわ。この勝負、私の負けだね。……ほら、好きなこと命令していいよ? なんでもするよ」
「えっ…勝負なんてしてないじゃん」
そのあと、ミカはとりあえず一つ、『光の英神』っていうスキルとさらにそれと月下氷仁と幾つかのスキルを使って、『月神氷下』っていう21のスキルを作ったよ。
「さてと、スキルも作った事ですし、お昼ご飯食べよっ」
そう言いながら、ミカはお昼ご飯の準備をし始めた。
あっという間に完成した料理を、ミカはテーブルに並べる。
「有夢っ! アイテムマイスターのおかげで腕が上がってるかもだから、食べてみて! はい、あーん」
ミカは作ったオムライスのひとくちを、食卓の前に座ったばかりの俺の口に持ってきた。
俺はそれを口に入れる。
たしかに、真料理の時より腕が上がってるね。
「うん。上がってるね」
「ほんと? あーん」
今度はミカが口を開けて待つ。俺はオムライスをスプーンでひとくちすくって、食べさせる。
「ふむふむ、たしかに上がってますな。でもアリムには追いつきそうにないなぁ…」
「ははは、まあ、マスターだし、俺のはね」
すぐにお昼ご飯を食べ終わった俺とミカは、午後から何をするか相談する。
「何しよっかー」
「映画でも見る?」
「映画見ながらキスシーンでチュー…よし、これをしよっ!」
というわけで、二人で恋愛ものの映画を見た。
そんで、要所要所でキスしたりしたんだよ。
とにかくこの日はそうやって、残りはのんびりして過ごした。
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