第251話 カルアちゃんの訪問 4日目 後編

 散々弄ばれた。まるでオモチャのように。

 ボクの心の内関係なく、身体の至る箇所を露出させられ、悲壮…羞恥…様々な感情が渦巻いている。

 ボクは嫌だと言ったのに、みんな、ボクで遊ぶんだ。

 こうして、ボクは身も心も汚され、精神は段々と闇の底、深淵へと堕ちていって_____



「ねえ、アリム。何か変なこと考えてない? 料理中は集中しないとダメだよ?」

「ああ、そうだね。これできたから、先盛り付けといて、ミカ」

「うん」



 俺はおおよそ50回に及ぶクジ引きで、必ず指名され、必ず着替えさせられた。最後の方なんて、サラシでグルグル巻きにしただけとか、わけわかんない格好する羽目になったんだ。ヒドイ。


 ところで今、俺とミカは料理を作り、そしてみんなに出すところ。

 ちょっと人数が多くなったから、ミカに手伝ってもらったんだ。


 俺とミカは手分けして、テーブルの上に完済した料理を並べていく。今日は西洋の料理って感じで、オニオングラタンスープとか、ソースや焼き方に凝ったローストビーフとか、パスタとか。


 俺とミカが席に着き、食前の挨拶をした共に、それらをみんなですぐに食べてしまう。

 みんな俺の料理を、いつもすぐに食べてしまうから、本来は女性六人分用意すれば良いところ、八人分用意したんだけれど、それでも少し足りなかったかもしれない。



「はあ…美味しかったな。やはり、アリムの料理は世界一だな」

「やっぱり、ローズちゃんもそう思うんですね!」

「そういえば、リロさん、ミュリさん、ルインさん達は今頃、何してるんでしょうね?」

「さあね。あの二人と数日間も離れたことなかったから、よくわかんないわよね」

「ええ、そうですね」



 そんな感じで、食後に紅茶を飲みながらガールズトークを嗜む。そのあと、毎回恒例、何かしらひと騒動がある、大浴場でのお風呂タイム。

 今日あった事案は、ローズが大浴場を見てはしゃいだのと、ミュリさんがローズの胸を見て酷く落ち込み、俺に(胸部限定の)成長促進する何かしらを作れないか訊かれたぐらいだった。

 その成長促進するアイテムは作ることにってしまった。

 小さくても気にする必要、ないと思うんだけどなー。

 俺は……そうだね、せめてあと2…いや、3カップは上がりたいかな。18歳ぐらいまでに。


 そしてまた全員で部屋に戻り、ひんやり冷たいデザートを食べる。



____

___

__




 みんなは各々、自室へと戻っていった。

 カルアちゃんは、今日は、ローズの部屋で寝てみるらしい。お姫様なのに、仲良くなった女の子とは誰とでも寝るのか。

 ま、良いんだけど。


 そんなわけで、昨日と同じように、俺とミカはまた二人っきりになったわけだ。

 俺はさりげなく、有夢に戻る。



「アリム…ううん、有夢っ! また二人っきりだねー」

「そうだね。今日は流石にしないよ?」

「わかってるわよ。…えへへ、有夢、好きっ」

「どしたの、急に」

「言ってみただけだよ」



 そう言いながら、ミカは俺にキスをする。

 俺もミカにキスをし返す。

 


「ね、ね、有夢。今日は散々、アリムで遊ばせて貰った

けど…」

「そうだね。皆がアリムに何をさせたいか、よーくわかったよ」

「みんな見てないからさ…今、その…有夢の好きな風に、私を着せ替えていいよ?」

「ええっ?」



 モジモジしながら、ミカはそんなことを言う。たまにこんなこと口走るよね、本当。

 一体、どうすればいいのやら。ここは、彼氏として付き合ってあげるべきなのか。



「ど、どんなのでも良いよ? メイドさんの服とか…ドレスとか…アリムが着てた踊り子の服とか……えっと…その、有夢が望むなら_____」



 そのあとの言葉がゴニョゴニョとしていてよく聞き取れながったが、ミカの顔が赤いのを見る限り、どうせ、非健全な事だろう。

 でも…まあ、確かに、面白そうだけど。



「わかった、じゃあちょっとだけ。いい?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、あの機械の中に入ってね」

 


 俺は出しっぱなしにしておいた、例の機械の中にミカを入れさせ、起動した。

 すぐにミカは出てくる。まずは、ミカが俺にさせた、制服の格好だ。



「懐かしいね」

「ね、懐かしいね」

「よし、次行こう」

「もう次なの?」

「うん、寝るまで時間がないからね」

「わかった」



 次は、ローズが俺に最初に着せた、薔薇のドレス。

 そのまま。



「あゆっ…有夢っ…コレってっ…」

「ローズが俺に着せたやつ、まんま」

「ほ、本当に何から何まで薔薇だったんだね…。うう、着心地悪い……」

「でしょ?」

「は、早く…他のにして……」

「うん、そうしようか」


 

 次は、踊り子の服…….じゃ、かなり露出が激しくて幾ら何でも不健全だから、メイドの服にしてみた。


 ミカが俺に着せ替え遊びの提案をしてきたから、この格好をしてもらったのであって、俺が、ミカにそういう格好をずっと、させたかったわけじゃない。

 ………ごめんなさい、嘘です。



「えへへ、ご主人様、どう?」

「い…いいんじゃないかな」

「ふふ、有夢ってば、いろんなレパートリーがある着せ替えの中からこれを選ぶなんて…私にこういう格好させたかったの? 前々から」

「ち…違…」

「違くないよね、有夢が嘘ついてるの、私、すぐわかるし。ね、どう? 可愛い?」

「うん。すごく可愛い」

「ありがとっ!」



 そのあと、数着、なるべく健全な物を選んで着替えてもらって、それなりに満足したから寝ることにした。

 無論、ミカは俺にしがみついてるのはいつも通り。


 ……また、今度、二人だけでこれをすることになった。

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