第73話 会話 03
(だろうな)
クロードは気が付いていた。
テレパシー能力が単一性であることはカズマの様子を見ていても一目瞭然だった。
カズマからコズエには何も言葉を送られていない。
最初はコズエの言葉など聞こえておらず読み取っただけという嘘も考えたが、そうなればカズマが爆発するはずだ。
ならばコズエからカズマへの一方通行だと考えれば筋が通る。
加えて――
(だからこそ、二番目の嘘の理由になる)
(……そうですね)
諦めたように嘆息すると、周囲を見回した後、彼女はクロードの目の前に立つ。
(二番目の嘘は、本当は――)
「――私が話せることです」
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