正義

第401話 正義 01

    ◆



 ルード国の支配。


 俺はここまでやってきた。

 ジャスティスに復讐すると誓って、ここまで進み続けた。

 もはや俺に戻る場所などない。

 安寧の場所などない。

 それは仕方のないことだ。

 魔王として、全てを捨ててきた。

 人としての幸せも。

 それは、復讐しか目に入っていなかった自分の、自業自得だ。

 今更後悔などしない。

 むしろ、後悔してはいけない。

 今の自分がこの場所に立っているのは、多くの人々の助けや支えがあったからだ。

 その人々の想いを、行動を、否定するわけにはいかない。

 それに自分は幸せなのだ。

 ここまで好き勝手してきた。

 やりたい放題してきた。

 なのにまだ、希望が残っている。

 歪んでいるが、それは確かに俺の希望だ。


 俺は知っていた。

 この後、起きること。

 ――この後、


 そのことについて、ネガティブな感情が浮かばないことは無い。

 俺だって怖い。

 嫌だ。

 だけど、そんなことは許されない。

 ケジメは付けないといけない。


 自分の復讐に世界を巻き込んだ責任は取る。



 それが俺の――だ。

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