第330話 ライトウ 09
◆
ルード軍中央会議室。
元は幹部しか入れなかった、特殊な会議室。
故に身綺麗であった会議室。
しかしながら、今はその面影は何処にもない。
机や椅子の破片が散らばり、壁や床も傷だらけ。
そんな惨状の中にいるのは二人。
剣豪 キングスレイ。
サムライ ライトウ。
二人の剣士が本気でぶつかり合った。
最後の攻撃はあまりにも一瞬に、様々な策謀がめぐらされた攻防であった。
ライトウの上部からの一撃を、キングスレイは横に弾き飛ばす。
弾き飛ばして開けたライトウの右側の隙間に剣を振り上げ、肩口で彼の腕を吹き飛ばす。
しかしながらライトウは刀を握ったまま吹き飛ばされた右腕を残された左腕で掴み取って、まるで腕も含めて一つの刀であるかのようにキングスレイに斬りかかる。
キングスレイは避けることが出来ずにその攻撃を正面に受けた。
以上が二人が床に倒れることとなった経緯である。
二人共に深手を負った。
ライトウは右腕を吹き飛ばされ。
キングスレイは正面から斬られた。
――だがしかし。
二人の内の一人は、意識があった。
そして。
意識があった一人は、ゆっくりと――右手で膝を付きながら立ち上がった。
「――見事な一撃であった」
キングスレイであった。
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