番外編 飲会 02

     ◆



「あ、そういえば」


 ブラッドを言葉で煙に巻いたジェラスは、唐突に閃いた。


「コンテニュー君を上の面々に顔を覚えさせるいいチャンスだな……よし、彼に声を掛けよう」



 ジェラスが目を掛けている一人――当時既に将官の地位まで辿り着いていた少年、コンテニューの顔を売るいいチャンスだということに気が付いたジェラスは、そのままの足で彼のいる部屋まで足を運んだ。

 ――が。


「……」


 そこにあったのは一通の手紙だった。



『ジェラス大佐。


 嫌な予感がしたので旅に出ます。心当たりがありそうなイベントが終わり次第探してください。すぐに戻ります。


 PS,未成年にお酒を飲ませようとしては駄目ですよ。ジャアハン国では犯罪です』




「……どこまで鋭い……というか先を読んでいるのだ、彼は?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る