外伝 首都 04

    ◆



 嵐のようなやり取りだった。

 その間、口を出すのすら憚れた。

 あまりにもやり取りが異常だったのだ。

 故に少年が普通に出て行ったことにも、何も反応できなかった。

 見張りや護衛――そんなものを付ける考えもなかった。

 考えすらしなかった。

 それ程の異様な空間が出来上がっていた。


 老獪さを持つキングスレイ。

 対して、少年であることを忘れるようなコンテニューの対応と言動。


 自分を恨む人間に、殺してもいいと平気で言い放つキングスレイ。

 恨んでいるルード国に仕え、結果的に利益を生み出しかねない判断を下したコンテニュー。


 異常だ。

 どちらの言動もおかしい。

 何を考えているのか分からない。

 何が正しいのか分からない。

 セイレンですら、そう思ってしまった。


 思考回路が読めない。

 こんなに分からないのは初めてだ。



「やっぱりいいわあ、二人共」



 恍惚とした表情を、セイレンは浮かべていた。

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