第149話 空戦 07

    ◆



 カズマは予想外の手ごたえの無さに驚いていた。

 やはり空軍ジャスティスというのはその性質上、一方的な殲滅戦を想定されているものであり、空中戦の経験が乏しいと思われる。


(とはいっても、あっさりここまでいけるとは思っていなかったですけれど)


 カズマは内心で溜め息を吐く。


(――計画外ですね)


 元々計画していたよりもスムーズに行ってしまっている。

 これはこれで困るモノがある――


(……いや、ないですね。馬鹿なことを考えました)


 彼は首を一度振り、相手を睨み付ける。

 相手はヨモツ。

 豪快な性格に見えて意外と慎重な戦闘をするようだと、この交戦だけで見切っていた。

 故に油断は大敵であり、全力で向かう必要があるとも感じていた。

 中央のパネルに左手を当て、カズマは気合いを入れなおすために再度、戦闘前と同じ言葉を口にする。



「これから――正義ジャスティスを破壊します」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る