第3話 不倫妻の暴露話

主人は不倫をしている 

これは紛れもない事実

しかも 不倫場所はドヤ街の

安手の木賃宿


その方がかえって目立つこともなく

薄暗く湿っぽい じめじめした所で

隠れてプレイするほど燃えるなんて

あの人らしいわ

でも 私はあの人を責める資格などない

私があの人と結婚したのは

変態不倫男から逃れるためだった


あの男と出会ったのは

二十代なかばの頃だった






仕事にも行き詰まり

将来が見えなくなってきたとき

早朝のファミレスのモーニングタイムで

声をかけてきたのがあの男


「このゆで卵、食べて頂けません」

朝日を浴び スポーツシャツを着た

一見さわやかなイケメン風

私はあの男に誘われるまま

ついていくことに決めた


あの男の誘いにのり

私は 密室に入ったとたん

あの男の態度は急変し

変態行為を求めてきた

いまわしい行為を忘れるために

今の主人と見合い結婚した







今の主人とあの男

共通点は親しみやすい笑顔をもった

一見さわやかなイケメン風のところ

私の好みは やはり昔と同じ


家庭持ちの男が 女性とつき合うのは

家族にもいえない秘密があり

その発散場所だったかもしれない

不倫の入り口は いつも偽りのやさしさから

不倫道が始まる

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