青春メロディ ~重ね合う音~
福山直木
0.プロローグ
僕は
これまで多くの時間を音楽に費やしてきた。
しかし、今日まで高みを目指すという意志はなく、ほとんど趣味同然だった。
ある出来事から音楽を避けるようになり、高校に入学する頃には話題にすることすら少なくなっていた。
僕から音楽を差し引けば、どこにでもいる普通の男子と何も変わらない。
ただの大人しい男子だ。
そんな僕が再び、音楽に触れるようになったのは、高校入学を控えた春休みのこと。
それまで全く縁の無かった、駅前の小さな喫茶店に偶然立ち寄ったのが、そもそもの始まり。
そこで、
店の隅で威圧感さえ漂わせるグランドピアノと、そこを独壇場とする美人な年上の女性。
彼女が奏でる、心にじわりと染みるメロディと、大人の雰囲気が漂う珈琲の香りと苦味。
新鮮で刺激的な経験が、再び音楽の世界へと引きずり込んだのだ。
改めて音楽に魅力を感じ、再び向き合うようになった。
これは、譜面に音色を書き記すかのように彩られていく、それぞれの青春模様。
恋も憧れも、夢も現実も、全部が詰まった物語。
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