特典メニュー EP5編

▼用語集・EP5関連編


【黙示録アポカリプスキャンセルデイ】


・〈じんりゅう〉の活躍により、【グォイド増援光点群】による人類滅亡の黙示録の日が回避された日のこと。


・〈じんりゅう〉による土星圏グォイド本拠地偵察計画『サートゥルヌス計画』において、〈じんりゅう〉が土星圏に最接近すると同時に消息を断ってから約一週間後、突如土星後方の宇宙空間に巨大な帯状の光点群が出現と同時に霧散消滅し、さらのその後方に、大量のグォイドの減速噴射光が観測された。


 とうてい迎撃が不可能な数のグォイドの増援【グォイド光点増援群(▼用語集 EP4関連編参照)】が、太陽系近傍まですでに接近を果たしていたという事実に、人類は黙示録の日の到来を覚悟した。


 だが減速しつつ接近していた【グォイド光点増援群】は、突如太陽系への到着を目的とした減速から、太陽系通過を目的とした加速に転じ、【グォイド光点増援群】はそのまま太陽を掠めつつ太陽系を通過し、人類の滅亡は辛くも免れた。


 以上の出来事を、人類は【黙示録アポカリプスキャンセルデイ】と呼ぶことにしたのであった。












【ゴーストプロトコル】


・内太陽系人類圏への帰還を果たした〈じんりゅう〉が、地球圏までのエスコートとして同行することとなったVS‐806〈ウィーウィルメック〉とランデブーする際に、〈じんりゅう〉へ乗艦した同艦クルーに対し、〈じんりゅう〉にて機関長任務に就いている少年・三鷹ケイジ三曹の存在を秘匿する為、テューラ司令が密かに送った指令のこと。


・三鷹ケイジ三曹を、立川アミ一曹なる架空の女子航宙士に扮させることで、〈じんりゅう〉に乗艦した〈ウィーウィルメック〉クルーを欺く試みである。










【立川アミ一曹】


・女子航宙士に扮装した三鷹ケイジ三曹の仮の姿。


・元々は【木星文書】をキルスティが記すに当たり、三鷹ケイジ三曹が関与した部分を、彼の存在を秘匿する為に創造した架空の女子航宙士である。


・キルスティがケイジのあずかり知らぬところで勝手かつ無責任かつ適当に考えたキャラクターであるが、ゴーストプロトコルの遂行にあたり、実在の人物として〈ウィーウィルメック〉クルーの前に登場させねばならなくなった。


・立川アミの“立川”は、三鷹ケイジの三鷹が日本の地名であり、その近くにあったSSDF立川基地から。


 アミという名はケイジを日本語にすると“網アミ”という意味だと誤解したことから、キルスティが適当につけた。


・実際にケイジ三曹に立川アミの扮装をさせるにあたり、ケイジは医療用カプセルのエステティック機能で、全身のムダ毛を脱毛処理され、頭髪はウィッグ、身体は詰め物を施したスポブラを身に着けた上で、普段着ているジャンプスーツを着こみ、声はチョーカー型ボイスチェンジャーで誤魔化すこととなった。


 ケイジを知る人が見れば、ただ凝った女装をしたケイジ三曹にしか見えないが、初対面の人間であれば、顔に火傷の痕がある以外はごく普通の女子航宙士に見えると判断されている。


・基本的なプロフィールは、ケイジの経歴を踏襲して設定されている。


 航宙士訓練を終えたばかりのところで、機関部要員として第五次グォイド大規模侵攻迎撃戦に航宙艦クルーとして召集され、その際に戦闘で左半身に大火傷を負う。


 それから半年の療養を経て復帰後に〈ヘファイストス〉に転属、その直後に発生した【木星事変】において、〈ユピティ・ダイバー〉の設計・建造に関わり、そのままコ・パイロットとして同艦にクィンティルラ大尉と共に乗り込み、紆余曲折を経て〈じんりゅう〉臨時機関長となる……。


 これらのニセプロフィールを利用し、アミ一曹が顔に負った火傷の痕が原因で、カメラに映りたがらず、彼女の画像や映像があまり発見されない言い訳とした。






【〈ジョナサンHアーチャー〉】

・正式名称・GN‐XXX‐2027特装実験戦艦〈ジョナサンHアーチャー〉。

・〈ウィーウィルメック〉クルーが同艦に乗る前に乗艦していたSSDFステイツ所属の航宇宙戦艦。

・〈アリゾナ〉級航宙艦の巨大な船体の余剰スペースに、【ANESY】Sのデバイスを搭載することで、適正者の少女クルーによる【ANESYS】を用いた戦闘を可能にしている。

・改修の際に、艦首に集約されていたブリッジ、センサー、UVシールドジェネレーターの内、ブリッジをメインブリッジとバトルブリッジに分割させた上で船体中央に移設し、ブリッジクルーのサバイバビリティを向上させている。

・第四次グォイド大規模侵攻直前にステイツ主導で行われた土星圏グォイド本拠地攻撃作戦に参加するも、失敗に終わった同作戦の撤退の為、土星の衛星エンケラドゥスを用いいたUターン時に、同衛星より飛び立った〈亡命グォイド〉のデータが納まったオブジェクトを艦首から受け止めた為に大破した。

 その際に、上方にあるメインブリッジへと強制退避させられた艦長クラリッサ・ファーミガと、当時第二副長を務めていたキャスリン・グリッソムを除く、バトルブリッジにいたクルー全員が重症を負った。

 しかしながら回収した〈亡命グォイド〉の納まったオブジェクトの計らいにより、バトルブリッジにいたクルー達は、艦と不可分な状態になったものの辛くも一命をとりとめる。

・辛うじて内太陽系人類圏への帰還を果たした〈ジョナサンHアーチャー〉は、回収した〈亡命グォイド〉と、生命維持の為には船体と不可分となってしまったブリッジクルーの生命を維持しつつ、戦闘艦として活かす為に、バトルブリッジ周辺と〈亡命グォイド〉のオブジェクトを残しつつ、その部分以外の船体を完全新造し、新たなる〈じんりゅう〉級〈ウィーウィルメック〉へと生まれ変わることとなった。






【VS‐806〈ウィーウィルメック〉】

・〈じんりゅう〉級の六番艦であり最新の〈じんりゅう〉級航宙艦。

・ステイツがVS艦隊司令たるテューラにさえも秘密にして建造していた。

・【メルクリウス作戦】時に、〈じんりゅう〉が実体弾代わりにしてグォイド・スフィア弾の破壊に使用した木星オリジナルUVDを回収し、主機に搭載したことで、現存する二隻目のオリジナルUVD搭載〈じんりゅう〉級となった。

・船体は鮮やかなコバルトブルーのカラーリングが施されており、〈じんりゅう〉よりも船体が前後に引き延ばされ、全長が長くなっていることが外見上の特徴。

 それ以外の部分では外見的に〈じんりゅう〉と極端な差異はみられない。

・他の〈じんりゅう〉級に無い特殊機能として、他の〈じんりゅう〉級をはるかに上回る長時間の【ANESYS】継続と、【フュードラシル未来樹】と名付けられた超高精度未来予測能力、さらにそれらを駆使して制御する追加装備実体弾投射砲〈サジタリウス〉等の、オプション装備の使用が可能となっている。

・実はそれらの特殊機能は、土星圏グォイド本拠地攻撃作戦時に密かにエンケラドゥスから回収した〈亡命グォイド〉のオブジェクトを船体内に納めているが故に可能とした機能である。








 

【〈ウィーウィルメック〉クルー】

・元々GN‐XXX‐2027特装実験戦艦〈ジョナサンHアーチャー〉のクルーだった女子航宙士達が、元同艦艦長であり【ANESYS】適正限界年齢を迎えたクラリッサ・ファーミガと、最新の耐宙人であるセヴューラ・ヴュラ少佐を除き、そのままスライドしてクルーを務めている。

・以下はその氏名・階級・担当セクション。

 キャスリン・J・グリソム中佐(艦長 21才)

 ジェンコ・ウィンタース少佐(副長 船体維持・ダメコン20才)

 セヴューラ・ヴュラ少佐(第二副長 作戦立案・分析12才)

 ヘレン・ニクソン少佐(火器管制・19才)

 マヘリア・コンプトン大尉(操舵・17才)

 ケイト・ウェルシュ中尉(電測・17才)

 ペギー・ランドルマン中尉(機関長・18才)

 ユーカ・ガルニア少尉(艦載機指揮者・19才)

 フランチェスカ・ペルコンテ少尉(同・艦載機指揮者・17才)

 ミリエラ・リーブコット准尉(通信・16才)

・艦長キャスリンと副長セヴューラ以外の元〈ジョナサンHアーチャー〉クルーの肉体は、今もなおバトルブリッジ直下に接地された医療カプセル内にて、土星圏グォイド本拠地攻撃作戦撤退時に負った怪我を再生治療中であり、その思考や姿は、ステイツが独自に開発していた長時間【ANESYS】の力を用いて“ホロウ”と呼ばれるホログラム姿として〈ウィーウィルメック〉艦内に出力される。

 その際、ホログラムクルーの投影された姿は、土星圏グォイド本拠地攻撃作戦当時の年齢のままである。

 また、そのような境遇が影響したのか、キャスリン艦長とセヴューラを除くクルー達の正確は非常に明るく、ハイテンションな傾向にある。

 これは長時間半【ANESYS】状態であるクルーの統合された思考を、【ANESYS】の情報処理能力それ自体を用いて無理矢理に再び個人に分割していることも意識していると思われる。

・さらに〈ウィーウィルメック〉艦内および、外部でもあってもごく近距離内であり〈ウィーウィルメック〉との高速データ送受信が可能な圏内であれば、艦搭載の最新モデルのホロ投影機能付きヒューボを操ることで、物理的干渉が可能な存在として出力が可能である。

 つまり物に触れたりすることが可能となる(さすがに食事はできない)。 

・ユリノ艦長らに秘密裡のうちに立川アミ一曹を〈ウィーウィルメック〉に招いた際は、ホロ機能付きヒューボに宿ったフランチェスカ・ペルコンテ少尉が、立川アミ一曹の姿のホログラムを纏って〈じんりゅう〉に乗り込み、立川アミの代役となって〈じんりゅう〉クルーを欺いた。











【〈ウィーウィルメック〉搭載ヒューボ】

・〈ウィーウィルメック〉に搭載されていた最新モデルの汎用人型ヒューボット。

・内太陽系への帰還果たした〈じんりゅう〉へ、〈ウィーウィルメック〉より補給と応急補修作業の為乗り込んできた。

・〈じんりゅう〉をはじめとした多くのSSDF艦艇で使用されている汎用ヒューボとその基本的用途と機能は変わらないが、より高性能のAiを搭載し、より軽量で細身であり、手足の伸縮機能に余裕がある。

・その本来の使用目的は、〈ウィーウィルメック〉のクルーが物理活動する為の依り代であり、機体表面に装備されたホロ投影機能を用いてクルーの姿を投影することで、ホロプロジェクターが無い場所でも、〈ウィーウィルメック〉からのデータ送受信が可能な範囲内であれば、クルーの姿を投影させながらクルーの意思を反映させながら活動することができる。

 つまり生身の彼女達が、その場にいるかの如く振舞うことが可能となる。

 






【アビー】

・〈ウィーウィルメック〉の【ANESYS】のアヴィティラ《化身》。

・裾の長い明るい緑色のドレスに身を包み、同じく床につきそうな長い緑色の髪を垂らした、森の中に住んでそうな、シズやキルスティよりも幼そうな少女……というのが初見での立川アミの見たアビーの姿の印象だった。

・〈じんりゅう〉のアヴィティラ《化身》と異なり、〈ウィーウィルメック〉は長時間の【ANESYS】が可能な為、彼女は長時間ホログラムの姿で顕現することが可能である。

・〈じんりゅう〉のアヴィティラ《化身》と違い、人間のクルーの思考だけでなく、〈ジョナサンHアーチャー〉が回収した〈亡命グォイド〉の思考も統合しているためか、そのメンタリティは〈じんりゅう〉のアヴィティラ《化身》とは大いに異なり、完全な個人としての独立した人格を有しているように見える。








ガス状巡礼天体ガスグリム

・【グォイド光点増援群】が飛来してきた方向の宇宙空間に観測された、グォイドの真の本拠地と思しき巨大移動天体。

・〈亡命グォイド〉によりその存在情報がステイツにもたらされ、人類が知るところとなった。

・その正体は、少なくとも数十億年前から宇宙を回遊し、各恒星系にオリジナルUVDをばら撒いていた〈太陽系の建設者コンストラクター〉製の異星遺物。

 その姿は、直径1万キロを超える横倒しの竜巻のような、移動する銀色のガス運であり、その内部に後端の塞がった巨大な円筒状の本体が存在する。

 その円筒の最奥には、オリジナルUVDを無尽蔵に生み出す異星遺物【オリジナルUVDビルダー】が存在する。

・宇宙の彼方で滅びたとある文明の、文明再興用システムの方舟が偶然接触した結果、その方舟は【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥にある【オリジナルUVDビルダー】からオリジナルUVDを無尽蔵に調達できるようになった。

 結果その方舟は、無尽蔵のオリジナルUVDで得た力で、【ガス状巡礼天体ガスグリム】が訪れた他の恒星系を、その星系独自の文明の存在の有無に関わらず、己を生み出した文明再興の為のテラフォーミングをすべく襲い掛かるようになり、人類ではその存在をグォイドと呼ぶようになった。

・方舟の初接触から数十億年が経過し、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部は、多数のグォイド艦艇を建造するグォイド・プラントが作られ、グォイドの真の本拠地となった。

 【ガス状巡礼天体ガスグリム】が銀河を巡るに伴い、グォイドは各恒星系を侵略することになったが、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部のグォイド本拠地を殲滅しない限り、グォイドの脅威を宇宙から排除することは不可能である。










フュードラシル未来樹

・〈ウィーウィルメック〉だけがの有する特殊機能の一つ。

・大雑把に言えば極めて高精度の未来予測能力。

 これをもちいることで、〈ウィーウィルメック〉がどう行動するのが最良かが判断できる。

・〈ウィーウィルメック〉の長時間【ANESYS】の力で、収集した情報を元に未来をシミュレートして予測するものを思われるが、時にそれだけでは説明が付かない程の高精度な未来予測が行われ、就役直後の〈ウィーウィルメック〉はこの力で野良グォイドの討滅に活躍した。

・【フュードラシル未来樹】の未来予測は、まるで横倒しになった巨大な樹木のようなホログラムとしてブリッジ内に投影され、枝の分かれめ部分に投影された箱状アイコンに記された複数のワードが、予測される未来と同時に、望む未来へと〈ウィーウィルメック〉がたどり着く為の選択肢として機能する。

 その際、選択肢アイコンに記されているワードが何を示すかは、必ずしもそれを読んだ者が理解可能とは限らない。

 だが、予測された未来が到来する直前には、そのワードの意味が〈ウィーウィルメック〉クルーには分かるような状況となる。

・〈ウィーウィルメック〉の長時間【ANESYS】と〈亡命グォイド〉が統合され、そこにオリジナルUVDが主機として搭載された結果、発現し可能となった機能と思われる。

・〈ウィーウィルメック〉が土星圏よりの帰還途中にある〈じんりゅう〉とランデブーしたのは、【フュードラシル未来樹】が選択肢アイコンに『太陽黄道高度8000キロ』『42』『立川アミ技術一等宙曹』と表示し、〈じんりゅう〉にその立川アミ技術一等宙曹が乗艦していた為、彼女の情報を得ようとコンタクトしたのが真の目的であった。

 【フュードラシル未来樹】は『太陽黄道高度8000キロ』『42』『立川アミ技術一等宙曹』という選択肢アイコンを表示して以後の未来予測は出しておらず、それは人類に以後の未来が訪れない可能性を示していると判断し、人類の未来を繋ぐべく〈ウィーウィルメック〉はこのような行動に出た。







【実体弾投射砲〈サジタリウス〉】

・〈ウィーウィルメック〉のオプション式実体弾投射砲。

・二基ワンセットで〈ウィーウィルメック〉の船体両舷側に接続することで〈ウィーウィルメック〉を動力源として使用する。

・実体弾投射艦や、改装した〈ファブニル〉の艦首実体弾投射に比して小型だが、弾体の加速用シンクロトロンをUVエネルギーのフィールドを用いて投射砲基部の外側に展開し、さらにUVエネルギーで延長砲身を形成することで、高加速長射程の実体弾の発射を可能とする。

 ただし弾体それ自体のサイズと搭載数は、実体弾投射専用艦のそれに劣るが、搭載弾体を撃ち尽くした後はデッドウエイトとなる〈サジタリウス〉を分離して身軽になることができる。

・最新のステルス膜展開装置を備えており、ステルス状態で〈ウィーウィルメック〉に牽引された状態で同艦が〈じんりゅう〉とランデブーしてきたため、〈じんりゅう〉は〈サジタリウス〉の存在をそれが発射態勢になるまでまったく気づくかなかった。

・〈ウィーウィルメック〉は【フュードラシル未来樹】の高精度未来予測と併用することで、就役と同時に野良グォイド討滅で戦果を上げてきた。



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