金色のヘアリング

木喬ゆたか

第1話

あるところに、とても長く、とてもきれいな髪を持った女の人がいました。

ある日、男の人が女の人のところにあらわれました。

男は女にひとめぼれをし、女も男にひとめぼれをし、二人は結婚しました。

二人は貧しくも、幸せに過ごしていました。


ある時、男がそれはそれはきれいな金色のヘアリングを女にプレゼントをしました。

女はとてもよろこび、毎日その自慢の髪をヘアリングで束ねました。


それからまもなく、男は仕事中に事故で天国へと旅立ってしまいました。

女は自分をたいそう責めました。

自分へプレゼントをおくるために、男はむりをしてしまった。自分のせいだと。


それから女は、自分を責めながら、生きてきました。

男と暮らしていた時よりも貧しく苦しい生活でしたが、

男から贈られた大事なヘアリングを手放すことなく生きてきました。


ある時、ついに女のもとへ、天国からお迎えが来ました。

「私はあの人と同じ天国へ行く資格などないのです」と女は言いました。

迎えに来た神さまは「そんなことはありません」と言いますが、

女は「私には罰をお与えください」と言いました。


「それなら」と神さまは、女のとても長く、とてもきれいな髪を取り上げてしまいました。

「それでヘアリングを忘れて、天国のために尽くしなさい。それがあなたへの罰です」と神さまは言いました。

そして女は、天国へと旅立ちました。金色のヘアリングは光の輪となり、女の頭上を照らしています。


そして男と、長くはありませんが、とてもきれいな髪を持った天使は、天国で幸せに過ごしています。あるところに、とても長く、とてもきれいな髪を持った女の人がいました。

ある日、男の人が女の人のところにあらわれました。

男は女にひとめぼれをし、女も男にひとめぼれをし、二人は結婚しました。

二人は貧しくも、幸せに過ごしていました。


ある時、男がそれはそれはきれいな金色のヘアリングを女にプレゼントをしました。

女はとてもよろこび、毎日その自慢の髪をヘアリングで束ねました。


それからまもなく、男は仕事中に事故で天国へと旅立ってしまいました。

女は自分をたいそう責めました。

自分へプレゼントをおくるために、男はむりをしてしまった。自分のせいだと。


それから女は、自分を責めながら、生きてきました。

男と暮らしていた時よりも貧しく苦しい生活でしたが、

男から贈られた大事なヘアリングを手放すことなく生きてきました。


ある時、ついに女のもとへ、天国からお迎えが来ました。

「私はあの人と同じ天国へ行く資格などないのです」と女は言いました。

迎えに来た神さまは「そんなことはありません」と言いますが、

女は「私には罰をお与えください」と言いました。


「それなら」と神さまは、女のとても長く、とてもきれいな髪を取り上げてしまいました。

「それでヘアリングを忘れて、天国のために尽くしなさい。それがあなたへの罰です」と神さまは言いました。

そして女は、天国へと旅立ちました。金色のヘアリングは光の輪となり、女の頭上を照らしています。


そして男と、長くはありませんが、とてもきれいな髪を持った天使は、天国で幸せに過ごしています。

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金色のヘアリング 木喬ゆたか @yutaka_bridge

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