紅蓮超装クリムジェネオン

GiZAIYA

第一話<落下する男>

燃える街

 ネットが<潜るもの>から<平行するもの>へと変貌した今。

 五十の都道府県には五十基の神格化された大型情報集合体があり、そして五十の管理社会ディストピアのかたちがあった。

 抱えきれなくなった情報を自らの分身に預け、徐々に現実感を喪失していく人の群れが闇を形成する。そのなかに彼らはいる。

 煌めきの眼で人たちをやさしく、あるいは恨めしく見つめる存在。

 自分たちがなにと戦い、なにを守っているのか。

 それすらわからないヒーローではない者たち。

 ヒーローを演じる者たち。

 彼らは互いのことを機械服装着員スーツアクターと呼んだ。



 街が燃えている。<伊ヶ出いがで市>という街が。大きな大きな精神病院の一部が。

 なぎ倒され、崩れ落ちる構造物を遠くから見つめながら、ぼくはその光景が人々の心の様子であることを理解する。ぼくの立っている場所もいずれ崩壊するだろう。しかし、ぼくの目の前には子どもの亡骸を抱えた母親の姿がある。

 彼女を前にして、ぼくは動けないでいた。

「たすけて」

 助からない。

 彼女の腹部にはさっきまで都市建築材として使われていた大きな鉄のパイプが刺さっている。肩にはなんだか血のクレーターみたいになった抉られた痕があるし、崩れた天井の一部が落下したせいで左脚は明後日の方向に向いている。さらにとんでもなく運の悪いことに、上階にあった汚水タンクの水を頭からぶっ被ってしまっている。要するに出血死か。このまま建物の倒壊に巻き込まれて死ぬか。黴菌で死ぬかで、ぼくには彼女を助けることなんてできない。にも関わらず、この母親は死んだ息子をぼくに差し出して、さっきから何度も「」の言葉をつぶやいている。

 もしかしたら医療用ナノマシン群と十分な治療用マシンが揃っていたのなら彼女を助けられたかもしれない、とぼくは思う。建物の内部をスキャンして応急処置キットの位置を検索する。ぼくらの時代では洗濯機やトイレに至るまで<人工知性体>と呼ばれるものが憑いていて、こちらが交信すれば言葉を返してくれる。当然、医療機器にも知性体がいるのだけれど、今は応答がない。だれかがすでに交信してるか(つまり医療機器を使っているか)、この混乱で生じたなんらかの原因で壊れてしまったか。どちらかだろう。ぼくはスキャンを終了した。それを用意する間に目の前の人間は死ぬ。今度は脳内で死に往く人に送る言葉を探す。

「たすけて」

 街中では巨大な鰐の怪獣が暴れまわっている。今、ぼくのいるデパートが崩れかけているのもその怪獣のせいだ。多くの人が埋もれたり怪我したり死んだりしている。ぼくの役目はもちろん彼らを助けることだ。けれど救命することじゃない。ぼくは鰐の怪獣を止めなければいけない。それなのに、ぼくはさっきからこの母親の言葉に憑りつかれてなにもできなくなっていた。

《ichima 稼働時間、残り六〇〇秒》

 これから死にゆく彼女になにを云うべきか。それを考えている間にも、ぼくが着用している<超装機械服>ジェネオンスーツの稼働時間は減り続けている。

 ぼくは云った。

「恐かったね」

 母親の手から子どもの亡骸を受け取り、頭が垂れて人形みたいにならないようしっかりと胸に抱きしめた。「もう大丈夫だよ。お母さんが守ってくれた」

 ぼくはもうそこに意識があるかさえ定かではない母親に云った。

「安心してください。この子は助かります」

 母親は開きかけてるのか、閉じかけているのかわからないかたちの口でこう返した。

「うそつき」

 その母親の鼓動はそこで消えた。

 死んだ。

 今、この瞬間、この街で、目の前で死んだ親子と同じように死んでいく人々。ぼくはこの母親になんと云えばよかったのだろう。次に旅立つ者になんと云えばいいのだろう。彼女の瞼をふさぎ、一呼吸おいてからその場を離れた。そんな悩みは今は要らない。

《稼働時間、残り五八〇秒》

(――超装機動二輪<ボルテクス>にぼくを追跡させろ。マーキングされた地点で合流。最優先)

《了解》

 ぼくの体内には計三百種類以上のナノマシンが投与されている。それらの殆どは肉体から生じるなんらかの電気信号を補助するものだ。そのなかには宿主の意識を機械に読み取らせ易くするものもあるし、読み取った状態の曖昧な思考のかたちを正確化するものもある。早い話が、ぼくは口を動かさずとも言語通達できる。

 ぼくが話している相手は<マイケルⅡ>と呼ばれる人工知能だ。ぼくらはマイキーと呼んでいる。マイキーは衛星軌道上に漂う全長二十メートルの観測機(正式名称は粒子収束線反射装置搭載型惑星観測機。長すぎる)のなかに搭載されたAIで、色々な理由があって日常生活でもぼくの相棒を務めてくれている。「人工知能」なんて呼ばれる古い世代が残したAIをどうして未だに使ってるのかと云う話は今度話そう。

 ぼくは親子の死体から離れ、かろうじてまだ完全には崩れていないデパートの地面に拳を叩きつける。衝撃の瞬間、赤い粒子が波紋のように拡がって雲散する。ジェネオン粒子だ。すると拉げ欠けた鉄骨やらが理にかなわぬ強度の増し方をする。足下の微振動がじょじょに消えていく。

《構造物の補強を確認。稼働時間、残り五〇〇秒》

(――了解。合流を急ぐ)

 ぼくは走った。地面を蹴るたびに赤い波紋が浮かんでは消える。一歩一歩、そのたびにマイキーが稼働時間の減少を告げる。残り四七〇。残り四六〇。残り四五〇……。

「リボルビング・アイ!」

《ストラクチャー・スキャン》

 ぼくの装着した強化外骨格パワードスーツ――超装機械服の装備の殆どは音声認識で作動する。意識で言語が通達できる技術があるのにどうして言葉を発しなければいけないかというと、機械服スーツに搭載された個人兵装が誤作動を起こさないためだ。旧い表現だが、念じればぼくはマシンを動かせる。ただし頭のなかの情報の送信にはプロセスがあり、「撃て」と意識する前には「撃つ」という意識が発生する。その前には「撃とう」「撃つか」「撃つべきか」「撃ってみるか」……受信機の感度調整によってはその予備段階で、つまり兵装を使用するか悩む段階ですでに発射することもできる。これは誤作動に繋がる。ぼくが撃つことを決めたり、撃つ対象を選ぶ前に弾丸が発射されても困るわけだ。だから機械服を扱う者はみんな声紋認証を採用している。そのなかにはもちろん、叫ぶことで自分を奮い立たせたり、ヒーロー番組の主役になったような自己陶酔を覚える者もいる。ぼくはちがう。

帯刀田たてだ装着員。このままではエネルギーが持ちません》

 女性の声が聞こえる。

 学見さんだ。宇多宮学見うたみやまなみ。俗世では「マナミ・ウタミヤ」と呼ばれている。その理由も追って話そう。

 超装機械服の原動力はジェネオン粒子。さっきからぼくの足下で拡がっているこの赤い粒子だ。これは一九九九年に地球に堕ちた隕石に付着していたもの、外宇宙産の<記憶>と<複製>の性質を持つ粒子。勘のいい人にはお分かりだろうが、生物学的な言葉を用いるとこの粒子は「自己増殖」する。なにもしなくても増えていく。勝手に。なにせ「記憶して複製する」のだから。この粒子の謎を解明するとき、ある科学者がジェネオン自身の情報を粒子にぶつけた。そうしたらジェネオン粒子の複製が生まれて、さらにその複製が複製を生んだ。これが止まらなくなって今、地球はジェネオン粒子で満たされている。その後、その科学者はジェネオンを未知のエネルギーとして「使える」ことを証明した。結果として今の世の中で、ジェネオンは原子力に取って代わることになった。

 ぼくが床にジェネオン粒子をばら撒いているのは、この超装機械服にジェネオン粒子をコントロールする力があるからだ。例えば建物のなかにある軸組み。そのなかに使われている材料。さらにそのなかには、物質を粒として見たときの構成物がある。ぼくはまき散らしたジェネオン粒子をそこに集中させて、ジェネオンに構成物の情報を「記憶」させる。するとジェネオン粒子その構成物とまったく同じ性質に変換される。こうすれば損傷した構造物もほんの少しだけ補強される。

 ジェネオン粒子は地球上に存在するどんな構成物にでもなる。当然、ぼくの機械服のエネルギーにもなる。それどころか、超装機械服は装甲から内部の基盤に至るまでのすべてがジェネオン粒子で構成されている。昼間、ぼくが高校生でいる間は普通の学ランのかたちをしていたものが、活動の際は粒子変換システムで機械服に変わる。その瞬間は人間の眼では負えない。俗に云う「変身」というやつのプロセスだ。

《構造物の補強により消耗したジェネオン粒子が多すぎます》

「だから<ボルテクス>を発進させたんですよ。機動二輪バイクのジェネオン貯蔵部からエネルギーを充填するんですって」

《了解。カートリッジの残数にも注意を》

 <リボルビング・アイ>は視覚情報を切り替える装置だ。ぼくの左腕、シリンダー式のパーソナルマシンが搭載された六連式兵装<リボルビング・ツール>の機能のひとつ。文字通り六つの機能を持つ義手だ。これ自体は超装機械服の機能ではない。後付けのオプション。ぼくがある事件で左腕を切断されたとき、切られた生の腕を基に造ってもらった。そんなわけでこの義手は超装機械服内部のエネルギー供給ユニットに接続されていない、独立した兵装というわけだ。シリンダー部分にジェネオン粒子を詰め込んだ弾丸型のカートリッジを装填する必要がある。だから<リボルビング・ツール>と名付けられている。これはぼくが超装機械服を使っていない間も使えるもので、普通の高校生でいる間も有事の際に起動できる。

 ぼくの頭部を覆ったヘルメットには、硬質強化が施されたガラス性のゴーグルが取り付けられている。外から見ると単なるマスクだが、ぼく眼にくる位置には透過ディスプレイがある。そこに機械服の残りの稼働時間、損傷状況、装着員であるぼく自身の身体情報などがデフォルトで表示されている。超装機械服のコックピット。場合によっては「敵」となる存在の情報も教えてくれるし、機能を変更すればほかにも様々な情報を表示してくれる。ただしデフォルト以外の機能を使うと、機械服内部のエネルギーが消耗が大きくなっていって、ぼくの稼働時間は減る。そうなのだ。ぼくが機械服の機能を使うたび、残り時間は縮まっていく。ぼくはそれがなによりも厭だ。というより、超装機械服を用いていて一番厄介なのがそういったエネルギー管理の問題であると云い切ってしまってもいい。だからぼくは、ぼくが必要とする機能をリボルビング・ツールで賄っているし、リボルビング・アイという機能にしても、このゴーグルが壊れた場合は点眼したナノマシンを使って網膜に情報を投影させる。機械服に搭載された機能は極力使わない。

 どうしてそんな使わない機能を備えているのか。それはこの超装機械服が、ぼくのために作られたものではないからだ。

 ぼくはヒーローではない。

 ヒーローを演じる者だから。

「リボルビング・ブレット!」

 リボルビング・アイで壁周辺に人がいないことを確認してから、ぼくはデパートの壁に左腕の拳を向けて叫ぶ。義手の手首が折れて、そこから銃口が顔を出す。一発目が発砲。続いて二発目。三発目が壁に命中した直後、ぼくはラグビーの選手みたいにショルダータックルを決めて、その壁をぶち破る。リボルビング・ツールに搭載された射撃武器<リボルビング・ブレット>。リボルビング・ツールに搭載されたもっとも強力な武器で、同時にぼくがもっとも嫌いな装備だった。

 勢い余ってデパートの外に放り出されると、今度は別の機能を使う。こっちはぼくが一番信頼している武器。その名も、

「リボルビング・チェイナー!」

 シリンダーが回り、義手の銃口から有線式のアンカーが射出された。壁に打ち込まれると、アンカーからはジェネオン粒子が噴き出す。打たれた部分の強度が増し、なんとか超装機械服の重量負荷の支えられるだけの保持力を得る。ぼくはデパートの外壁を走り、チェイナーを解除、直後、また壁を蹴って駐車場に着地する。ぼくが足をつける場所すべてがこうして〝壊れなくなる〟ので、映画みたいに三点着地を決めても地面がヒビ割れたりすることはない。ぶち破った壁もジェネオン粒子で修復されているはずだから、いつもならこれでぼくが活動した痕跡はだいたい消せる。ぶち破った壁の破片がどこかに落ちただろうけど、それらが落ちるだろう位置に人がいないことは予測できている。けれど今はそんなことは気にしない。街で暴れている怪獣のことが最優先だ。

《ボルテクス、到着します》

 マイキーの人工音声が機動二輪の到着を伝える。タイミングがいい。ぼくはボルテクスにまたがり、燃える街の中心部へと疾走した。

 怪獣が現れるなんてことは初めてだった。あくまで等身大の敵との戦闘。それが機械服の歴史のすべてだ。ぼくは伊ヶ出市の地下、下水道に住んでいた白い鰐が、ある者の手によって巨大化したという報告を受けていた。

 その人物の名前は間空幻馬まくうげんま

 秘密結社レクトこと<レクトコーポレーション>の幹部衆のひとり。かつてこの伊ヶ出という街で活躍していた先代ヒーロー<超粒子戦隊ヴァトライザー>を壊滅に導いた男の名前でもある。

 あいつは世界に現実を突きつけることを望んで止まない。

 ファミレスの前に建てられた国民的人気アニメのキャラクターの看板が倒れたせいで頭を潰された子どもとか、早食い大会で命を落とした中学生だとか、大人たちが手を差し伸べてやれなかったせいで親を殺した少女だとか、その責任をゲームのせいにするメディアだとか――間空に初めて会ったとき、そういう悲劇に対して無関心な世界そのものを、あの男は「大きな精神病院」と云った。

 世界がその本性をあらわにするのを、あいつは待っていた。今この状況がそうだ。街で怪獣が暴れて、人々は混乱している。だれもがだれもを助けない。われ先にと生きるために逃げる。他者を押しのけて。

 そのなかで助けを求める者がいて、ヒーローはそれを助けられない。その事実がヒーローと市民をさらに深い絶望に落とす。それを見てやつは笑う。あのクソ野郎は。

 だから自分が斃した怪人の葬式に出席して涙を流すようなヒーローが現れたとき、あの男は嬉しかったはずだ。その笑いが今までにないようなものだったから、引き金になった。そのときにやつはこの状況を生み出す決心をしたのだろう。

 だから……原因はぼくにある。

 ぼくという存在がやつのモチベーションに火をつけた。

『どうだよ、これがこの世の真実ネイキッドだ』

『皆自分のことしか考えてないんだ。動物だからな。自分が生存するためのことしか考えてない』

『経営のために親子連れを取り込もうとしたレストランも、大食いどもをにしようとした早く食い競争も、無責任な局も、結局は自分たちが生きるためにやってんだ。そんで犠牲が出た。それを小賢しく隠そうとするから、俺は勃起が止まらなくなる。見せつけてやりたくなるんだよ』

『お前もわかってんだろ』

『わかってんだろうが。なあ、帯刀田一麻たてだいちま。なあ――クリムジェネオン』

 炎が燃え、地面が割れ、人々の悲鳴のうえに怪獣の咆哮が重くのしかかる。そんな光景は色んな色が混ざり合ってぐちゃぐちゃになった絵具に似ていた。それが混沌というものの色なのだと思ったとき、間空の声がそう云っているような気がした。

「ボルテクス、オートモード。目標は<白い鰐>、マイキーはシークレットアームで超装機械服と機動二輪のエネルギータンクを繋げ」

《了解。警告します。前方二〇メートルに甲虫バグズの群れ》

「なんだと」

 直後、拳ほどの大きさの虫がヘルメットの前に現れる。缶ジュースを右頬にぶつけられたような衝撃で、思わず仰け反る。しまった。ゴーグルの左目部が大きく損傷している。<切り裂きバグズ>だ。先端が刃のように鋭利になっている羽根を、ヘリコプターみたいに回転させて襲い掛かってくる、秘密結社レクトの生体兵器。長きにわたる戦いのなか、様々な品種改良を経て機械服の機能に損傷を与えるほどの性能を得た。

 瞬く間に次の甲虫が飛び込んでくる。ぼくが手で弾こうとすると、マイキーは、

《バリアーを展開》

「よせっ」

 甲虫の群れはぼくの装甲に触れた直後、電流を帯びて粉々に砕け飛ぶ。強力な生体兵器に対抗するために、学見さんが開発した対甲虫用の虫除けバリアー。これも超装機械服の標準装備。残りの稼働時間は三〇〇秒を切っている。つまり五分しかない。このバリアーも最新型の機械服にのみ搭載されたもので、ろくな調整がされてないだけに燃費は最悪だ。

「バリアーは使わなくていい!」

《了解》

《ダメです帯刀田装着員。切り裂きバグズ以外にも様々な罠が仕掛けられています》

「いいから! ジェネオンが減ってんでしょうが!」

《多数の生体兵器の反応を確認、あなたが通過する地点に向かっているんですよ》

 ぼくは叫んだ。

「いいからバリア解けって! 学見さんはさあ!」

 学見さんの伝達通り、機械服内部のディスプレイには小型の敵が迫っていることを知らせる表示がある。ぼくは舌打ちをして、腰部のポーチからシャープペンシルを取り出す。リボルビング・ツールのシリンダーからカートリッジを勘合するソケットを取り外し、シャーペンを装填。柄のようなかたちになる。というよりも柄そのものだ。それを握ると、手の平の接続ユニットがエネルギーを供給する。

「ジェネオン・ブレード……!」

 青色の光で形成された刀身が出現する。これが等身大の脅威を斬撃するための必殺兵器<ジェネオン・ブレード>だ。粒子収束形成の光刃はあらゆる物体を斬るように「破壊」する。普段はシャーペンとしても使えるのでペンと剣の強さを同時に兼ね備えていると云ってもいいだろう。小型の敵であるバグズを対処するにふさわしいものではないが、今はこれを使う。

 ぼくはブレードを横に構え、八の字(∞)を描くように振るった。飛び交うバグズたちが刃に裂かれるたび、バチッバチッと云って消滅していく。なかにはその場で炎を噴く<爆発バグズ>もいたが、爆発直後にはボルテクスの後輪から三メートルも離れたところにいる。被害はない。

 稼働時間、残り二〇〇――消耗はしたがバリアーよりはまだいい。

《帯刀田装着員、悪い報せです。名古屋市からミサイルが発射されました》

 ああ、くそ――バグズの群れを抜け、ボルテクスから機械服にエネルギー供給を開始した。と思ったらこれだ。

《つづいて岐阜県岐阜市、三重県津市から人工知性体搭載型の公的弾頭パブリックミサイルが発射されています》

「東海三県の田舎ものどもが。大型情報集合体ビッグブラザーは許可したんですか」

《あの辺は市民が大型情報集合体に直接抗議できるような街ですから。恐らくその市民たちが兵器を使わせるよう持ちかけたのでしょう》

 今や人工知性と呼ばれるものの類は、日用品にまで憑いていると先ほどぼくは云った。どうしてそういうものが憑いているのかというと、この<ネットアバター>のせいだ。

 情報化社会が進むに連れて、電子情報はもはや人々が背負い切れないほど膨大に膨れ上がった。グーグルマップでどこにでも旅行ができる時代。部屋に籠っていても仮想世界のハワイで日光浴を体感(体験ではない)できるような時代。それが今だ。情報が人間の許容量を超えた結果、どこにでも仮想世界を構築する技術は、向上のすえに人々から現実感を奪っていった。

 どこにでもいけるから、どこにいるかわからない。

 そういう錯覚を覚える程度には、人間はまだ動物的な危機感を働かせることができたらしい。

 このほかにも様々な問題が起きた。例えば脳とマシンを接続させる技術、ブレイン・マシン・インターフェイス……俗に云う「電脳化」は仮想世界にアクセスした人間の脳に障害を与えたり、人々の意識をネット内に取り残す<ネットゴースト化現象>を引き起こしたし、仮想世界で代理戦争をしてそれをネットで生中継するという<見世物戦争>なんてものが生まれたりして社会問題になった。そういう経緯を経た結果、人々は自分の脳を含む身体というものに関して過保護になり、情報というものに対して少しだけデリケートになった。なにをしたかというと「ネットのなかに分身を作ってそいつに負担を担ってもらうことにした」らしい。

 自分の脳みそを電子に繋げるのはロボトミー的な恐怖が勝るが、電子のなかに自分の分身を作ってそいつを改造する分には、特に仔細ないというわけだ。

 その技術を前提にした都市開発が行われ、やがて五十の都道府県の県庁所在地に大型情報集合体と呼ばれる規格外の知性体が実装された。大型情報集合体はその街の市民登録者と同数のネットアバター(代替悟性搭載人工知性体)を格納できるだけの容量を持った母体的知性体で、ぼくらの街のほとんどすべての情報を管理している。そう、すべて。だから支配していると云ってもいいだろう。

 ぼくらは生まれてまもなく、政府の指定した場所にオリジナルの<ネットアバター>=<親アバター>を作りに行く。個人差はあるけれど、親アバターは持ち主とコミュニケーションすることで短期間で持ち主の代わりになれるだけの人格<代替悟性>を得る。すると大型情報集合体はその親アバターとリンクし、自分の腹のなかに入れてあらゆる電子的脅威から守ろうとする。ぼくらは母体のなかにしまわれたアバターのコピー<子アバター>を要請し、政府から受け取る。

 ぼくらはアバターと生年月日、住所、氏名、年齢、電話番号、血液型、ほかにも口座のパスワードだとか、市民番号だとかを共有し、アバターが本人の代わりに仮想世界でそれらの情報を駆使できるようにする。そうすると本人の代わりに公共料金を支払ったり役所に届け出をしなきゃいけないような面倒な手続きを済ませてくれるほか、知性体が搭載された家電の管理までやってくれるわけだ。

 そしていつネットアバターがおかしなことをしないように大型情報集合体はそれらを管理しているのだが、そういう役割を持ってしまったせいか、それだけの使命を果たせるほどの能力を有してしまったせいか、大型情報集合体は人工知性体だけれど人間よりもワンランクだけ高次元な存在として君臨している。

 もちろん、この大型情報集合体が暴走すれば間違いなく人々の生活は脅かされる。だからもしそうなったときのために〝物理的〟にそれらを破壊できるよう、一基の大型情報体につき一基のミサイル発射装置が取り付けられている。このミサイルは大型情報集合体の脳部分に向けてしか発射されないように設定されており、そのトリガーを引けるのも大型情報集合体のみ。人間と彼らで話し合った結果、そういうことになったらしい。

 そんなわけでどこかの街の大型情報集合体が間違ったことをした場合、ほかの都市の大型情報集合体が頭についたミサイルを発射して同属を殺す。

 ちなみに名古屋市の大型情報体は名古屋城の天守閣に配備され、ミサイルはシャチホコが咥えていると聞いていた。

「ミサイルはどこを狙ってるんだ」

《……<プラウダー>です》

 プラウダー、それが伊ヶ出市の大型情報集合体の名前だ。伊ヶ出タワーと呼ばれる、この街の中心にある塔にいる。

 さて問題。どうして鰐の怪獣が暴れている状況で、ほかの街の大型情報集合体が<プラウダー>を攻撃したのか。

 それはあの鰐の怪獣の脳みそのなかに、ある人のネットアバターがいるからだ。生体兵器であるあの怪獣はそのネットアバターの意識を通じて街を暴れている。アバターが鰐を操っているといってもいい。だからこの街のアバターを管理している<プラウダー>を殺せば、怪獣のなかにいるアバターも死んで、被害は止まる。

 けれどそうなれば、ネットアバターを通じて救急要請を出している市民たちは孤立状態になる。大型情報集合体はぼくらの街を見捨てる気だ。

「学見さん、ミサイルのなかにいる人工知性を回収させるってのは?」

 大型情報集合体の放ったミサイルにもまた、知性体が宿っている。彼らがそいつを説得してくれればミサイルの弾道を逸らすことができるかもしれない。

《試していますが、津市<アマテラス>、岐阜市<MINO>、名古屋市<守造>の三基は伊ヶ出市<プラウダー>の破壊を認証。こちらの要求には応じません。……大型情報集合体が同属をターゲットにしたのはこれが初めてですね。それらを管理している現地の研究所責任者、機械服装着員と連絡が取れません。岐阜の装着員に至っては先日逃亡した<怪異十三会>により戦闘不能》

「着弾時間は?」

《三発とも合流後、六分前後で鰐に着弾するもよう》

「オーケー……キビシイな。人工知性体の思考性質を特定」

《了解。思考を言語化します》

 ぼくの耳に人工音声が届く。

《カミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼカミカゼ……》

 カミカゼ。

 神風。

 どうやら知性体は特攻することしか頭にないようだった。

「自爆を承知しているのか。どうして」

《擬似的な性衝動による快感の獲得欲求。かなりハーコーな被虐主義性マゾヒストオルガズミックエンジンで動いてますね。思春期の高校生みたく突進しますよ》

「ぼくが説得する。コミュニケーション!」

 マイキーからの応答。《自閉モードを確認》

「ダメか」

 通信越しに学見さんの悲鳴が聞こえる。

「どうした」

《マサチューセッツ……》

「なに」

 彼女が息をのむのがわかった。

《アーカムからです。マサチューセッツ州にあるアーカム大学からも多数のミサイルが発射されたようです。学生たちが作ったお手製の個人兵器DIYですよ。ファ〇ク……》

 ぼくもふーっと息を漏らした。

「イヤミを云うようで悪いけど、学見さん嫌われてるんじゃないの。母校に」

《嫌われてるのは確実でしょうがわたしを殺して得られるものがあるとは思えません。<プラウダー>が破壊されることで情報管理能力が低下し、プロジェクトが公になるのを恐れたエリートのだれかが撃ったのでしょう。帯刀田装着員、離脱を》

 そう云って、学見さんは少し黙った。ゴクゴクと喉が鳴る音。なにかを飲んでいるようだった。まあライフガードだろう。なんせ彼女の原動力は日本語ラップとバイオニック飲料だ。

 ぼくはリボルビングツールにカートリッジを補給する。

「さっき目の前で親子が死んでたよ」

 学見さんは飲むのをやめたらしかった。

「デパートに親子がいたんだぜ。なにをしてたと思う。そりゃ買い物だろうけどさ……今日こんなことにならなかったら、たぶんおいしい晩ご飯でも食べてたんだろうな。でも死んでしまった。もしかしたら誕生日だったのかもな」

 ゴーグルの透過ディスプレイが警告のサインを出す。ボルテクスが瓦礫の山の上を飛び抜ける。構造物たちが崩れ、地響きが伝わってくる。怪獣の距離が近い。

 機械服の稼働時間、九〇〇秒。フルチャージを完了。ボルテクスの機動力が低下を見せ始める。

「ミサイル内の知性体との交渉は諦める。超装機動二輪ボルテクス、近くにある無人のビルに白い鰐、そして伊ヶ出タワーと同規格の立体映像を放射しろ。あとはボルテクス、お前がカモフラージュ機能を使って<プラウダー>に化けろ。恐らくそれで知性体を欺ける」

 学見さんが叫ぶ。《さらなる混乱が予想されます!》

「<プラウダー>を殺されるよりはいい。この街のネットアバターを守ることが彼らを守ることにもつながる。――リボルビング・チェイナー!」

 アンカーが地面に刺さり、ぼくはボルテクスと別れる。忠犬たる機動二輪は燃え盛る炎のなかに消えた。そして間もなく、伊ヶ出タワーと二匹目の怪獣のホログラムが出現する。

 ぼくは気を落ち着ける。

 ミサイルの着弾時間まで残り五分を切っていた。ボルテクスから離れ、着地した段階で機械服の稼働時間は八九九秒。約十五分。稼働時間が終わるころにはミサイルは着弾し、五分以内にボルテクスが機能停止すればホログラムは消える。機動二輪に搭載された人工知性は簡単にやられるような知的レベルではないにせよ、この混乱のなかで生存確率は著しく減少している。

「よくもやってくれたな」

 ぼくは吐き捨てるように云った。

「人の命をなんだと思ってるんだ……間空!」

 目の前には混沌の権化。

 極彩色の羽織に身を包んだ隈取のモヒカン男――間空幻馬の姿があった。

「来たなヒーロー」

 間空は震源地のなかで愉悦を楽しんでいるようだった。地響きにはお構いなし。ビルが揺れても動じない。ニタァとした笑みでぼくを見つめている。

「ようやく裸にできた清純そうな黒髪の乙女の下にゃあ真っ黒な花が咲いてる。それを直視した気分はどうだ。『ああやっぱりな』って思ってるんだろ。だったらいっそ興奮しちまったほうがいいぜ。なんたって自分が気持ちいい」

「ぼくの真実(ネイキッド)はちがう」

 その言葉を聞くと、間空は腹の底から、あるいは奈落の底から上げってきたような悪魔の声で笑った。途中で呼吸困難になりかけたのか、ヒィーヒィーと鳴く。

「お前に会ったら色んなことを話そうと思ってた。けどな、ははは、言葉を用意するのを忘れてたよ」

「リボルビング・チェイナー!」

 ジェネオン粒子性のワイヤーが瞬く間に間空の肉体を縛り付ける。やつはオロロ、と云ってわざとこけそうな振りをした。ぼくはやつをその辺の柱に括り付ける。

「実を云うとな。俺は昔から特撮ヒーローのファンだったんだ。でも小さいころいじめられてた俺を助けてくれるやつはいなかった。だから嫌いになったのさ」

「黙れ」

「嘘だよ。ちょっとは感情移入してくれたかな。それにしてもお前は面白いやつだ。今までのヒーローとは違う。どいつもこいつも賞味期限切れのパンみてえにしなしなになった精神力で自分に言い聞かせてたぜ。時代遅れのやつらってのはいつもそんな感じだ。ディストピアの実態を教えられても世の中にはまだ守る価値がどこかにあるって信じてる。実につまらんやつらだった。お前はちがう。全然ちがう」

「お前の話を聞くつもりはない」

 ぼくは間空に背を向ける。

「あの怪獣を止められんのかよ。俺の計画はこれで終わりじゃない」

「マイキー、いけるか」

 人工知能は答える。《ハイ》

「隠しておけばよかったんだ。お前が紐解いた。ヒーローなんていないって云ってやればよかったんだ。おかげでこの街のやつらは希望を抱いて死ぬことになった。残酷なやつだよ、お前さんはよう」

 リボルビング・チェイナーをまだ倒れていない建物に打ち込み、夜空に高く舞い上がる。ぼくは間空を殺さない。ミサイルの接近が近い。鰐が暴れている。時間の無駄だ。機械服の稼働時間、残り八五〇秒。再びチェイナーを射出。アンカーは今まさに怪獣の手によって壊されている建造物に突き刺さる。勢いを増して、ぼくは鰐に向かって飛んでいく。

「逃げなくていいのかよう。てめえもブッ潰れるぜ! お前には止められん!」

 間空の声が途中からは聞こえなくなった。透過ディスプレイに多数の警告文字。とりわけ目立つのは衝撃注意。近くで見るとこれほどの脅威はない。アルビノ鰐の白い鱗は、炎に照らされて黄昏色の鈍い光を放っている。怪獣の咆哮――直後、大きな壁が、重量物が、真横から突進してくる。鰐の尻尾だった。

 ぼくは叫ぶ。「――ジェネオンッ!」

 機械服の装甲が爆ぜる。学ランを模した衣装、そのボタンがすべて外れたとき、この超装機械服は「変形」する。関節の隙間からジェネオン粒子が漏れ始める。

 稼働時間――八五〇秒から、残り一七〇秒へ。

 <超装形態>、ジェネオン・モード。

 これがぼくの超装機械服にのみ搭載された、変形機構。この場合の超装機械服のエネルギー減少率は、最大稼働時間が十五分から三分へと縮まるほど。しかしその性能は、堰ほどまでの比ではない。

 しかしいくら超装機械服といえど、民家ほどもある大きさの重量から生じる衝撃は、さすがに耐えられそうもない。しかし認識した時点で直撃していた。ぼくは今まさに迫りくる地面を回避する。どうやって。簡単だ、こいつを使う。

 ぼくは右足を鰐の瞳に向ける。

「チェイナーⅡ!」

 ぼくの義足が起動する。右の足首からアンカーが発射されて目論み通り怪獣の眼に直撃。咆哮。悲鳴。それらが生じるよりも早くワイヤーを巻く。衝撃予測位置から離脱。機械服のダメージはわずか。それより鰐だ。こいつを斃す。

 鰐が頭を振る。遠心力の発生。有線で繋がれたままのぼくはまるでけん玉だ。足のほうのチェイナーを離し、今度は左腕のリボルビング・ツールを使う。

「ブレット!」

 皮膚に命中。デパートの壁程度なら貫通する弾丸も怪獣には効かない。頭をぶるぶるしていた鰐が体を大きく捻る動作を見せる。再び急接近する尻尾。まるで雷神トールのハンマーだ。ぼくは神話生物と戦っているのかもしれない。地面に着地する。直後、再び尻尾によるブレス。ぼくは両腕でそれを受け止め――いや、地面を蹴る。緊急回避。勢い余って近くの瓦礫に激突。機械服の損傷、わずか。残り稼働時間、一六五秒。まだまだいけるさ。リボルビング・アイをジェネオンモード用の調整がされたジェネオン・アイに変更。リボルビング・ツール内のエネルギー消耗も早くなるが、処理速度は三倍。怪獣の行動パターンをスキャン。脳内にいるネットアバターの意識をジャック。次なる攻撃を予測。それよりも衝撃で吹き飛ばされた瓦礫の群れが、ショットガンの弾ようにこっちに飛び込んでくる。

「チェイナー!」

 鰐にチェイナーを発射するが、命中せず。ジェネオン・アイの作動により自動で狙いをつける機能がオフになっていた。これはいけない。

《アンチェイン》

 マイキーが失敗を報告。黙ってろ。

 ぼくは逆に飛来する巨大な弾丸のなかに飛び込む。その一発一発をぶん殴って地面に飛ばす。どうせなら間空幻馬のほうに飛んで行けと念じる。最後の一つ、でかいコンクリートの塊をバレーボールみたいに鰐の顔面にぶつける。鼻に直撃。反射的に怯んだ隙をついて体勢を立て直す。

 機械服の残り時間、一五九秒。まだまだ終わらない。

 突如、ボルテクスが投影していたホログラムに異変。ああ、嘘だろ。ぼくは厭になる。伊ヶ出タワーの立体映像が、間空幻馬の顔に変わっていた。この短時間でチェイナーの拘束から抜け出せたとは思えない。あらかじめ仕掛けていたものだろう。

 鰐との戦い、続行。ぼくは懐に飛び込む。目前にはまた瓦礫の山だ。ぼくの軌道の先で邪魔をしている。間髪入れずにブレットを連続発射。ひたすら殴って突き進む。鰐の腹の下にいる。ここなら尻尾の攻撃は来ない。

「しまった!」

 思わず声が出る。腹の下に<切り裂きバグズ>の巣。間空幻馬の声で起動したのか、それともぼくが接近したからかはわからないが、羽根が回転を始める。ブレードを用意している暇はない。しかしバリアーを起動させれば、稼働時間が減少する。今はすべてのエネルギーを機動に回したい。エネルギー残量はぼくの命そのものだ。

 間空の声が轟く。「てめえの身を守ってくれるヒーローなんざもういねえんだぜ!」

「ヒーローは――」

 ぼくは叫んだ。

「ここにいる!」

 リボルビング・ツールを起動。作動させたのは<リボルビング・バーン>。ジェネオン粒子の制御で対象のみを燃やすことのできる炎。ロックしたのはもちろん、バグズの群れ。

 火炎放射のなかに飛び込む虫たち、燃え落ちるには時間がかかる。なかには火を浴びても突進を辞めないものもいる。機械服の角時間、残り一五〇秒。

 ぼくはもう一度、名乗りを上げる。

「紅蓮超装クリムジェネオン――」

 マイキーがつづく。

《キックアス!》

 これが本番の合図。ここからが、ヒーローを演じる者の最高潮。

 


 燃える世界。

 その連続した死線のなかで脈打つ鼓動を抑えながら、ぼくは死を覚悟した。



 この物語はヒーローに助けられなかったぼくの記録書記だ。

 そして次代の機械服装着員スーツアクターに宛てる要領書でもある。

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