第26話 テロリスト

「ごめん直樹、逃げられた。なんか仲間がいるみたいなんだ。少なくとも二人。奴ら新しい車に乗ってる。ナンバーはE6871なんだけど」


 携帯電話を片手にあたりを見回しながら祐未は言った。電話の向う側にいるのは弟の直樹だ。


『ナンバーわかればなんとかなるよ。どっちに向かったかわかる?』


「ワシントンのほう」


『そっか。一応検問は敷いてもらってるけど……今防犯カメラの映像で該当者を探してたら、結構まずいものがみつかってさ』


「どうしたんだ?」


 祐未の疑問に答える少年の声はどこか重く、怠そうだ。


『施設に入ったあの二人組……元アメリカ軍特殊部隊所属みたいなんだ』

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