第14話ノースラナードの森林で
俺はカザットを出発し、次の街を目指して進んでいた。
次の街の名前はノースラナードというところで、森林が多く薬草など様々な種類の植物が採取できる場所として知られている。
しかし、このノースラナードの森林の一部は高難度ダンジョンになっており、迷って高難度ダンジョンに入ってしまう初心者達が数多くいたことでも有名であった。
まあ俺は特にノースラナードに用事は無いので、少し滞在したらすぐ出発するつもりである。
そして、もうすぐ目的のノースラナードに着こうというとき、森の中から何かが飛び出してきた。
それはナイフを持った人間だった。
「よっと」
俺はそれを上体を反らして躱し、襲い掛かって来た人間のナイフを持っている左手を掴んで、俺は右足で膝蹴りを叩き込んでへし折った。
「ぎゃあー、俺の腕がー」
「お前誰だ?なんで襲い掛かって来た?」
「ちょ、おい!普通襲い掛かられても冷静に腕折るか?」
「うるせー、誰だって聞いてるんだ質問に答えろ。反対の腕も折ってやろうか?」
「わ、わかった、話すからちょっと待ってくれ」
「早く喋った方がいいぞ」
「お、俺はここら辺を住みかにしている盗賊だ。ここを初めて通る奴は襲いやすくてな、それでここで人が通る度襲って物を盗んでたんだよ」
「そうか。ここなら殺しても誰にもばれないかな?」
「ひぃい、待てよ、正直に話しただろう!?」
「いままで散々人の物を奪ってきたんだろ?今度は自分が奪われる番だと思って諦めたらどうだ?」
「くそっ、こんなところで死んでたまるか!」
盗賊は懐に隠し持っていた睡眠効果のある煙玉を地面に叩きつけた。
「へへっ、これは耐性を持ってない奴なら一呼吸で夢の世界へ旅立つ代物だ。今のうちに荷物を掻っ払って逃げうえっぷ」
「逃げれるとでも思ったのか?」
「な!いつのまに俺の後ろに!」
「はぁ、俺も人間を殺すのはあまりしたくなかったんだけどなぁ」
「待ってくれ、もう絶対悪いことはしないから命だけは助けてくれて!」
「ふむ、お前いままで人を殺したことあるか?正直に答えろよ?」
「ない!人を殺したことだけは絶対にない!」
「はぁ、お前名前は?」
「俺はスパンクだ」
「スパンクね、次ここら辺で盗賊の被害を聞いたらすぐに殺しに来るからな。わかったか?」
「それって、俺以外の奴がやっても殺しにくるのか?」
「そうだ、まあ頑張って他の盗賊達を止めるんだな」
「わ、わかった。それと、お前結構胸デカイんだな」
「そうか、そんなに死にたかったのか」
「あ、違う!つい口が滑っただけなんだ。って、ぎゃあああ」
俺はスパンクの右肩をおもいっきり外してやった。
「痛い痛い痛い!ちょ、左腕折れてるから直せないんだけど!」
「じゃあな、魔物に気を付けろよ」
「あああー!待ってー、この状態で放置しないでくれー!」
何か叫んでいた気がするが俺は気にせず、目前にあるノースラナードを目指して進んでいった。
ノースラナードに到着しとりあえず宿を確保した後、道中で得た素材を売るためにギルドに向かった。
ギルドに入ると酒場の方で男達が群がって何かしているようだった。
俺は気になって様子を見に行った。
「おっしゃ、また俺の勝ちだな、がはは。他に挑戦者はいないのか?俺に勝てたらこの酒場でいくらでも奢ってやるぜぇー」
「っち、あいつ化けもんかよ」
「これで何勝めだよ」
「さすがAランク冒険者だな」
酒場では冒険者の男が腕相撲の大会を開いてるようで、勝てば飯をいくらでも奢ってくれるというものらしい。
そこで俺のお腹はきゅるると可愛らしい音を鳴らした。
ふむ、そろそろ晩ご飯を食べても良い頃だろう。
「おい、おっさん。次は俺が挑戦して良いか?」
「おいおい、やめとけ嬢ちゃん。腕がへし折れちまうぜ?」
「そうだぜ、俺ぁ手加減が出来ねぇからなぁ」
「大丈夫だよ、手加減してやるから」
「んだと!俺ぁ礼儀のなってねぇ奴は女子供だろうと容赦しねぇぞ!」
「はいはい、いいからさっさとやろうぜ」
そして、俺は冒険者のおっさんと向かい合い、お互いに右手を台の上に置いて握りしめた。
「後悔するなよ嬢ちゃん」
「あんまり余裕ぶっこいてると痛い目見るぜ?」
「その綺麗な腕へし折ってやらぁ!」
そして、審判をしてくれる男が前に出てき、勝負開始の合図を出した。
『レディー、ファイッツ!』
「おらぁ!死ねぇ!」
ズドンッ
「へ?痛ってぇーー!」
「はい、俺の勝ち」
俺は開始直後に冒険者のおっさんの腕を台に叩きつけた。
「すっげー!」
「一瞬だよ一瞬!」
「あの嬢ちゃん何者だよ!」
「おめぇ…何者だ?」
「冒険者だけど?」
「おめぇみてぇなやつきぃたことねぇぞ。名前は?ランクはなんだ?」
「リデル、Dランク冒険者だ。そんなことよりお腹すいたから早く飯奢ってくれよ」
「Dランク冒険者!?そうか、リデルおめぇの事は覚えておこう。飯は好きなだけ食いな!」
「それじゃあ遠慮なく頂くとするか」
それから俺は冒険者のおっさんに奢ってもらい、お腹一杯になるまで飯を食べまくったのだった。
「おめぇ…どれだけ食うんだよ…」
「タダ飯ほど美味いものはないなぁ」
「くっそ、今日の収入が飛んじまったぜ」
「飯奢ってくれてありがとなおっさん」
「俺はおっさんじゃねぇ、Aランク冒険者のカルマンだ!覚えとけ!」
「おう、覚えとくよ。多分」
さて、飯も食べたし素材売って宿に戻るか。
翌日、俺はクエストを受けるためにギルドに向かった。
「すいません、クエスト受けたいんですけど何処に貼ってますか?」
「クエストですね、あちらに貼ってありますがここでお見せすることも出来ますよ?」
「あ、なら見せてもらっても良いですか?」
「はい、では冒険者ランクを教えてもらって良いですか?」
「Dランクです」
「Dランクですね、ではこちらのクエストが受注出来ますよ」
「ありがとうございます。えーッと、ん?これCランク以上っていうクエストがあるんですけど」
「ああ、そちらはBランク冒険者パーティの補助の依頼なんですけど、今手の空いている冒険者がいなく急いでいるらしいので、Dランク冒険者まで募集の幅を広げたんですよ」
「あ、じゃあそれでお願いします」
「良いんですか?Dランク冒険者も対象に入っているとは言え、元はCランク冒険者以上が適正のクエストですよ?」
「大丈夫です、理解は出来てますから」
「そうですか、無理だけはしないでくださいね」
そして俺はクエストを受注し、指定されたBランク冒険者のパーティが待っている場所に向かった。
「すいません、クエストを受けてきたんですけど」
「お、来たか、俺はリーダーのクラークだよろしくな。俺達はBランクパーティのフリーダムだ、君の名前とクラスとランクを教えてもらって良いか?」
「よろしくお願いします。俺の名前はリデル、クラスはグラディエーターでランクはDだ」
「やっぱりDランクしか空いてなかったかぁ」
「おい、ザムド、せっかく来てもらったのにその言い方はないだろ」
「はいはい、ゼムドはうるせぇな。でも声は可愛いから女の子かな?リデルちゃん顔見せてもらっていーい?」
「あ、すいません」
俺はフードを外し忘れていたので、急いでフードを外した。
「うっひょー!めっちゃ可愛いじゃん!」
「はしゃぎすぎだザムド、でも確かに可愛いな」
「リデルちゃんは本当にグラディエーターであってるのか?」
「はい、あってますよ」
「でも、その腰に差してるのは刀じゃないか?」
「ん?ああ、刀も使うんですよ」
「ふむ、まあいいか。今回は緊急事態以外は戦闘に参加してもらう気はないし、自衛くらいは出来るよな?」
「出来ますよ、なんならここの全員守って見せますし」
「ははっ、それは頼もしいな。そんな事態になったらよろしく頼むよ」
あ、信じて貰えてない、まあ楽できるならそれでいいけど。
「さて、早速だけど行こうか。リデルちゃんはこのナイフの投擲で敵の牽制と戦闘に使わない荷物持ちと素材の剥ぎ取りなんかを頼むよ」
うわ、結構めんどくさい仕事だった。
「はい、分かりました」
そうして、俺達はノースラナードを出発し、森林の中に入っていった。
道中フリーダムの人達の名前やクラス等を聞いたりして進んでいった。
何回か魔物に襲われたがフリーダムのメンバーは冷静に対処し、苦戦することなく目的地に向かっていった。
「そう言えば、これって何処に向かってるんですか?」
「ああ、言ってなかったか。俺達は深淵の森の少し手前に咲いているマニュラータ草と言う草を取りに行くんだ」
「深淵の森って、高難度のダンジョンじゃないですか。手前と言っても危ないんじゃ無いですか?」
「ああ、そうだな。でも、俺達は行かなくちゃならないんだ、仲間のために」
確かマニュラータ草は特殊毒を解毒するための草であったはずだ。
恐らくフリーダムのメンバーの一人が魔物か何かの特殊毒に掛かってしまっているのだろう。
だから危険な場所に急いで向かっていたのか。
「そうだったんですか」
「ああ、でももうすぐ目的地に、ん?なんだ地面が揺れてる?みんな一回止まれ」
「あ、ヤバイ。みんな後ろに飛べっ!」
その時、俺達の立っていた地面が盛り上がり、地面から何かが飛び出してきた。
飛び出してきた魔物は深淵の森の深部に生息している筈の[オブシディアンワーム]だった。
こいつは以前昇格試験に出てきたワームの最上位種で、光沢のある黒光りした体をしており、こいつの防御力は並大抵のものではない。
この前戦った悪魔のプルソンに匹敵するだろう。
「っち、なんでこいつがこんなところに」
「リデル!こいつがなにか知っているのか!?」
「ああ、一応知ってるよ。こいつは深淵の森の深部に出てくる魔物だ、フリーダムのメンバーじゃ勝つのは無理だ」
「深淵の森の深部の魔物だと!なんでこんな場所に!」
「急いで逃げろ、俺がこいつの相手を引き受ける」
俺が戦闘体勢に入ろうとしたとき、体をひょいと持ち上げられた。
「なにいってんだ!逃げるぞリデルちゃん!」
「な!?ちょ、離してくれザムド!」
「駄目だ、Dランク冒険者の君にそんなことは任せられない」
そうして俺達は逃げ出したが、オブシディアンワームは俺達の事を餌と認識し追いかけてきた。
「は、はえぇ、あいつデカイくせになんて速度だよ!」
「おい!マニュラータ草が要るんじゃ無かったのか!」
「もうダメだ、オブシディアンワームが居たんじゃマニュラータ草の採取は出来ない。それにオブシディアンワームが居なくなるのを待ってからじゃあもう間に合わないんだよ!だから!もう無理する必要は無いんだ」
「本当にそれで良いのか?」
「ああ…もう俺の目の前で仲間が危険な状態になるところは見たくないんだ!」
クラークは酷く悲痛な顔でそう叫んだ。
そのまま走り続けていると、オブシディアンワームとの距離が開き始めもう少しで逃げきれる。
しかし、オブシディアンワームは俺達を逃がすつもりはないようだった。
俺達が走る先の地面から無数のワームが這い出て、俺達の行く手を阻んだ。
「そんな…もう少しだったのに…」
そして、俺達がワーム達のせいで歩みを止めると、背後からオブシディアンワームが追い付いて来た。
「くっそ、もうダメだ…俺はなんて無力なんだ…俺が無理をしたせいでまた仲間が…」
「死なせない、言っただろ?ここにいる全員守って見せるって」
「そんなことできるわけ…」
「弐の太刀『花月』」
俺は前方から近づいて来ていた無数のワーム達を一太刀で全て切り飛ばした。
「な!?」
「安心しな、こいつを倒してマニュラータ草は絶対に手にいれるから」
俺は抜刀術用装備から二刀流用装備に換装した。
「さて、急いでるんでサクッと終わらせるか」
そして、俺は背中に携えた二本の剣を引き抜いた。
「キュィィィイイ」
奇声をあげながら突撃してくるオブシディアンワームに、俺も真っ正面から突っ込んでいった。
衝突する直前で、俺は右に旋回しながらオブシディアンワーム体表を2回切りつけた。
「キュウイヤアァァッァアアアアアア」
自慢の防御力を抜けられた事への驚きか、はたまたそれに対する怒りかは分からないが、オブシディアンワームは奇声をあげて俺の方を真っ直ぐ睨み付けた。
俺がオブシディアンワームの高い防御力を超えて攻撃を与えられるのは、右手に持っているLU《レジェンドユニーク》の剣ブラッドリベリオンのお陰である。
通常は地属性のオブシディアンワームの弱点の火属性の武器でないと殆どダメージを与えることは出来ないのだが、ブラッドリベリオンには敵の防御力を無視してダメージを与えることができると言う能力が備わっているので、どんなにオブシディアンワームの体が硬くても俺の攻撃を防ぐことは出来ない。
そして、再び突撃してくるオブシディアンワームの攻撃を躱しながら、無数にある足を切り飛ばしていき、徐々に機動力を奪っていく。
オブシディアンワームの動きが鈍くなったとき、俺はオブシディアンワームの頭の上に飛び乗った。
「二刀流単発スキル『ファストストライク』!」
「ギュイアァアアアアア」
俺の攻撃はオブシディアンワームの頭に深々と突き刺さったがまだ致命傷には到っていない。
しかし、俺の技はまだ終わっていない。
「これで終わりだ。二刀流四連撃スキル『フォースエイジ』!」
先程のファストストライクでつけた傷に、四連撃のフォースエイジを叩き込んだ。
「ギュ、ギュィイ」
最後に弱々しい声をあげた後、オブシディアンワームの頭が胴体から離れ、そのまま地面に落ちたのだった。
「す、凄い…」
「さあ、時間が無いんだろ?急いでマニュラータ草を取りに行こう」
「あ、ああ、そうだな」
俺達は急いでマニュラータ草の採取に向かった。
「あ、あった!これだ!」
「よかったな!」
「ああ!これでシラームを助けられる!」
それから俺達は急いでノースラナードに帰ったのだった。
ノースラナードに着いた後、俺はフリーダムのメンバーと別れてギルドにクエストの報告に向かった。
そして翌日、ギルドに向かう途中フリーダムのメンバーと出会ったのだった。
「リデル!君の事を探してたんだ!どうしてもまたお礼が言いたくてね」
「そうなのか。えっと、昨日居なかったそちらの人がシラームさん?」
「ああ、私がシラームだ。君のお陰で私の解毒が間に合ったらしいんだ、言わば君は命の恩人だ、本当にありがとう!」
「そうか、間に合ったなら良かったよ。でも、もう外出しても良いのか?」
「どうしても直接お礼を言いたくてね、少し医者に無理をいって出てきたんだ」
「あまり病み上がりで無理するなよ、お礼ならもうしっかり聞いたよ」
「しかし、それだけでは…」
「少し気になることが出来たからもう少しこの前街に滞在してるよ。だから何かしてくれるって言うなら元気になって飯でも奢ってくれ」
「そうか、すぐに元気になってまた会いに行くよ」
「ああ、楽しみにしてるよ」
そうして、フリーダムの人達からお礼を言われた後、俺はギルドに顔を出した。
「あれ?なんでここにあるんだ?」
すると、そこには俺が昨日倒したオブシディアンワームの頭が運び込まれていた。
気になったので近くに居た男の人に話を聞いてみた。
「あの、ここにある魔物って誰が持ってきたんですか?」
「ん?ああ、これはAランク冒険者のカルマンさんが倒して持ってきたらしいよ」
なんだと!あのおっさん人の倒した魔物を拾ってきてそれを自分の手柄にしてるのか!
昨日は急いでたからそのまま放置したからなぁ。
でも、あれ結構いい素材だから高く売れるんだよな。
「ガハハ、こいつは俺が倒した魔物だぜ。少し強かったが俺の敵じゃあ無かったな」
別に俺が回収せず放置したので他の人がそれを持っていっても運が悪かったと諦めてもいいのだが、それを自分の手柄にしているあのおっさんを見ているとなんだかムカツク!
「なあおっさん、その魔物本当におっさんが倒したのか?」
「あ?あたりめぇだろ?おめぇ俺の事うたがってんのか?」
「じゃあその魔物に傷をつけて見せてよ」
「なんでそんなことしなくちゃいけねぇんだよ」
「そいつの体表は硬くてね、おっさんの攻撃が通るとは思えないんだよ」
「んだとガキィ!ん?よく見ればおめぇ先日のリデルじゃねぇか」
「ああ、覚えてたのか。そいつは俺が昨日倒した魔物と一緒でね、もしかしたらおっさんが人の倒した魔物を持ってきたんじゃないかと思ってね」
「おっさんじゃねぇカルマンだ!この俺が人の獲物拾ってきて自慢するわきゃねぇだろ」
「じゃあそいつに傷をつけて見せてくれよ」
「いいぜ、やってやろうじゃねぇか」
カルマンは背中に背負っていた大剣を引き抜いて上段に構えた。
「ドッセイ!」
カルマンは変な掛け声とともに上段に構えた大剣をオブシディアンワームの頭に振り下ろした。
しかし、カルマンの大剣がオブシディアンワームの頭に当たると、カルマンの持っていた大剣の切っ先が折れて酒場の壁に突き刺さってしまった。
「なんだとぉ!」
「ぶはははっ、剣折れてるじゃん」
「俺の自慢の剣がぁああ」
「その魔物は拾ったおっさんの物でいいから、それでもう少しいい剣を造ってもらいな」
その後、俺は受付のお姉さんに聞きたいことがあったので話をしに行った。
「すいません、ちょっといいですか?」
「おはようございます、何か御用ですか?」
「ちょっと聞きたいことがあって」
「私が答えられることなら答えますよ」
「最近深淵の森の中でなにかあったりした?」
「いえ、あの森は立ち入る人も少ないので特にそのような情報は入ってませんね…でも先日深淵の森に入ったパーティはまだ帰ってきてませんね」
「そうですか」
「何かあったんですか?」
「昨日、深淵の森の深部に生息しているはずの魔物が深淵の森の手前で現れたので」
「…あのカルマンさんが持ってきたオブシディアンワームですか?」
「あの魔物を知ってたんですか?」
「はい、ギルドの極秘資料には深淵の森の魔物の事も少し書いてありますので」
なるほど、そんなのもあるんだ。
とりあえず、これ以上の情報は得られそうに無いので直接深淵の森に行ってみるか。
「なるほど、ありがとうございました」
「リデルさん、もしかして深淵の森にいくおつもりですか?」
「はい、そうですけど?」
「あの場所は本当に危険なんです、手前に広がる森林とは魔物の強さの次元が違うんですよ?」
「危ないからやめろと?」
「はい、その解釈で間違いないです」
「大丈夫ですよ、危なかったら逃げるくらいは出来るんで」
「一応止めはしましたからね?オブシディアンワームを倒せると言っても無茶だけはしないでくださいね」
「あれ?言いましたっけ?」
「いえ、ですが先程のカルマンさんとのやり取りも見ていましたので、それとフリーダムのメンバーからの情報も。その実力がなければ絶対にお止めするのですが、ギルドとしても原因を知りたいので無理矢理止めることはしないです」
「なるほど、まあ明日までには帰ってきますよ」
「御武運を」
そして、俺は深淵の森の調査に向かうのだった。
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