第2話プロローグ2

 ログインして直ぐにステータス等を確認し、全て初期値に戻っている悲しさを少し感じながらも、これからの楽しさを考えるとそんなものは小さな事だと考えを切り捨て、恭也はFUOのストーリーを開始した。

 俺はキャラクター´リデル´と言う名前で、見た目は長くもなく短くもないような長さの銀色の髪の毛で、顔はキリッとしたエメラルドグリーンの瞳の吊り目という感じのキャラクターだ。

 FUOは職業で取れる戦闘のスキルツリーが決まっており、例えば俺の場合βテストの時の職業はグラディエーターで、取れるスキルツリーは剣術、斧術、格闘術といった感じの物で、主に接近戦の火力特化で職業特性もそれらに応じた物が付加される。

 剣術等は片手剣、双剣、大剣、二刀流等に細かく分類されていて、一体のキャラクターで最大4つまでスキルを取得することができる。

 さらにEXスキルとしてどの職業でも取得出来る様々な種類のスキルも用意されており、スキル次第で様々な戦闘スタイルを楽しむ事が出来るようになっていた。

 俺は戦闘スタイルを変えるつもりは無く、βテストの時に取っていた二刀流、体術、EXスキルの抜刀術のスキルを取るために準備を整えながらゲームを進めていった。

 順調にFUOを進めて二週間が経った頃に、同じ狩場に一緒にいた´§ジョー§´という男と仲良くなり、それから一緒に遊ぶようになっていった。

 俺は§ジョー§と一緒にギルドを作り、一対一の勝負に俺が勝ったので、俺がマスターで§ジョー§が雑用係となった。

 尚、§ジョー§がなんでサブマスターじゃねーんだと抗議していたが、とりあえず無視しておいた。

 それからも、他の人もギルドに勧誘していきながらFUOを楽しんでいったのだった。


 そして、もうすぐ二度目の大型アップデートが来て、その時にFUOに新規ユーザーの枠も増やすと言う公式発表と共に、大型アップデート前夜に、初めてのFUO製作者主催の大会が行われるという情報を§ジョー§が興奮しながら持ってきたのだった。

 俺と§ジョー§は非公式のプレイヤーが開いた大会には殆どと言うか全く参加してこなかった。

 別に順位等にこだわりは無かったし、優勝商品も自力で手に入るような物ばかりだったからだ。

 しかし、今回に限っては俺も§ジョー§もやる気マンマンだった。

 なんと優勝商品は、FUOに一本しか存在しないオリジナル武器を自分の好きな種類を選んで貰えるというものだったのだ。

 FUOの世界には何本かのユニーク武器が存在しているらしいが、その価値は非常に高く、しかも自分の使えるユニーク武器を手に入れるのは至難の業と言われていた。

 俺はユニーク武器を1本持っているのだが、二刀流の片方しか持ってないのでなんとしても2本揃えたいと思っていた。

 大会までは一ヶ月と少しだが、俺と§ジョー§はほぼ毎日と言っていいほど戦っていて、お互いの戦い方は熟知してしまっている。

 そして、勝率は俺の方が上だった。なので§ジョー§は大会まではお互いに距離を置こうと言ってきたので俺もそれを承諾した。


 そして、俺は公式の大会まで、色々準備を整えながら他のプレイヤー主催の大会に出場しまくり対人戦闘の経験を積んでいったのだった。

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