魔王と勇者と僕
みやっち
第0話 火種
第三世界
「おい、こら!店のもん盗みやがって!!逃げんじゃねー。」
タッタッタッタッ
「おい。まてーこのクソガキ!!」
「うるせー!ばーかお前なんかに捕まるかよ!!」
タッタッタッタッ
「はぁはぁ。やっとまけたか。あのオヤジ結構しつこかったな食いもんも結構落としちまったし。」
くそ、なんでわたしら子供ばっかこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだ。この世界は腐ってる。本当に腐ってる。こんな世界ならいっそなくなってしまえばいいのに。もういっそ...。こんな世界・・・。
(この世を恨む者よ。その憎しみの力でこの世界を支配し造り変えようとは思わないか。)
「えっ!?誰だ!!どこに隠れてる!?姿を表せ!」
(君の心の中に話しかけているんだよ。もし君がこの世界を造り変えたいと願うなら力を貸そう。)
「だからお前は誰なんだ。」
(私が誰であろうと君には関係ないだろ?私は君に力を貸すだけだ。その力をどう使うかは君次第。さぁどうする?力を手に入れるのかどうか。)
この腐りきった世界を私が支配する?世界を私が造り変える。私がこの世界の支配者になれる。力さえ手に入れれば大人たちに復習して世界を造り変えて大人たちに報復できる!!それなら、それなら。
「わかったよ。私に力をくれ。」
(承知した。)
ウィーン
「うぅ...なんだ。何をした!?うわー!!」
彼女はその場から姿を消した。
第七世界
「キミ、明日から来なくていいから。ご苦労さん。」
「えっ。課長、なんでですか。私なにかしましたか。なんでそんな。急に...。会社のために尽くしたっていうのに...。」
「今日中に荷物まとめてね。はやくデスク開けて。もう用済んだから戻っていいよ。」
「は い 。」
なんで、なんで俺が会社をクビにならなきゃいけないんだ。会社のために尽くしてきたのに...
。家族になんて言ったらいいんだ。まだ娘も中学生だっていうのに・・・。
(その苦しみから解放してあげよう。)
「え?」キョロキョロ
(君がこの社会を変えるんだ。そして君がこの社会を操作し制御するのさ。)
「いきなりそんなこと言われても。第一君は誰なんだ?いったいどこから話しかけてるんだ?」
(君の心の中に語りかけているんだよ。何も心配することはない。ぼくはただ君に力を貸したいだけさ。僕は君を評価している。君は有能だ。そんな君をクビにする会社に復讐するんだよ。)
「復讐!?」
(そうだ復讐だ。会社のために働いた君は会社に捨てられたんだ。君を捨てた会社が憎いだろ?さぁ復讐するんだ。復讐してこの社会を変えるんだ。)
俺がこの社会を...。この社会を変える?そんなこと俺に出来るのか?でもこのままじゃ家には帰れないし、やるしかない。やるしかないんだ。俺にはもうこれしかない。復讐するしか、復讐するしかない。
「頼む俺に力をくれ!俺がこの社会を制御するんだ。この社会を変えるんだ。」
(その言葉が聞きたかったよ。力を貸そう。)
ウィーン
彼はその音とともに姿をくらました。
第五世界
「おい、お前さっきなんでやらなかったんだよ。」
「なんかいえよ。オラー!」ケリケリ
「やめてよ。痛いよ~。やめてよ。」
「男のくせに女っぽくてキモいのよ。」
誰か助けて!!あっ先生だ。僕は先生と目があった。でも先生は見てないふりをして行ってしまった。
(大丈夫かい?)
だ、誰?誰なの?
(僕は君を助けたいと思ってね。君はいじめられているんだろ?そして先生も見て見ぬふりだ。さぞ辛かっただろう。僕が救ってあげよう。)
僕を救ってくれるの?
(あぁ僕の言うことさえ守っていれば、きみはもういじめられなくなる。)
ほんとうに?ほんとにいじめられなくなるの?
(本当さ。まずは今そこにいるいじめっ子に足払いをかけて逃げるんだ。)
そ、そんなことしたらまた、いじめられちゃうよ。
(大丈夫。君がやったらみんな驚いて何もできない。その間に次の手を打とう。)
うん。わ、わかったよ。「えい。」ズバッ
「うわー。」ドン
タッタッタッタッ
「いってー。あいついきなりどうしたんだ?」
「あいつどこいったんだ?」
「これからどうするの?どうしたらいいの?」
(そうだね。まず、大きなアクションを起こそう。)
「そんなこと僕にはできないよ~。」
(それじゃあほかの人にバレないようにいじめっ子に復讐するんだ。)
「復讐?復讐ってしないほうが...。」
(復讐とは言っても少し脅かして君がいじめられないようにするくらいさ。大丈夫!悪いことじゃない。自分を守るために動くだけだ。心配しなくていい僕の言うことさえ聞いていれば必ずうまくいく。)
「それならやるよ。僕頑張る。」
(よしそのいきだ!)
魔王と勇者と僕 みやっち @miyacchi
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