俺の1年と、天使の3年
@maronpan-no-kesigomu
第0章 →プロローグ
彼女は変わっている。
その理由、1つ目。彼女は喋らない。
といっても、声は聞いたことがある。授業中には普通に答えるし、それに必要最低限の受け答えだってしてくれる。
が、喋らない。楽しそうに会話をしているところを見たことがない。それが、変わっていると思っている理由の1つだ。
理由、2つ目。彼女はずっとブレザーを着ている。
衣替えの季節になっても、彼女は衣替えをしない。真夏の最高気温だと言われている日でも、汗1つ見せず、涼しげな顔をしている。むしろ、そのブレザーを見ている側が暑くなっていくような気がする。
理由、3つ目。彼女に話しかけると、その後の記憶がない。
僕はこれまで彼女に2回だけ話しかけたことがある。頑なに誰とも喋ろうとしない彼女に何かを話そうとして話をかけた2回だ。確かに話したような気はするが、その内容が思い出せない。話しかける前と、話し終わった後の記憶しか覚えていないのだ。
それが、高校の中で2年間を通して、彼女と同じクラスだった僕が彼女を変わっていると思っている理由だ。
そして、高校3年目。僕はまた彼女と同じクラスになったのだった。
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