3

中学生になり、友達が増え、お互い違う部活に入り、僕達は疎遠になった。

2年生になり、クラスは同じになったがこれといった関わりもなく、進展もなかった。ただ、毎日彼女を見ることができるのはとても嬉しかった。

3年生になり、クラスは変わり、僕達はまた離れ離れになった。

そして、彼女に彼氏ができた。彼女だって人の子な訳で、至極当然なことだが、僕にとっては衝撃的だった。

それ以降、帰りがけに校門で彼氏と一緒に居る彼女を見るようになった。彼女はとても楽しそうな表情で、何よりも幸せそうだった。

しかし、長くは続かなかったようで、3ヶ月程で別れたという噂話を聞いた。それでも、別れた相手だろうと友達として接する彼女はとても眩しかった。

それからは受験シーズンに入り、学校の空気がピリつき始め、浮ついた話も聞かなくなった。

大体の人が志望校を決め、勉強に本腰を入れ始めた。僕が驚いたのが、彼女と志望校も志望学科も同じという事だ。当然ながら僕が彼女に合わせた訳ではない。逆もまた然りだ。そんな訳で僕はひっそりと運命を感じたり感じなかったりしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る