第11話 新たに集いし者
ちょっと精神的に疲れながらも登校しているとやはりというかなんというか先輩は
「我が『この世界を紡ぐのに選ばれし者が一堂に会する機関』に入ってくれるのだな」
「は、はい!」
それに勧誘されていたのは体が小さめの気弱い美少女だった。先輩の中二病に押されて入ると言ってしまったようだ。
さすがに好きな人だからといってもこのことは許してはいけない。それに恐喝のようなもので入れたと思い出したら普通モードの先輩も自分の心が痛むだろう。なのでその女の子の元へと駆け寄り声を掛ける。
「大丈夫?無理して入らなくてもいいんだよ」
「だ、大丈夫です。元々文芸部に入りたかったんです!」
どうも勘違いしていたらしい。偶然なのか先輩の目利きによるものなのか勧誘されていたこの子は文芸部に入りたかったようだ。
「俺は
「久野
久野さんはそう言いながら一生懸命頭を下げていた。
「そんなに同級生なのにかしこまらなくても」
「あ、あまり話すのはなれていなくて!」
気弱なのが災いして話すのも苦手らしい。先輩が勧誘していなければ文芸部に入れなかっただろう。文芸部で上手くやっていけるだろうか。
久野さんが去った後そんなことを思っていると若干離れてきた先輩が近寄ってきた。
「彼の者は『この世界を紡ぐのに選ばれし者が一堂に会する機関』の紙を見て悩んでいるとパラドックスが傍受して我に情報を捧げてくれたからな。勧誘してみたのだ」
「後、何人入れるんですか?」
「3人だ」
さすがに3人を中二病な発言にするのは無理らしいな。あと3人なんて余裕そうだ。中二病の人も来るだろうし。
「放課後入部届け書きますから」
「用意して待っていよう」
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