第20話 自己紹介
「ひゃぁ!!」
それが日高さんの第一声だった。確かに小心者である日高さんからしてみたらこの沢山の人に囲まれているという状況は、涙目になって驚くのは当たり前だろう。
また貧血にならないか、と心配したがどうやら杞憂だったらしい。また気を失うようなことは無かった。
みんなもまた気絶させてしまうと気づいたのかそそくさと離れていく。日高さんとは細心の注意を持って付き合っていかなければいけないようだ。学校では大丈夫なのだろうか。
日高さんはしっかり保健室の人にお礼を言えているので一対多数だと無理なだけか。だったら問題なく学校生活を送れているはずだ。
少しほっとしながら中二部の面々と一緒に部室に戻った。
部室に戻ると床に書かれている魔方陣の中で女性が一人、座禅を組んでいた。どうも瞑想をしているらしく手を組んでいる。完全に中二病だな。俺は頭に思わず手を当てながらそう思う。
一方、先輩は普通に話しかけようとした。
「花澤s」
「私の後に立つな!」
その女性は手を広げ先輩に向かって突き出した。どこのゴル○13だよ。
「危ない。うっかり魔法を使うところだった」
「花澤さん、とりあえず全員揃ったと思うから自己紹介をしたいんです。机に座って貰っていいですか?」
「うん、わかった」
どうも普段は物静かな人らしい。最低限、必要なことしか喋らないようだ。中二病にも色々な種類があるな。
「一年生のみんなも適当な場所にすわってくれる?」
そういう先輩に従い、魔方陣を避けるようにコの字に配置されたデスクに座る。みんなが座った所で先輩はパンと手を叩き「注目!」と言い意識を集める。そして話し始めた。
「これから私から右回りに自己紹介していきたいと思います」
「では、私から。私は
それはそうとして
だが、夕日が注いでも先輩の優しさを感じさせる物腰は変わらない。緑色の服が似合いそうなことはかわらなかった。次はま、ま....先輩だ。やっぱり影が薄いのかもしれない。
「
ずいぶんと素っ気無い感じの挨拶だな。藤田先輩。黒髪中肉中背と体型は平凡だが、イケメンなのに....もっとフレンドリーに接すれば後輩から人気がでるだろう。
「
元気そうに神埼さんはそう言った。いや、お前自体が問題になるというツッコミをしたかったが自重した。
やっぱり美人と言うか美少女である。背は普通より小さく、あまり抵抗の受けそうなフォルムをしていないが、すごい変人だが。次は俺の番か。
「
中二部は美少女、イケメンの巣窟でもあるんだなーと周りを見渡して思った。俺は凡庸な容姿をしているけどな。
「
近衛さんは洗練された美しさというのがあるよな。一般の人に比べて抵抗を受けなさそうではあるけど神埼さんと違って背が高く、足が長い。だから美しいのだろう。
「よ、よろしくお願いしましゅッ!
明らかにさっきよりも酷くなってるな。人数が増えたからだろうか。
日高さんはいわゆるロリ巨乳という奴である。小さいからか、童顔だからか、とても庇護欲がそそられる。
だけどもつい、視線は胸にいってしまうのは男子共通だろう。最後はあの先輩か。
「私は
さっきは某ゴル○13みたいなことをしていた花澤先輩だが、左目に青色のカラコンをしている以外は普通の美少女だ。茶髪美少女である。
「では、自己紹介が終了したところで。部活を始めましょうか」
そこでキーンコンカーンコン、無常にも部活動の終わりを告げるチャイムが鳴った。
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