第20話 科学と異科学

「酔ったわ」

「お前、実はバカなんだろ」

 扉の前に到着するなり苗加のこの一言。

 もう半年以上この仕事やってるんですよね?

 苗加はついこの前も聞いたようなセリフを吐きながら、セリフ以外も吐きそうになっている。

 既視感を感じながら俺は、これぞまさにバカの一つ覚えの典型例だなと思う。

 その背中をさすってやろうか迷ったが、苗加の今までの言動を思い返すとこの厚意さえ後々俺にとってマイナスになりそうな気がしてやめた。いや、実際恥ずかしいだけ。すまんな……。

 体調崩してる女の子の介抱すら恥ずかしくてできない自分に少し嫌気が差す。これだからシャイボーイは。

 後ろめたさを感じながらチラッと苗加に目をやる。

「さあ、この先が……いせか……うえええええぇ……。つ、疲れているでしょう? 少し休みましょううえぇぇ……」

「もはや尊敬に値する意地の張り方だな。というかお前、さっきまで『運び屋は時間が命(キリッ』とか言ってただろうが」

「そんなもの、今日のバイト代で買うわ……。時は金なり……。うえええええぇ……」

「安いな運び屋の命。言ってること無茶苦茶すぎるだろ」

 今日の仕事の意味は? 収入ゼロかよ。

 その後、結局俺たちはドアの前で二十分くらい立ち往生した。

 周りはやけに静かで奇妙さすら感じる。見れば見るほど何もないところだ。

 本当に何もない。どこまでも続く地面のその先を見て思う。

 マジモノの地平線って、もしかして見るの初めてかもしれないな。

 俺たちの世界にも、こんなところがあるのかな。

 そんなことを考えていると、

「行きましょう。遅れてしまうわ」

と調子を取り戻した苗加が、これまたいつもの調子で言う。

 いや、少しは申し訳ない調子で言えよ。

「まったく困ったものね。遅れたらシャレにならないわよ」

 何に怒ってるんだこいつ。完全に自己責任だろ。

「あーはいはい……。そうっすね、ごめんなさいね」

「許さない」

 理不尽な謝罪にも理不尽に応じるウルトラ理不尽な苗加羽込である。

 遅れの原因は全面的にお前だ。

「んじゃ、開けていいんだよな?」

 苗加よりドアに近い位置に立っていた俺はドアノブに手をかけて尋ねた。

「ええ、お願いするわ」

 苗加が返す。

 それを受けて、俺はドアを引いた。

「ん? 開かないぞ? 鍵とか合言葉とかが必要なのか?」

 なんか呪文の詠唱とかするのかな。

「ああ、それは押し戸よ」

「恥ずかしいっ!」

 全然普通の理由だった。一瞬ファンタジックな図を思い浮かべてしまった自分を呪いたい。

 言われたとおり押してみると、ガチャっと普通のものと同じ音で開かれるドア。

 平静を装ってはいたものの、俺の心中は穏やかではなかった。

 この先に衝撃的な景色があることは何となく予想できたからだ。

 だから今回は、拍子抜けしてしまった。

 いや、違う。

 想像していたものとの方向性のギャップに、やはり驚いてしまった。

 そこにあったのは、そこにあった世界は。


 俺たちの生活している世界と一見何ら違いのないものだったからである。


「……」

「どうかした?」

 戦慄する俺に疑問符を投げかける苗加。

 心配そうな表情を見て、自分が相当なマヌケな顔していることに気づき、正す。

「ここ……本当に異世界なのか? なんか似てるというか、ほぼ同じというか……」

「うーん。まあ、そのうち分かるわ」

 苗加は説明が面倒なのか、伸びをしながら俺の言葉を流す。

 こっちとしては早く自分が置かれた立場を知りたいんだが、まあ急かしても仕方がないだろう。

「あ、いたいた。はこみーん」

 ふと、聞き慣れない声を耳にする。はこみん?

 声のした方に目をやると、苗加の向いている方向から駆け寄ってくる人影が一つ。い、異世界人か?

 俺は身構える。あれ、でも今日本語じゃありませんでした?

 形も人間のそれだ。なんだ、全っ然普通じゃーん。

 ただこの人影、何か変だぞ。

 「あら、ちょうど一発でここが異世界だと認識させるのにわかり易い例が来たみたいね」

 苗加のその一言を聞いて、俺は目を凝らす。

 徐々に近づくその影を見るとだんだんと脳内でパースが整い、遠近が正しく認識される。

「……ヴェッ!?」

 驚きで思わず変な声を上げてしまう。

「と、飛んでる……!?」

「わかりやすく異世界でしょう?」

 マジかよマジかよ。

 柄にもなく高揚する。だって、飛行とか浮遊ってロマンじゃん! それこそあの漫画の世界だよ?

 みんなだって舞空術の練習とかしたことあるよね? ね?

 ……ね?(泣)

「はこみんはこみんはこみーん!」

 連呼しながら近づいてくる。テンション高ぇな。某氏の母に近いものを感じるね。あれ、寒気が。

「は・こ・みん♪」

 いち・に・さんのテンポでケンケンパで苗加の前にフワッと着地する。

「いやー、今日も周りと一風違うオーラを醸してるねー! 遠くからでもすぐわかる! さすが魔女さん! うん、さすがだよっ!」

 どちらかと言うと、周りと違うのはあんただ。俺がなぜそう思ったのか、由来は後ほど。

 というか、魔女さん?

 さすがに初対面の空いてにツッコミを入れるわけにもいかず、俺は立ちすくむ。

「ともあれ久しぶり、はこみーん!」

「ええそうね。徳井とくい諌紀いさきさん」

「もー、そんな形式的な呼び方しないでよー、同い年でしょー。遠慮しないで、サキサキって呼んで☆」

 うっわ。なんというか、うっわ。

 てか、名前。普通に日本人じゃん。

「取引相手の名前の確認も兼ねてるから」

「もう何回もやってるじゃーん」

「決まりなので」

「ううー」

 さて、語り部として彼女、徳井諫紀と呼ばれた少女の容姿について述べよう。不本意ながら。

 ……嫌だなぁ。

 髪はツイーンテール。ウサギっぽいやつ。多分ラビットスタイルというやつで、頭の上に大きく弧を描いている。

 身長は苗加よりやや低め。ここまでは、まだいい。割りかし普通寄りの女の子だ。

 さて、特筆すべきはここから。服装だ。うさぎ型ツインテールを縛るのは大きめの赤いリボン。

 フリフリのついたピンクのスカート。二の腕まである長い手袋。

 要約すると、魔法少女のコスプレっぽい感じだった。いや、体型に関してはもはや天性的なものだけどさ。

「こっちの世界では、こういう服が普通なのか?」

 俺は苗加に問う。

「いいえ……彼女の趣味よ」

 うげー、といった様子で苗加が返す。

「えっへへー」

 徳井さんは得意気になりながら宙返り。

「ま、魔法……?」

 目の前で起こっているあり得ない光景に、俺は真っ先に浮かんだその言葉を口にした。そんな姿でクルッと回られたら、だれだってそう思う。

でも、彼女が口にしたのはあまりにも無機質で現実的な回答だった。

「違うよー……。これは科学だよー!」

「って、彼女の世界の人たちは言うんだけどね……」

 んなわけあるかその服装で何言ってんだアホかどう見たって奇跡も魔法もあるんだよ的状況じゃねーか。

「簡単に説明するわ。確かに彼女の言う通り、これは彼女の世界の科学技術によって成し得る業よ。でも、型が私たちの世界のそれとは全く違うのよ。だから私は便宜上『異科学』と読んでいるわ。まあ、私たちにとっては魔法みたいなものよね」

 おお、なんか格好良い。ミラーワールドとかパラレルワールド的な世界なのか?

 既成の概念の枠から外れたトンデモ科学。見たことのない未知の技術。ありえない現象。

 あり得ないもの。無いはずのもの。しかしそれは、厳然としてここにあった。人間の体の飛行という形で眼前で繰り広げられていた。

 そんな技術があるなら、今まで想像もつかなかったものも生み出すことができるのではないだろうか。

 そして俺は、それに心当たりがある。

「おい、もしかしてリーダーって」

「いいえ、あれは紛れも無く科学。私たちの世界の技術よ」

 俺が質問を口にする前にその内容に察しがついたのか、苗加はその思い違いをすぐさま取り払った。

「うーん、違いが分からん……」

「私たちの世界の科学だって、開発者の努力さえあれば十分とんでもないものになり得るということよ」

 アレもどう見ても魔法に近いんだけどなぁ……。

 まあ、よくよく考えればテレビとかもどんな仕組みで動いてるのか、どういう過程で生み出されたのか分かんねーし、十分とんでもないものではあるんだよな。

「とにかくね、いくつかある異世界の作りは基本的に私たちが住んでいる世界と同じものなの。でも唯一違うことがある。それがまさにこれ。科学技術の型よ。それによって生活様式とかにも若干の誤差があったりするみたい」

「うーん」

「まだ納得いかないって顔ね」

 そりゃそうだ。全てのことにうんうんと頷き鵜呑みにできるほど、俺の頭だってそんな簡単にできてない。できてないはずだよね? できてないといいなぁ。

「科学技術の型が違うってのは分かったんだけどさ、明らかに徳井さんの世界の技術のほうが発達してるじゃん? それってどうなんだ? 俺たちの世界の科学より優れてるってことなのか?」

「優れているところも劣っているところもある。でもそうね、私たちの世界の科学は彼女の世界のものと比べて進んでいないと、私個人としては思っているわ。型によって発達しやすい分野、しにくい分野がある。そしてそれを開発する者の能力と努力。そういうのが総合的に合わさって、今の各世界の科学技術というものがあるの」

 怠惰な奴が少ない世界ほど報われるってことなのかね……。働いたら負けとか言ってる奴が偏在する俺たちの世界。科学が遅れてるのもなんか納得かも。

 その件については納得したが、疑問はまだまだある。

「世界間で技術を共有しちゃダメなのかよ?」

「それは絶対ダメ、全世界でタブーよ」

「理由は?」

「難しい話になるけどいい?」

「ダメ」

 コレは配慮だからね? 良い子のみんなを混乱させないための配慮。

 ゴメン嘘。清水飛沫はバカなのである。難しい話は無理無理無理。

 というわけで、この話おーわり! はい、ちゅんちゅん。

「自分の理解が及ばなさそうな領域になると『小さいことは気にするな』に思考がシフトチェンジするあたり、あなたらしいわ」

「うるせぇ」

 とっさに思いつく疑問が尽きたところで、ブォオオオンと音を立てて上を何かが通過した。

「な、何だ?」

 条件反射的に空を仰ぐと、よく見たらすごい数のヘリが飛び交っている。困惑だ。

 そんな俺の様子を察したのか苗加が口を開いた。

「航空輸送が一番早いのよ。平面で限られた経路しか使えない路上より、空間でコースにいくらでも選択肢のある空中のほうがより多くの輸送機を使える。立体交差が無数に可能ということね。目的地が一箇所の場合は船とかのほうが大量に輸送できていいけど、ここはそうじゃないことが多いから」

「なるほどねー……」

 アメリカかどこかでも通販でドローン輸送が試験投入されたって聞いたし、その進化系って感じなのかな。それにしても、ボディが変わったデザインだな。空気抵抗を少なくするための流線型の基本的な形に変わりはないが、ところどころが鋭角的で刺々しい。雫型を縦半分に割り左右に違う色を用いた、特徴的なロゴが目立っている。

「で、何なんだここは」

「ここはあらゆる世界の流通の中心、ディストルよ」

 ん、なんか聞いたことあるような……。

「えっと……流通は英語で……」

 言って気づく。墓穴ほったかも。

Distributionディストリビューションね」

 あ! 思い出した! 聞き覚えがあると思ったら中学の時ディストリブティオンて読んでクラス中で爆笑が起こったあれだ!

 やめてあげて、これ以上俺のバカが露呈すると泣いちゃう!

 というかさっき、あらゆる世界って言った? 異世界って一つじゃないのだろうか。まあ俺の知ったことじゃないけどな。

 それより今は、もっと気になることがある。

「この世界の言語といい、名前といい、何だか俺たちの世界が基盤な気がするんだが……」

「その辺はよく分かってないのよね。いつできたとか、過去がどうだとか、その辺りは完全にブラックボックスなのよ。まあもしかしたら昔から私たちの世界と何か関わりを持っていたのかもしれないわね」

 分かってないのかよ……。なんか思ったより雑だな。

「もしくは逆ということも考えられるわね。こっちの世界が基板になってて、私たちの世界がそれに対応しているという説。とにかく、起源なんてどの世界も曖昧なものなのよ。私たちの世界だって、過去をたどればどうやってできたかなんて明確じゃないでしょう? ちなみに私たちの世界のことを、ほかの世界の人は『アオ』とか『アオの世界』と呼んでいるわ。由来は不明よ」

「なるほどな……」

 なるほどわからんのなるほどだけどね。

 さて、この世界について長々と話してきたけれど、忘れてる気がする。まあいいか。大したことじゃないだろう。

「ちょっと、アタシのこと無視しないでよー、はこみーん」

「二人の容態、どうかしらね」

「ああ、気になるな」

「あっれれー、見えてないのかなー」

「意識を取り戻しているといいのだけれど」

「心配だな」

「ちょっとー、冗談だよねー? このこのー」

「さて、この世界についての説明も済んだことだし」

「ああ、そうだな」

「おおっ、ついにアタシの番だね? まったくー、早くアタシとお話したいくせにー」

「帰りましょうか」「帰ろうか」

「ちょっと!? 一つ大事なイベントが省かれてるね!? なかったコトにして進めようとしてるね!!?」

「……」「……」

「君たち仲いいね!?」

 何だろう、自然と息が合ってしまった。

「付け加えると、異世界の人間を私たちは視認できないわ」

「そうなのかー」

「さっき普通に見えてたよね!? 完全に後付け設定だね!?」

 ふう、と一息つくと、苗加がめんどくさそうに徳井さんの方を向き直す。

「冗談はさておき、今回依頼される荷物は?」

「これこれー」

 じゃじゃーんと、徳井さんは小包を取り出す。

 苗加はその小包と交換するように領収書らしき紙を手渡すと、

「了解しました。じゃあこれにサインを」

と言いながら、トランクを開き受け取ったそれを積み込んだ。

「はいはいー。お願いしますね、配達の魔女さん♪」

「やめてほしいんだけど。その呼び方」

 苗加は徳井さんに向かって不満をぶつけている。俺はそのやりとりの意味がよく分からず、疑問を投げかける。

「さっきから気になってたけど、何なんだ『配達の魔女』って。なんか某アニメ映画のタイトルみたいなワードだけど」

「はこみんの異名、通り名だよー。カッコいいよねー。ほんとすごいんだよー。配達成功率百パーセント! ちょっと高額だけど、はこみんに任せれば安心! 高い、うまい、早い! お父さんもさぞお喜びになっていることでしょー」

「……そうね」

 何だ? 今一瞬言い淀んだような……?

「でも、あなたは女の子。そのことだけは忘れちゃだめだと思うよー」

「ええ。心遣いは感謝するわ。それで」

「もー分かってるわよー。心遣いじゃご飯は食べられないものねー」

 そう言ってかばんをゴソゴソ漁ると、

「はい。じゃあお願いねー」

と封筒を差し出した。

 苗加はその中身を確認している。

 その封筒の分厚さを見て、俺は無意識に「うわっ」と声を上げてしまっていた。

 徳井さんが怪訝そうな顔をこちらに向けるとすぐに「あぁ」と納得したような表情になって

「そういえばさっきから隣にいる君は見ない顔だね! もしかしてこういうのを見たのは初めてかな?」

と尋ねてきた。

「だって高校生っすよ? あんなの見る機会なかなか無いって」

「うんうん、思春期だもんねー」

 なんだ? 微妙に会話が噛み合ってない。

「あの封筒の中身って……」

「え? 君が喜びそうなものだけど?」

「間違ってないけど違う! 気がする!」

 俺が見たのは高校生がお目にかかることなどめったにないであろう大金だった。

 そしてこの人が俺に連想させたものは高校生男子がめったにお目にかからないであろう何か……だった。

「あははー。冗談よ、冗談。こうやってはこみんにはそっちの世界への密輸をお願いしてるのよー」

「あーなるほど」

 ん? 今聞き捨てならない単語が混じってなかったか?

「って…………密輸!?」

「そう、密輸。隠密な輸送。ワカリマスカ?」

 何で突然異世界の言語が通じないみたいな設定持ち込んでんだよ。さっきまで普通に日本語喋ってただろうが。

「だから今みたいに依頼主であるアタシみたいな人が直接メールでお仕事を依頼して、荷物と一緒に依頼料と領収書のやり取りをするのよー」

「何のために?」

「理由は様々だけど、アタシの場合は見返りが大きいからかなー」

「見返り?」

「そうそう。転売って言えば分かりやすいかな。このワードだとちょっと悪い印象与えちゃうかもだけど、運んでもらったものを店頭で売ってもらって、その収益の一部を貰ってるのよー」

「うわ、結構黒いことしてんすね」

「さっきはこみんから異世界への技術の輸出はタブーって聞いたよね? もちろんこれも原則ではアウトなんだけど……、でもいいの。アタシには禁忌を犯してでも返さなくちゃならないものがあるから」

「へ、へえー……」

 そう空返事をした瞬間、徳井さんは俺に急接近、急に小声になって耳打ちするようにこう言った。

「はこみんも何か理由があってこの仕事をしているんだと思うよ?」

 苗加が? 科学技術の共有がタブーだと聞いた時に感じた妙な違和感はこれか。確かに考えてみれば、そのタブーなことを苗加は仕事にしているということだ。理由もなくそんなことをするはずはない。

「何をしているのかしら」

「うわぁ!」

 近い距離の俺たち二人の間からヌッと顔を出す苗加。こえーよ!

「えへへー、しゃべり過ぎちゃったかなー。まあとにかく、取引はこういう感じで行われていくわけです!」

「そういうこと。じゃ、帰るわよ清水くん。可及的速やかに」

 しばらく書類に目を通し記入ミス等がないかの確認をしていた苗加が、それを終え帰宅を諭す。

「来る時もそうだったけど、お前なんでそんなに時間気にしてんだよ」

「来るからよ」

「来る? 何が?」

「追っ手」

 ……え?

「追っ手が来るの。建前上はこの世界を取り締まっている警察。実際は違うのだけど、とにかく、捕まったら簡単には戻れなくなるわよ」

 さてさて、どうやら俺はこの世界の景観に惑わされていたようです。

 異世界への警戒度を無意識に下げていたみたいです。

 見た目はそっくりとはいえ、ここは違うのだ。俺たちのよく知っているところとは。

 そうだよ。これはただ事じゃないんだよ。ここは人が飛ぶような世界なんだよ。

 そして俺が立ち会っているのはそんな異世界に来てまで、世界を跨いでまで行う取引だ。

 その取引で受け取った荷物を運ぶ仕事が、ただの配達業なわけがなかった。

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