HimmelLuftlia

櫻よしな

序章 ープロローグー

2030年ーーーーーー

地球温暖化、エルニーニョ現象、街は刻々と退廃化して行き、

やがて砂漠化となっていた。

周りは灰の匂いで息をするのも難しい

呑噬され、荒蕪地化した街中は白煙や黒煙で覆っており、

人を探すのも一苦労の中、周囲は新築だったであろうビルは

跡形もなく尖った形で、蔦や枝木で覆われており、

どこの街も建物が既に壊れていて崖崩れの状態となっていた。

跡形もなく、自分の住む街ももはやどこにもない。

目の前に綺麗なガラスは埃で被さっており、手袋の状態でガラスを拾い、

人差し指でふきながら友に声をかける。

「なぁ? 俺たちいつまでこんな事してないといけないんだ?」

須藤要は

一緒の隊である隣人に呆れた口調で話しかける。

指揮下の命令で移動し、武器や銃、装備などが入っている重荷のあるバッグを

背負い荒れ果てたビルの頂上に風の当たる場所で身を潜めながら指示を

待っているのは退屈だった。常にマスクをしている事すら息苦しく

司令兼こと御令嬢であるファルリア城から出て、腕時計を確認するともう24時間も経っていた。

「さあな」

時間は刻々と過ぎていく。待機している状態が疲れたのもあって呆けた声だった

ビル直上の屋上からスコープ越しで真下を見、凝視した。

視察している人影が徐々に寄ってくるのが見えた。

ミリア司令官やアドロア少佐の話を聞いて来るはずがないと思っていた。

こんな、もう誰も住んでいない薄汚れた街で

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