090_1360 常人以上超人未満たちの見事で無様な生き様ⅩⅦ ~見捨てられた子のように~
《
「《ヘーゼルナッツ》への侵入者……勢力図的には、お前の仲間と思うでありますが? まだ脱出を確認していないでありますよ」
《ピクシィ》を操り、《
具体的には不明な、アメリカ軍の特殊部隊に潜入されて、支配権を奪われつつある《ヘーゼルナッツ》だが、まだ野依崎の制御は効く。
《
「味方? 誰が?」
《
攻撃に容赦はなくとも、敵の攻撃能力を奪うだけで、命を守る戦い方を見せていたのだから。いずれこうなることは予想の範囲内ではある。
とはいえ、防御戦闘が精一杯になってしまったのは辛い。
『Warning to trespassers on 《Hazelnut》. The ship is under attack. High chance of being shot down. (《ヘーゼルナッツ》への侵入者に警告。本艦は攻撃を受けている。撃墜の可能性高し。早急に脱出されたし)』
戦いながらも野依崎は、無線で艦内放送を発信する。
彼らの立場にしてみれば、裏切り者である野依崎の言葉など信用できるか非常に怪しい。素直に従う可能性は限りなく低いが、見殺しよりは心情的にマシと。
もっとも、彼らが自力で脱出できるのか、野依崎にはわからない。
世界に一隻しかない実験機の《ヘーゼルナッツ》には、脱出装置などない。載せても中途半端で不備があるため、乗り込むのは基本 《
艦内カメラの映像で確かめても、現在侵入中の強襲部隊に《
乗り込む際に使われたヘリは、近距離で行われる《
内部の特殊部隊員は、脱出の
(この戦いで犠牲者を出すわけにはいかないでありますからね……)
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