2話

世界がパンデミックに陥っている

日本の片田舎の私の生活圏にもそれは忍び寄り、休業できない職種のお店にはビニールカーテンが吊り下がり必死で働く人を儚く護っている。

自粛、不要不急。

そうやっても人間は愚かなもので、誰かとつながりたい、誰かの顔がみたいと「なるべくいつもと変わらない場所へ」いきたくなるのだろう。

不安に襲われるとむしろそれを見ないようにして「気付かぬふりをすれば自分だけは見逃されるかもしれない」と思うのかもしれない。

だが、ウイルスには意思も慈悲もない。

増殖し寄生しただただ他者を乗り物にして新たな乗り物を得て、どこまでもいけるところまで拡大するためだけに在るものだ。


頑張っている人も、そうでもない人も、お金持ちでも貧乏な人でも、ウイルスは差別しない。

ならばどうやってこれと対峙するか?

それは、人が孤独に慣れることだ。


言葉は、身体に触れなくても誰かと出逢わなくても、自分の中から溢れてくる。

自分と対話し、時にSNSで呟き、精神だけの繋がりで満足できるように慣れればいい。


人間は沢山いるのだ、別に今は他人と会わなくてもみんな独りではない。


それぞれが、みんなどこにいても独りではない。


今は少しでも孤独に慣れ、独りでも孤独ではない世界に慣れるのがいいのではないだろうかと思っている。


沢山の人が頑張っているのだから、必ず世界は勝てる。

今は窓から空をみよう

今は遠くの緑を眺めよう

目を閉じて音を聴こう


部屋にひとりでいても、世界には沢山の人がいる。

その沢山の人とまたこれから出逢うために、

今はひとりでいようと思う。


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