シンバツピリオド.

楓馬知

第1章

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 空から涙が降ってくる。

 どこまでも白く、この世のどんなものよりも冷たい、儚い涙。

 それは、誰の涙だろうか。

 今まで戦い続けて死んできた子どもたちが流した、無念の涙だろうか。

 こんな無様な姿をさらし、親不孝な馬鹿息子の俺を見た母さんが流した、嘆きの涙だろうか。

 あれほど息巻いていたくせになぜ助けてくれなかったのかと、俺を責めるあいつが流した、慟哭の涙だろうか。

 それとも――

 全ての元凶である神を目の前に敗れ死んでいく俺を、天が泣き笑いをしているのだろうか。

 本当に、後悔で一杯だった。

 俺は結局、世界で誰よりも助けたかった女の子を助けることもできず、目の前にいる神に殺される。

 これから、俺は死ぬ。


 それはもう――


 変えようもない――


 現実だった。

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