Novyi Mir《新世界へ》
sh1126
旧世界 《Great Old》
始章 《出逢いまで》
ゴトン…ゴトン…
とても薄暗い…揺れる
「ん?おう、目が覚めたかボウズ」
ここは…どこだ?
「ここかぁ、どこだろうな?ていうか奴隷運搬の馬車に決まってるだろ。つか、お前!なーに、呑気になってんだよ。おまえ名は?ん?俺はイリテム、で、おまえは?」
…
「何だよ!だんまりかよ!けっ、つまんねーな。目が他の…ほら、そこらにいるクソ野郎どもみたいに死んでねーから ちったーマシな奴かと思ったのによ。話して損したぜ。なんか言えよ。テメェはよ」
違う、わからないんだ…名前も、言葉の発し方も…
「おいおい、なんだそれ?おまえ今までどんな暮らし方をしてたんだよ。そんな奴聞いたことねーぞ!つか、あれ?お前言葉の発し方を知らんてことは喋れんことだよな?なんで俺はおまえの言葉が…つか考えがわかるんだ?ん、その胸の陣か、なるほどなぁ~世の中便利になったもんだ。おっさん感心だぜ」
…わからない…わからないんだ…気がついたら、暗い、湿った部屋にいた、夜の度にいろんな人に殴られ蹴られ刺され燃やされ沈めら犯された…だがある時検査と言われて水晶に触た。そしたら水晶が何の反応を示さなかった…外に出されて、戻ろうとしたら魔法で攻撃されて気がついたらここに…
「なるほどな…何故か家から冷遇され、使い道がねぇから、ポイッてな感じかぁ。まぁ、元気出せや!俺に任せろ!俺は奴隷と自由をそれぞれ4回体験してる。何故かって、俺を売ろうとするとき檻から出すんだよ。その時に客も売人も全員ぶち殺すんだよ。やつら皆金持ちだからな。たんまりっと金を戴くってな。大事なのは全員ぶち殺すことだ」
イリテㇺはいい笑顔を僕にむけながらこう言った。
「安心しろ!その時はお前を殺さずに連れてってやるよ」
それはなかった、そんなことは起こらなかった。何故なら誰も僕に対する彼等の憎しみを理解しなかったからだ。まぁ、只の奴隷と棄てられた少年が知るには自分のことを何も知らなかったが…
ある夜…、
「おい!起きろ!クソっ!盗賊だ!襲ってきたぞ…しかも火をつけやがった。」
周辺で悲鳴が、怒号が響く
「なんだ、コイツら!只の盗賊じゃねぇ!たっ、助けっ!」
「うわぁ、まっ魔法使いやがる!無理だ!逃げろぉ!」
「おい!お前ら商品を守れ!!!高い金を払ってんだぞ!」
「そんなもん無理だ!俺はこんなとこで死んでたまるかぁ!」
一方中では…
「マジなぁ~、マジでマジなぁ~ありゃ盗賊じゃねぇ。ありゃとある貴族の使いだな。昔俺もやってたんだぜ。俺もここまでかぁ。か~チックショー、ここまでかぁ~、クッソタッレ!じゃあな、ボウズ。たっしゃでな。」
その後彼は火のなかに消えた
そして自分は今黒装束の人たちに囲まれている
「ターゲット発見しました。今から処分を行う。」
その時、美しくて機械的な声が聞こえた
「待ちなさい」
黒装束が左右に分かれ、それらの間から一人の女が出てきた。それは一言で現すと神が創りたもうた人形だった。顔は不自然なくらい美しい、まるで人工美を結集させた顔である。そのためか、それとも冷たいを通り越して何も映さない目のためか、女としての魅力は一切感じない女だ。だからこそ見覚えがある
…シュルヴィア
「はい、あなたの忠実なメイドのシュルヴィアです。お久しぶりです。ご機嫌はいかかがですか、お坊ちゃま」
いつも通りのあいさつを終えて続ける
「申し訳ございませんが、お坊ちゃまには今から死んでもらいます。主家の名誉のために…そして私のために…ご安心をその後は私めがしっかりとご面倒をみさせてもらいます。永遠に、そう永遠に…」
その時、この場にふさわしくない声が響いた。その声は男にも、女にもそのどちらにも、老人にも、若者にも、子供にも、聞こえる不思議な声だった。そしてそれらが一斉に同じ言葉を発してるようにも聞こえる
「ちょ~!何これ、あたしの商品が燃えてるんじゃン!奴隷全滅してね。前払いした金も燃えてるし…あっ!糞オーナーも死んでる~。おっ!お前らがこれをやったのか!あんたらこの落とし前どうしてくれるの!あたしの損失どう補てんしてくれるの!あっ!」
とにかくその謎の人は物凄くブチギレてるのは確かだ
皆が警戒態勢に入る
「何者だ!」
その時不思議な人が現れた。長さが地に届くか届かないかの長さまで伸ばした白髪を持つ女のも男にも老人にも若者にも見え、背は高いので子供ではないのは確かだが…顔を見ると子供にも見えなくもない。なぜかよくわからない。頭に残らない顔だった。
その人は恐ろしい笑みをうかべたまま
「あたしのことはどうでもいいんだよ!なんで人が買ったものを人の許可を得ずにぶち殺し、揚句に燃やしてるんことを聞いてるんだよ!クソボケがぁぁぁぁぁぁ!、ああん」
「シュルヴィア様、いかがなさいますか」
シュルヴィアは冷たく
「殺せ」
「「「「「御意」」」」」
「あーあ。めんどくっせ、しゃーねーな。とにかく全員ぶち殺すか。いや殺させろ!おっ!一人商品が生きてるんじゃン!よっしゃ!ラッキー。よかったな!お前ら一人だけ生かしてやる。そこのすかした顔のネーちゃん、お前にするぜェ!」
一対多勢、普通は勝負が見えてる。だが普通ではなかったら?そうまさに今は普通ではない…一瞬、ほんとに一瞬に黒装束全員血となって消えた。
これには普段冷静沈着のシュルヴィアも我を忘れてつぶやく
「何をした…何をしたんだ貴様ァ!」
謎の人は肩をすくめて…どうやら怒りは収まったようだ
「何も、ただこんな感じに剣を振るっただけだぜェ」
その間にシュルヴィァの腕が、脚が、胴体が、首が舞う。
その人は楽しそうに
「やはり、お前は死ねないのか、うん予想通りだ、約束はまもったぜェ」
シュルヴィアは目を真っ赤にさせて
「クソォ」
その人はとにかく楽しそうに
「誰の差し金だ?うん、予想はできたから言わなくてもいいぜ。ディーヤ家とルベイ家あたりだろう。さっさと体を治せ!そして伝えろ、売人メラが攻めに来るとな」
これが自分が、僕が最初に聞いたメラの会話であった
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