カラスの中身ができるまで

「この状況で赤ん坊にできてカラスに出来ない事、か……」

 カラスに無いのは手、しかし赤ん坊も手を器用には動かせない。

 足も同様。まだ座る事も話す事も出来ないからどちらも不可能。

 ならば何があるか……

 そういえば臓器のコピーは遅れると言っていたな。

 俺は考えている二人に提案する。

「病院でレントゲンを撮って貰えばいいんじゃないか?」

 女性の顔が明るくなったが、ひとねは首を横に振った。

「いい提案だ。しかしそれは無理だね」

「どういう事だ?」

「ここからレントゲンの撮れそうな病院までどれくらいかかる?」

「えっと……数時間ほどですね。小さな病院はあるんですけど」

「数時間も立ってしまえば中身は完成する。機能は鈍いが赤ちゃんと比べてしまえば分からないだろう」

「そうか……」

 俺のレントゲン案は却下されてしまった。

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