甘くない警告

 吸血鬼事件解決後も幾つかの事件が舞い込んだがひとねが苦戦する事は無かった。

「君はいつまでここに通うんだい?」

「嫌か?」

「嫌では無いが……君がいると私はおかしくなる」

「おかしく?」

 ひとねは溜息をついて

「昔の私なら思ったより美味しいからといって最低限以上の食事をしたとは思えない、全くおかしいんだ」

 それは良い事じゃないのか?

「まあ、私としても君はいる方がいいのだけれどね」

「どういう事だ?」

 聞いた俺をひとねは正面から見つめてきた。

「君にはなるべく私の側にいて欲しい……念のためだ」

「お、おう」

 その声色は甘い告白のそれなんかでは無かった。寧ろ苦いような……言うならば警告のような声色で、ひとねはそう言ったのだった。

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