第6話
「会話が苦手」と思ってきた。初めての人に自分から話しかけるようにしてきた。多くの人はそんなに初めての人に話しかける努力などしていないことに気付いた。自分から話しかけなければ、それで終わりなのだ。そんな人間関係はもともと必要ないのではないかと思うようになった。
自分から話しかけられない、そう自分を評価している同僚がいる。ここの職場は全体的に自分から話しかけるという努力をしている人は少ない。それぞれが小さい自分のコミニュティで暮らしている感じがある。派閥というには大げさだ。OLのランチに行くグループに似たようなものを感じる。
自分から話題を見つけて間が待つようにしてくれた男には感謝している。日常生活で費やされる小さな努力から解放してくれる時間だった。でも、そんなにたくさんの話題があるわけではない。
「その話、前にも聞きました。」
そういったほうが、話を聞いていると感じてもらえるのか。いつも新鮮に話を聞いているふりをしているほうがいいのか、また、余分なことを考えるようになった。
誕生日の約束 @Ayashimoto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。誕生日の約束の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます