【完結】もでりんぐ!!

黒幕横丁

始めに 消えた人消えた物語

第0工程 【あるモノの独白、そして手紙】

「こんなはずじゃなかった」


 そう、こんなはずじゃなかった。


「こんな争いは望んでなんかいない」


 そんな争いに巻き込まれるくらいなら……。

 いっその事、こんな世界なんて。

 そう思いながら、私は一通の手紙をしたためた。




 ***様へ


 拝啓、


 私はここから去ろうと思います。

 気にしないで下さい。別に貴方が悪いという訳ではないのです。

 私はこの状況が少し気に入らないだけなのです。

 だから、私はここを出て行くことにします。

 私が、私自身が、この場所をやはり居るべき場所と思ったとき、その時になれば帰ってくることでしょう。

 それまで、私のことなど忘れてください。

 それでは、どうかお元気で。

 またお会いするときまで、さようなら


                          敬具




「これでよし」


 手紙を封筒に入れ、デスクの上に置く。


「さて、此処を出てどうするかなぁ」


 行くあてなんてモノはない。

 そんなどうしようもない自分を自嘲気味に笑いつつ、私はここを出て行った。




 ――この物語は、

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