第百話 魔導の塔と15階突破

サラマンダー戦が幕を閉じた。


「いやー、まいったまいった。ほんと強いんだなーラクスちゃん」

と、いま負けたばかりなのに、ニコニコでサラマンダーがラクスに近寄る。戦うことが楽しくて、勝敗とかもどうでもいいいかん時だった。


「ラクス・・・ちゃん・・・??」

ラクスが自分の年齢でちゃん?と思っているところ気にせず、サラマンダーは近づいてきた。そして握手を求める。

さっきは悪かったね、という態度だ。笑顔が眩しい。


「サラマンダーも若く見えるけど200歳くらいニャン」

ボソっとキャットシーが教えてくれた。

この階の精霊たちは若くみえるけれど、やはりそれなりの年齢を重ねているらしかった。


「そこ!バラさない!!」

キッ!とキャットシーを睨むサラマンダー

ビクッとなるキャットシー。


みんなから笑みがこぼれてくる。

緊張感がとかれていく。

ボス戦はかなり、集中してしまうので、みんなへとへとである。


「つかれたなー」

「お前は見ていただけだろォ」

と、僕にガルクが突っ込んで、そのばは和やかな雰囲気になった。実際見ているだけでも疲れる。そのことはみんなも気がついていたと思う。


「お疲れ様ニャン。また美味しいごちそうを用意したから、ゆっくり食べていって欲しいニャン。」

「わ、ありがとうございます」

僕は丁寧にお礼をした。

前回の料理もかなり美味しかったと思う。


「よし、残念だけど、私ももういくね。ラクス、いい戦いだったよ!次は負けないよ!!それまで自己鍛錬を忘れないこと!」

「わかったわ!また次回戦いましょう。」

二人は固く握手をするのだった。そして、手を振りながら、帰っていくサラマンダー。


「ぼくもいくニャン、また20階で会おうニャン!」

「にゃーにゃー!」

すでにミコルちゃんを僕はガシっと掴んであった。

キャットシーがいなくなって寂しそうだが、心なしか嬉しそうでもある、ミコルちゃん。

キャットシーがいなくなって、離したら、またむーっとした表情にもどってしまった。


一体何が・・・


考えてもわからないことは、この辺にして、ラクスに話しかける僕。

「やったね。また強くなったね」

「うん、ナオヤのおかげだわ」

僕のおかげ?なにもしてないような。と返した。


「そんなことないわ。ナオヤの諦めない戦い方のおかげで、私もあきらめないで戦おうと誓ったもの」

「そうなの?!ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう」

「なんだかよくわからない感じになっちゃったな」

と僕が言うと、その場から笑いがこぼれた。


「さーて、この旨い料理を食べて、更に上に向かおうぜェ、ここまでも大変だったが、まだまだ15階先はまだまだ長いゼェ」

ガルクが、まだまだ先に進む意思を見せ。

ゆっくりご飯を食べて、休むことを提案した。


そうして、僕達は、毎回レベルアップしながら15階までクリアした。

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