第九十三話 魔導の塔と十四階の敵

「あー、やっぱりかぁ」

休息を終えて、13階から14階に上がってきた、僕の目に移ったのは4体のゴーレムであった。


ほんとうに、何回も言うようだけど

魔導の塔の

11階、12階、13階、14階とゴーレムが

1体、2体、3体、4体の順で出てきている。

そしてこの強さは数の二乗倍と言われているので

1、4、9、16倍の強さになっているはずだ。


というわけで、最初のゴーレム1体の、16倍の強さがある、ゴーレム4体との対決になるわけだ。


「そんなの勝てるの。。。」

単純計算しただけで、呆れるほどの難易度アップの敵に、僕は、つい愚痴をこぼした。


「ナオヤらしくないわね。勝てるか、じゃないわ!勝つのよ!」

「やるしかないなァ」

「やりましょう」

ラクスが発破はっぱをかけ、ガルクが乗り、ミコルちゃんが励ましてくれた。


「みんな元気だなぁ」

僕は、この魔導の塔の、レベル設計に、納得行っていなかったので、かなり愚痴っぽくなってしまっているようだ。

よくない、よくない。楽しんでいかなければ!


「昨日、ゆっくり眠れたので元気です!!」

ミコルちゃんは元気一杯のジェスチャーをした。


「たしかに、昨日、たっぷり寝たから、体は元気だ!よしやるか!!」

「やりましょう!!」

無理やり、モチベーションをあげ、戦いに挑む。やりはじめるとやる気が出る、という格言もある。


「グォォォォォオオオオオ」

そういうやりとりを、ゴーレムの前でしている僕達であった。しびれを切らして、ゴーレムが、こっちに向かってきた。


「オーラ!」

僕はそう叫んで、オーラで、飛んだ。

そのまま、天井に吸い付くように着地した。


「いままでのようにやっていると、埒が明かなそうだから、全開でいくよ!」

その、僅かに、天井に吸い付いてる隙に、ファイヤーを連射した。


「ファイヤー(小)」

「ファイヤー(小)」

「ファイヤー(小)」

「ファイヤー(小)」

誰かを狙うわけではなく、とにかく全部のゴーレムに、降り注ぐように、ファイヤーを放った。


「ラクス!!」

そして、ラクスの名を叫んだ。それだけで、ラクスは理解してくれると感じていた。


「わかったわ!!今までとは逆なのね。」

と、一瞬で僕の作戦を、理解したラクスは、答えた。


「どうゆうことだァ」

ガルクが訝しがる。


「こういうことよ!!」

僕から一番遠いゴーレムに、向かって、一直線に向うラクス。そして、飛び、回転する。そのままの勢いで、ゴーレムに借り掛かる。


「なるほど、そういうことだなァ」

それで理解したガルクは、ラクスが攻撃したゴーレム目掛けて、走りだし、そのまま、巨大な刀を振り下ろした。そして、ゴーレムの右腕を弾き飛ばした。


「二人共どいて!!」

作戦を理解していた、ミコルちゃんが、二人に退くように言い、エクスプロージョンを放った。


その瞬間、大きな爆発がおき、一体のゴーレムは爆散した。


「よし、これで一体目!!」

綺麗に作戦が決まった僕は、つぶやいた。

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