第八十五話 魔導の塔と新合成弾

「やっぱりか」

僕は2体のゴーレムを見てそうこぼした。

2体のゴーレムが「グオォォォォォ」と叫んでいる

かなり強そうだ。


ゴーレムは動きはそんなに早くないが、巨大な体と、大きなパワーを持っている。


「やっぱりレベル設計間違ってるんだよなぁ」

僕は笑った。

まだなんとか余裕があった。


だが、難易度は実際かなり上がっている。

さきほどは一体のゴーレムを一瞬で倒すことが出来たが

今回は2体。

さっきの四倍は難易度が上がっている。


ここは、僕が一人で、一体のゴーレムを引きつけている間に、三人で一体倒してもらうという流れになってくる。

ということで一体の注意をこちらに引く。


「ファイヤー(小)」

ゴーレムの巨体の右肩に当たった。


「ナイス、ナオヤ、そっちはまかせたぜェ」

すかさず、作戦を理解してくれたガルクがポクに向かって言葉を投げかけた。


「いくわよ!」

もう片方のゴーレムに対して、ラクスが攻撃をしかけ始めた。ミコルちゃんはエクスプロージョンの詠唱を始めている。


「グオォォォォォ」

「うお!」

ゴーレムが攻撃してきた。

なんとか叫びながら、攻撃をよけた。


こちらに注意をひくためにファイヤーを放っていたので

当然といえば当然なのだが、空を切る音が凄い。

さっきの三人はこんなのを一瞬で倒していたのか。


流石にこの近距離で、この激しい攻撃を避けるのは難しいので距離を置こう。


「グゥオオオオオ」

ゴーレムのうめき声が聞こえる。

巨大な左腕を振り回して、こちらに向かってくる。

これを食らったらヤバイ。


なんとかジャンプし避ける。

弾ける床。


「マジか。」

飛び散った床の破片を見て

ゴーレムの攻撃力を思い知ることになる。


「グググググ」

逃げまわってばかりの僕に気がついたのか、分からないが

なんとゴーレムは三人の方を向いた。


「グオォォォォォ」

やはり、逃げてばかりの僕ではなく、三人の方をターゲットに変えて、向かっていった。


「それは困るよ」

僕は、こちらに引きつけておく仕事をきちんとこなすために。攻撃した


「ファイヤー(小)」

ゴーレムの背中に向けて、ファイヤーを放った。

しかし、かするだけで当たらない。

まずいな。


ファイヤーでは届かないし、近づくとやられる。

そのとき、天啓がおりてきた。


とある魔法のアイデアだ。

ファイヤー単体では届かないし威力が少ない。

この距離をファイヤーの威力を保ったまま

ゴーレムのところまで届かせる必要がある。


ファイヤーを届ける!


「ん、こうすれば届く魔法になるんじゃないか」


右手にファイヤー、左手にウインド。

それをオーラで包み、合成する。


右手首を左手でつかみ、右手は銃のジェスチャーをする。

そして、ゴーレムに向ける。


その場で思い付いた合成弾

「ファイヤーバレット!!」


僕はそう言って魔法を打ちはなった。

ゴーレムの肩を撃ちぬいていた。

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