第八十二話 魔導の塔と新魔法エクスプロージョン

「瞬殺じゃないか」

一瞬でゴーレムを倒した三人の攻撃を見て、僕がつぶやいた。


「やったなァ」

屈強な剣士ガルクがみんなに向かって投げかけた。

「やりました!」

可憐な少女ミコルちゃんはぴょんぴょん跳ねながら喜んだ。

「うまく言ったわね!」

美少女剣士ラクスは凛とした笑顔を振りまいた。


「すごいよ!みんな、いったいどうしちゃったんだ!」

今までの連携とは別次元の連携をみせられた僕は、みんなに向かって質問を投げかけた。この進化は一体なんなのか。僕は気になっていた。


「どうしたって、ナオヤの言われたとおりにやってみただけだわ」長髪の美少女剣士ラクスはそう答えた。

「そうかもしれないけど、こんなに具体的に説明してなかったから」なんとなく、そうかな、とは思ったけど、僕が説明したレベルを超えている。このメンバーは自分で考えて、自分の攻撃に活かせる人たちなのだ。プログラマー時代でもなかなかこういう人たちはいなかった。


アドバイスを自分の血と肉にするのはかなり難しいことだ。そう簡単に出来ることではない。しかもこれは、命が掛かっている。ワンミスで死がある。


そういう戦いで新しいアドバイスを活かして、瞬殺するなんて。


「すごい」僕は素直に簡単のことばをもらした。

「ふははははは、ナオヤの言うとおりやったら、うまく決まったなァ。ミコルやるじゃねえか。」

屈強な戦士は、可憐な少女に向かってそう言った。


「そんなことないですよぉ」

ミコルちゃんは毅然した態度と返事をするつもりだったのだろうけど、笑みがこぼれていた。

歳相応の可愛らしい態度だ。


「そうだよ。あの魔法すごすぎるでしょ。」

僕は、思い出していた。

エクスプロージョン。

まさしく、爆発。


いままでの魔法とは違う種類の迫力のあるものだった。

いままで使っていたのは、ファイヤーやウォーターのような、自然現象を主としたものだった。


それが完全に攻撃に特化した、爆発魔法であったように思う。


「エクスプロージョンのこと?」

ミコルちゃんは、先ほどの魔法を思い出し名称を確認した。


「そうそう。エクスプロージョン!あれは僕にも出来るの?」

僕は、名前を確認して、自分にも出来るのかを確認した。

出来るものなら使えるようになりたい。

しかし、なんとなく魔法力も必要そうだし、難易度が高そうだと、感じていた。見てもやり方はわからなかった。


「おにいちゃんにはまだ難しいかも」

ミコルちゃんは言葉を選びつつ、難易度を教えてくれた。


「たしかに、いままで、覚えた魔法とはかなり違う気がする。あれは一体???」

僕は、先ほどの魔法を思い出し、原理を質問した。

新しい原理の魔法に僕はわくわくを隠せなかった。


「ファイヤーとウインドとサンダーを同時に打つんだよ」

「なんだって!!」


可憐な少女ミコルは、複雑なことを簡単に言ってのけた。

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