第五十九話 魔導の塔の二体のホブゴブリン

「まじ、、、かよ、、、」

信じられない光景が広がっていた。

さっき、ギリギリ倒した。ホブゴブリンが二体いる。

これはヤバイ。


増えたのは1体だが、ランチェスターの法則的に

1:2は二乗倍となるので1:4

つまり4倍強くなってる事になるのだ。


二人組のホブゴブリンは一人のホブゴブリンに比べて四倍強くなっているのだ。


単純に考えて、さっきガルクが一人でホブゴブリンを抑えていたように、もう一体はラクスが抑えなければいけないので

剣士が一人で注意を引きつけておいて、もう一人が斬りつけるといったことができない。


「よおしィ、オレが一人で一匹、ひきつけておくから、もう一人を三人で倒してくれェ!」

とガルクが提案したと同時にもう一匹に向かっていった。


「ぬおォォォォ」

飛び散る火花、もう一匹のホブゴブリンとガルクが互角の戦いをしている。


素晴らしい案だった。

それが一番助かる。

こちらを3人で倒してしまえば、向こうは4対1で戦うことができる。


「ファイヤー(mp小、スピード速い)」

僕は、ホブゴブリンの顔にファイヤーを当てた。


「ヘイヘイ!ホブゴブリン!お前の相手はこっちだぜ!!」

と、柄にもなく煽ってみた。

引きつけ役をラクスとミコルちゃんにやらせてはならない。

僕が引きつけて、ラクスが止めを刺す。


僕とミコルちゃんの攻撃力では、多分ホブゴブリンを倒すことはできない。

あくまで火力を集中させて、意識をこちらに向けさせることが重要だ。


「ミコルちゃん、ファイヤーを集中的にホブゴブリンに当てるんだ!」

「わかったです!ファイヤー!」

ミコルちゃんはそう言ってファイヤーを出した。


「ググググ」

ホブゴブリンはうめき声を上げながら、盾で防いだ。

「ファイヤー(MP小、スピード速)」

そこに僕も重ねた。

しかし、やはり盾に防がれてしまう。


「ミコルちゃん。防がれても気にせず、ファイヤーを叩き込むんだ。」

「わかったんだよ!おにいちゃん!」

いま、ミコルちゃんのファイヤーにホブゴブリンが注意がいっている。もちろん熱いからだ。

このチャンスにさらなる攻撃をする。


「ワープ!」

オーラを全身にまとい、上空に飛んだ。

その高さから、攻撃を続けた


「ファイヤー(MP小、スピード速)」

「ファイヤー(MP小、スピード速)」

「ファイヤー(MP小、スピード速)」


と三発続けて、ファイヤーを叩きこんだ。

最初の一発は顔面に受けたホブゴブリンだったが。

盾を上空のファイヤーに対して向けた。


「ミコルちゃん」

「わかったんだよ!おにいちゃん」

上空に向かって、盾を向けていてがら空きの身体に

ミコルちゃんはファイヤーを叩き込んだ。


立体的に攻撃することにより

ホブゴブリンはどちらを守っていいかわからなくなっていた。


「グググググ」

燃え盛るホブゴブリン、しかしこれは致命傷にならない。

その隙をついて、ラクスが動いた。

剣戟。きれいな剣筋でホブゴブリンを斬った。

そして、ホブゴブリンが消滅した。


「おせェぞォ、おまえらァ」

もう一体を一人で抑えていた、ガルクが言った。

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