第四十〇話 新しい修行
「ミコルはもうここでずっと修行しておる。そんじょそこらの魔法使いよりよっぽど強いぞ」
「それは痛感しました。素晴らしい出力ですね」
ほんとに通関していた。ここ出身の魔法使いはかなり出力が高い。
たぶんそういう特別な訓練をこの大魔法使いがさせているのだろう。
「えっへん。ミコルはすごいんだよ!」
そして、ミコルはそう言った。普段は歳相応の少女だった。
今の僕より強い魔法を使いこなす、少女ミコル。ここは不思議な学校だった。
「というわけで、しばらくはミコルにナオヤの面倒をみてもらうぞ」
「えっへん、ミコルがナオヤの兄弟子だもんね!ちゃんとするように!!」
ミコルは自身満々に、僕に言った。
「あははは、わかった、よろしく頼むよ。」
「じゃあ、早速じゃが修行するぞい。先ほどやはり、左手の魔法力が弱かったようじゃな」
早速鋭い指摘をする大魔法使い。
「そうですね、右手に比べて、かなり左手の方が弱かったです。それをうまく使って、ミコルちゃんの魔法を避けることが出来ました。」
「ミコル・・・ちゃん・・・」
ぽっと赤くなるミコルちゃん。
「あ、ちゃんづけは嫌だったかな?」
失礼な事をしてしまったかな、と思って聞き返す。
「そんなことないもん、ミコルちゃんでいいよ!ナオヤは特別にゆるす!」
慌ててミコルちゃんはそう言った。よくわからなかったけど。
「ありがとう」
とりあえず感謝を告げて話を戻す。
「たまたま両手の出力差で飛んで、左方向に飛ぶことができましたけど、ほんとはこれをコントロールしなきゃいけない」
たまたま、出力差があったお陰でピンチを切り抜けたがホントはコントロールしなければならない。
「そうじゃ、コントロールの前に、最大限のちからを出すことが必要じゃ」
「そう思います」
と、大魔法使いは教えてくれた。
「みたところ、おヌシは最大の力を出すことを避けて来たようじゃ。」
やはり、大魔法使いは痛いところをついてくる。
「そうなんです。自分の魔法力もよくわからなかったし、常にラクスが一緒にいる状態だったので、魔法力が切れて足手まといになるのを避けていました」
と、これまでの経緯を説明した。
「ラクス!」
そうすると、ミコルちゃんが食いついてきた。
「ラクスとずっといっしょにいたのぉ!?」
ぶーぶー、とミコルちゃんが言った。
「そうだよ、危ないところをラクスに助けてもらったんだ」
「ふーん、そうなんだ、じゃあしょうがないかぁ」
聞き分けが良くなった。
「よし、じゃあ、この岩を一日中ウォーターで持ち上げ続けるのじゃ」
と、岩を崩しぼくの上空に岩を投げた。
え!?いまどうやってやったの!?
と思っている隙もなく、上空から岩が降ってきた。
上空にある岩に向かってウォータを唱えた
「ウォーター」
「しばらく、見てるんじゃぞ、ミコル」
「はーい」
そう言って、大魔法使いはどこかへ行った。
「え、マジ?」
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